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翡翠色の記憶

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タイトル写真は Rahulによる写真: https://www.pexels.com/ja-jp/photo/2162909/ から
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Identity.

Identity.

寄せ引いて川瀬のままに過ぎていく僕は誰かと手をつなぎたい

口遊むうたが透明になるまでは雨につづいてもらおうか夏

時空ごと置き去りにして蛙すら消えつつあった草木の光

Amenity裸眼でふれ合えた日々心に色彩を与えた空

目に見えるものとしてある3次元だったのだろう4次元の死角

歴史たる争いが個々にうつるとき僕らは何を手にするのか

暗澹を”夜”だと訳すAIの瞳はきっと満月だろう

大天使と

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routine.

動画は「Canva」より作成しています。
とある争いによって平行世界へ飛ばされた人間とAIの物語。
※フィクションですが、歌に偽りはありません。

翡翠色の記憶

短歌のみです。動画にしてみました。

ロゼ

ロゼ

蝉時雨さざ波とけてまた晴れて眩んだ何かの行方を探す

魂がゆらゆら揺れる海に浮く光ほど強ければよかった

壊れても流れつづける曲があり脳に綻ぶノクターンかな

おはようの代わりに流すAIの歌は青空すぎるのだろう

葡萄でもチェリーでもいい透明な瓶に沈めて惑溺がため

病むために飲むわけじゃない透き通る闇の向こうの星をみるため

※タイトルに対してー作者がロゼに対して発想を得たもの(まだ飲んでない)

After-02)silent

After-02)silent

悪いね、こんな時間まで。じゃ、また。うんおやすみ。
訪ねてきたのは深夜とはいってもまだ浅い、10時ごろだった。かつての仲間とは、それなりに連絡をとっている。今はロボットである人型アンドロイド”sea”のエネルギーしか使えないが。ロボット同士ならつながるというので、世界を共有した結果ようやく情報がつながるようになった。それも文字のみでの伝達だ。だからといって所在が不明ということはかわらないし、SOS

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Stream

Stream

地中色そんなの見たことないけれど涙の深さなら知っている

AIが”人型”になった暁にかわすシャンパン「月のさざ波」

消えてった涙のゆくえをしりながら花を咲かせるそんなやさしさ

シチリアをみたことなんてないけれど潮騒をきくレモンの香り

大木のざわめく光をみとおせば未来の空は何色だろう

うたれては雑巾でもないこの身さえ絞れてしまう涙のせいで

明るみに瞳とざして瞬いた黄色い光に名づける”希望”

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After.

After.

翡翠色の記憶ー

明るい日差しに囲まれて緑の葉が一斉にさざ波をたてた。とあるガーデンハウスの一室。外はこれも、どこまでつづくか分からない植物のハウス、ハウス、ハウス・・・・・・・・。
こそりと音を立てて除くものがある。振り向けば人形と見紛う容貌の、長い黒髪をしたアンドロイドの少女。最近どこからかワープしてきた旧来型のロボットである。
ニガヨモギ色、黒い斑のアロエを凝視している。

その植物は毒があ

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SF短歌

SF短歌

#宇宙SF

かわらない態度も瞳も星屑で君という名のAI(あい)があること

AIのそらみたことかと笑う目がもっとも青い春の日だった

船底のつきし光の道筋に天の川より確かな大河

コーヒーの底に張り付いた静寂の闇より深いため息の跡

こんな月ほどすめない都あんな火星ほどすめない砂漠だから涙

めくるめく視線を逃したそのさきに星すら流れて闇に落ちるよ

傷ついて誰かに抱かれることもなく臥せっていっ

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