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夏の終わりに感じる漠然とした切なさは、この映画で解消『summer of 85』


夏vs秋。
この夏の終わりの切なさについては以前の記事でも書いたこと。


この感情をどこにぶつけたらいいのかと思い、noteに書き出した。
この漠然とした感情、どちらかといえば苦手だと思っていたのに、浸っていたくなるような映画があったので、感想とともに。

『Summer of 85』

フランソワ・オゾン、映画製作の原点となった小説を映画化。
運命の出会いと永遠の別れ、狂おしくも切ない初恋に溺れたあの夏─
少年同士の瑞々しい刹那の恋に魂が震える、最高純度のラブストーリー

解説
フランス映画界の名匠フランソワ・オゾンが、若かりし日に読み影響を受けたというエイダン・チェンバーズの小説「おれの墓で踊れ」を映画化し、16歳と18歳の少年の人生を変えた、ひと夏の初恋を描く。セーリングを楽しもうとヨットで沖に出た16歳のアレックスは突然の嵐に見舞われ転覆し、18歳のダヴィドに救出される。2人は友情を深め、それはやがて恋愛感情へと発展し、アレックスにとっては、それは初めての恋となった。そんな2人は、ダヴィドの提案で「どちらかが先に死んだら、残された方はその墓の上で踊る」という誓いを立てるが、ダヴィドの不慮の事故により、2人の時間は終わりを迎える。生きる希望を失ったアレックスを突き動かしたのは、ダヴィドとあの夜に交わした誓いだった。主演は、オゾン監督がオーディションで見いだしたフェリックス・ルフェーブルとバンジャマン・ボワザン。第73回カンヌ国際映画祭オフィシャルセレクション選出作品。

公開日: 2021年8月20日 (日本)
監督: フランソワ・オゾン
原作: おれの墓で踊れ


『ほんの一瞬も離れたくなかった。』
『一緒にいるのに、満たされなかった。愛していたから。』


16歳のアレックスが、18歳のダヴィットに抱いた感情。

こういう感情って、映画や小説にしてはじめて美しいというか。
こういう胸の内を話すと、メンヘラというレッテル貼られて、要注意人物として扱われるのが現実の多数派。


まあ・・・愛が憎しみに変化して、もしくは愛しすぎて殺人を犯す人も存在するわけだから、その現実の在り方は、あながち間違ってないのかもしれないけど。


このアレックスの台詞、19歳のわたしであれば顔を大きく縦にふっていたと思う(笑)

はじめて感じる親以外の誰かからの大きな愛、裏切られるなんてそんな未来予想のカケラもない。


相手=自分
自分=相手


常に、この方程式が成立してると思い込む。
その方程式が少しでも崩れていることを認識すると、それはもう一瞬で。

簡単に、憎しみや苦しみに変化する。(ガクブルガクブル)


相手=自分
自分=相手
こんな方程式、はじめから存在しないのに。


わたしはこんなことを考えた映画だったけど、二人の掛け合いがとっても良くて、自分も恋をしている気持ちになった。ヴァカンスしているような。



『ぜんぶ、夏のせいだ!』


夏に起きた失敗は、この言葉で解決できる。
これ、夏限定の魔法の言葉なんだけど^^

この映画で描かれている経験や失敗は、到底この言葉で解決できるものではなかった。
よって、この魔法の言葉の魔法は解けました・・・。



映画を観終わったあとに余韻は

『結局、あなたの本質はなに?』
『あの言葉や行動、その心は?』

こんな疑問を抱きつつ、自身の想像力でどの方向へもいけるような自由さ。

全てを語らない美しさとは、このことかもしれない。


ざらざらとした映像や80’sファッションも見所で、服の着こなしのヒントも沢山あった。

全体を通してもう少し長編で観たかったなあ・・・と感じたけど、出会いから別れまで6週間という短期コースだから、この物足りなさが妥当なのかも。
それが、わたしが感じる夏の終わりの切なさと似ていて、このタイトルをつけた。


今日はこんなところで。
最後まで読んでくれて、ありがとうございました^^


最後に一つ。















ダヴィット、マ ジ で色男だから、要注意!!!!!!
(惚れてまうやろー!の被害者、ここに約一名。)

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