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編著…東京都現代美術館『山口小夜子 未来を着る人』

 雑誌広告やパリ・コレクションをはじめとする、様々なショットをまとめた本。

 わたしはこの本を読んでいて、「糸屋の娘は目で殺す」という言葉を思い出しました。

 切れ長の目。

 独特のアイライン。

 きっとこれまでに多くの人々が、この瞳にハートを撃ち抜かれてきたのでしょう。

 そしてこれからも。

 どの作品を見てもそう思わされます。

 沈黙しているのに雄弁…という印象を受けます。

 写真だから喋らないのに。

 物凄い存在感。

 白黒の作品であっても、「きっと唇も爪も鮮やかな赤に染まっているのだろう」と見る者に想像させる艶やかさ。

 中には、まるで魔に魅入られたかのような気配の作品もあって、ゾクッとしました。

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