見出し画像

クローゼットは黒い服ばかりの私が、真っ赤なセーターを買った話|2023年10月の日記

スティーブ・ジョブズが三宅一生がデザインした黒のタートルネックばかりを着ていた話は有名かもしれない。「今日は何を身につけるか」で考える時間を作りたくなかったため、同じ服を何着も持っていたのだとかで公言していた。

悩む時間がもったいなくて、黒を選んでいた日々

コーディネートに自信のなかった私は、しばらくこのジョブズスタイルを模倣していた。クローゼットに並ぶ服は、上下とも黒、黒、黒。
もちろん、バッグや靴なども黒だ。
(ちなみにスティーブ・ジョブズは、黒のタートルネックを選択するのと同じ理由でリーバイスのジーンズを着回していたので、全身黒色ではなかった)

過去に興味本意でパーソナル診断を受けたが、アクティブキュートと言われ、違和感なく受け入れていた。
似合う服といえばビビットだったり、大きな柄物だったり、派手なファッションに負けない顔をしていると言われ、なんだか褒められているような気がして勝手に舞い上がっていた。
(パーソナル診断に詳しいわけではないので、誤りがあれば申し訳ないのですが…)

かといって、その後も購入する服は全て黒だった。

これは私がファッションについて、軽く諦めていたからかもしれない。

例えばカットソーをを1つ購入したとする。見た目に気をつかおうとすると、これに合うボトムスや小物も揃えたくなるし、メイク道具や髪型も変えたくなる。
そうするとお金がいくらあっても足りないのだ。
完成を目指せないのであれば、最初から力を入れなくてもいいかな、と始めもせずにファッションを楽しむことを手放していた。

きっかけは転職した先が完全にフルリモートだったから

これはもう確信しているのだが、きっかけは転職した先が完全なるフルリモートだったからだ。

外部の会社との商談、社内での打ち合わせなど、会議がある場合は全てオンライン会議だ。
この時に嫌でも意識せざるを得ないのだ。PC上に映る自分の容姿を。

これが出社前提の対面での打ち合わせがメインだったら、ここまで自分の見た目を意識しただろうか?と疑問に思う。いや、今までそんなことなかったから、やっぱりこのフルリモートという環境が心境の変化のきっかけとなったことは間違いない。

オンライン会議でも服装が全身全て映ることはない。
けれども、もうちょっとファッションに気をつかってみたいなと思うには十分すぎた。

頑張る必要がなくなったので心にゆとりができたことも大きい

制作会社に勤務してたいた私は、クライアントワークに従事している人間あるあるだと思うが、オンとオフの境界線が曖昧だった。
常に何かしらの期日に追われ、顧客に気をつかい、日々心が疲弊していたように思う。

それが事業会社に転職したこともあり、心が開放された心地がするのだ。

まだ転職して間もないので、何も成してない状態で判断するのも時期尚早かもしれない。けれど、明らかに心が安らかなのがわかる。

精神的な余裕が生まれたので、そうだ、ファッションにもうちょっと労力を割いてみる?と思うことができたのかもしれない。

フルリモートで誰にも会うことがないのだけど、それでもメイクだったりネイルも楽しみたい。あとピアスをネットで選んでいる時など、とてもウキウキしている自分がいることに驚いた。正直、身につけるものにそれほどこだわりがないものだと自分で思っていたのだが、そうでもないかもしれない。これは嬉しい発見だ。なぜなら、日々を楽しむことができるから。

真っ赤なセーターを購入した。そら豆色のワンピースも購入した。
これを着てどこかに行く予定もないけれど、なんでもない日に身につけようと思う。自分が喜ぶから。

これからは「いいな」と思った服は手に取るようにしていきたいと思う。たとえ、黒い服じゃなくても私の選択肢になり得るから。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?