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就職活動を始める前に大切なこと 語彙力

学生も社会人も、「語彙力」にコンプレックスを持っている人が多いと思います。その理由に、書店のビジネス書コーナーを訪れて見てください。「語彙力」についての本が沢山平積みされていると思います。

語彙力は「絵の具の種類」と同じだと思います。絵の具を3色しか持っていない人と16色持っている人とでは、表現の幅に大きな差が出ます。語彙力もそうです。沢山の言葉を知っていれば、それだけ表現が豊かになります。逆に語彙力が無いと、自分の意図している事が伝わらず、歯痒い思いをします。コミュニケーション力の一端は語彙力が担っていると言っても過言ではありません。

日本語で想像するより、英語で想像すると分かりやすいと思います。中学英語レベルの人と、ビジネス英会話レベルの人では、言葉でのやり取りにおけるコミュニケーションの差は歴然ですね。

そして、語彙力はエントリーシート・履歴書の作成や面接で大きな差となります。

だからこそ、日ごろから語彙を広げることを意識して欲しいのです。語彙は一朝一夕に身に付くものではありません。本を読み、人(特に社会人)と話す中で、気になる言葉、分からない言葉があれば、そのままにせずすぐに辞書で調べることが重要です。

特に簡単だと思っている言葉こそ、そのままにせず、その本当の意味を知ってほしいです。

例えば、「志望理由」とはどういう意味でしょうか。「志望」と「理由」を調べてみて下さい。「挑戦」とはどういう意味でしょうか。これも調べてみて下さい。こういう、エントリーシートの質問で頻出のキーワードについても、その意味をしっかり把握する事が大切です。質問に答えていないエントリーシートが目立つのもそのせいだいだと思います。

さらに、文章作成の際、書いていて少しでも不安な言葉があれば、使い方が間違っていないか吟味するために、必ず辞書を引くようにしてください。

おススメは携帯の辞書アプリです。私も『新明解国語辞典』(三省堂書店)のアプリを購入し、本を読んで分からない言葉があればすぐに調べています。

最近だと「たまさか」という言葉を辞書アプリで引きました。「思いがけず、そのような機会を得る様子」の事で、「町中でたまさか幼なじみに会った」と使用します。(新明解国語辞典)

語彙力で特に重要なのは「四字熟語」「ことわざ」「慣用句」だと思います。これらは、長いセンテンスを(四字熟語であればわずか)4文字で表現できてしまう優れものです。

「自分に決まった考えがなく、軽々しく他人の説に従うこと。」(27文字)を「付和雷同」(4文字)と言います。(新明解国語辞典)

「わだかまりが無くて、さっぱりした心で物事に接する様子」(26文字)を「虚心坦懐」(4文字)と言います。(新明解国語辞典)

いずれも25文字を超えるセンテンスを四字熟語を使って1/6に圧縮することが出来ました。圧縮できた分だけ面接やエントリーシートでも、その他に字数を回すことが出来ます。(まぁ余りに難しいものだと、採用する企業の人が分からない可能性がありますが)

もう一つ、「四字熟語」「ことわざ」「慣用句」の利点は、相手に対して説得力を与えることが出来ることです。

「私は自分に決まった考えがなく、軽々しく他人の説に従うことを善しとしません」と言うのと、「私は付和雷同を善しとしません」と言うのでは、相手に与える印象が違います。

人は例え話に説得されやすい生き物です。「四字熟語」「ことわざ」「慣用句」は例え話を圧縮した、究極の説得ツールなのです。私の会社に在籍した社員でも、説得がとても上手な人がいました。その人を観察すると、「四字熟語」「ことわざ」「慣用句」使いの達人でした。

まとめます。語彙力は一朝一夕で身につくものではなく、日頃から意識して力をつける事が必要。そのために国語辞書アプリを使い、その意味をきちんと理解することを心がけて下さい。これが、就職活動でエントリーシートや履歴書を書く際、面接をする際に大きな差となります。

最後に、私が浪人時代に通っていた代々木ゼミナールの現代文の名物講師、笹井厚志先生の名言をお伝えして締めくくりたいと思います。

恋をするより、語彙を増やせ。

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