絵…高橋潤 文…松岡宏行『タイツくん 新熟3丁め』

　オトナによるオトナのための四文字熟語を作り、それに合うシュールなイラストを見て楽しもうという本。

　ちょっぴりエッチな大喜利みたいで楽しい。

　面識も無ければ全く知り合いでもないけれど、わたしはモーレツにこの本を小遊三師匠におすすめしたいです。

　なぜなら、「これは小遊三師匠のお好みのタイプの本かも」と思えて仕方がないから。

タイツくん 新熟3丁め

　例えば「出■差止」という熟語。
　この■には何が入るでしょう？
　ちなみに、この本に載っている解答例は「張」（夜のお店で羽を伸ばしすぎるから）、「腹」（お腹が出過ぎているせいでベッドで女性から拒絶されるから）。

　では、「入■妨害」は？
　解答例は「札」「浴」。
　…うーん、意味深。
　出入り禁止になったのでしょうか。

　「■人使捨」は？
　「新」「芸」。
　…うーん、世知辛い。
　こんな世の中に誰がした。

　「因縁再■」は？
　解答例は「戦」「婚」…。
　因縁再婚って気になりますね！
　元夫や元妻とよりを戻したのでしょうか？
　それとも、長年の不倫相手と籍を入れたのでしょうか？
　どこからともなく漂う、昼ドラのかおり。

　「■の気配」は「秋」「開」。
　「開の気配」には電車かバスに揺られてウトウトと眠っているミニスカートのお姉さんのイラストが載っています…。
　お姉さん起きてーーー！
　あし！
　あし！！

　巻末の「いろいろ使える各種申請書フォーム」もブラックユーモアに富んでいて笑えました。

　「辞退届（兼長期休暇願）」の項目は「手当なき残業」「割り勘のデート」。
　手当なき残業ならわたしもしょっちゅうしていますが、奢りどころか割り勘のデートも最近とんとしておりません。
　残念！

　更に注目したいのは、「L／C（告白状）」。
　ここには、「へそのゴマを集めています」や「愛しているフリをしていました」が書かれています。
　…へそのゴマを集めて一体どうする気なんでしょう？？
　へそで茶を沸かすわけでもないでしょうし、「開けゴマ！」と叫ぶわけでもないでしょうし。
　「愛しているフリ」が意味することも気になります…なにやらどこからかサスペンスドラマの香りが…。

　〈こういう方におすすめ〉
　大喜利的なジョークが好きな方。

　〈読書所要時間の目安〉
　30分〜1時間くらい。