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作…水野敬也 画…鉄拳『もしも悩みがなかったら』

 自殺をはかろうとした主人公の前に「悩美(なやみ)」と名乗る女性が現れる…という本。

 主人公が悩むと悩美の体は膨らみます。

 逆に、主人公の悩みが減ると悩美の体は縮みます。

 悩みは人を苦しめるために存在しているのではありません。

 夢見ることがあるからこそ、人は理想と現実とのギャップに悩むのです。

 今はその夢が何らかの理由で叶えられていないから苦しいのです。

 悩みは自分の分身のようなもの。

 悩美は主人公に「まずは栄養のあるものを食べて体力を取り戻しましょう」「では、この部屋をそうじしてみましょう」と的確なアドバイスをくれます。

 それに従ううちに、だんだん、主人公自身の本音や自主性が引き出されて、人生が少しずつ変わっていきます。

 主人公が変われたのは、悩みの存在を無視せず、悩美の言葉をしっかり聞いたから。

 それが出来なければ、主人公はきっと死んでいたでしょう。

 この本を読むと、悩みから目を背けず、むしろ悩みと共に生きていく大切さに気付かされます。

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