見出し画像

なぜ、悪習慣は変えられないのか。世界で話題の骨太研究本『習慣と脳の科学』(みすず書房)を読んでわかった、「私」の危うさ

本書は、悪い習慣を直すための
「簡単なコツ」を紹介したりするものではない。
むしろ、他の本で紹介されている
習慣を変えるための魔法のような解決策のほとんどが、
本物の科学の前では意味をなさなくなることを明らかにしていく

『習慣と脳の科学』より

選書サービス「ほんのれん」は、テーマごとに厳選した5冊の本を紹介しています。ほんのれんvol.17のテーマは「スマホ中毒?」。今回紹介するのは、『習慣と脳の科学 どうしても変えられないのはどうしてか』。

スマホ中毒、食べ過ぎ、運動不足にアルコール依存……。
みなさんは、どんな悪習慣を変えたいですか?

私たちは、自分の習慣を変えようとするとき、「今日からダイエットしよう!」なんて決断して、意思の力でなんとかしようとする。でも、調べれば調べるほど、人間の習慣というものは意思の力で変えられるものではなさそうだ。むしろ、「私」というものは、私がコントロールできるものではなく、環境や遺伝によって決められてしまったものかもしれない……。

今回は、けっこう難解な本書の内容をマシュマロ・テストの実験を例にかんたんに解説。巷に流布しているマシュマロ・テストの解釈が、2018年に更新されて、なかなか身も蓋もない結論になっているのに驚きました。

▼エピソード
意思力を測る実験!「いまからシロクマのことは考えないで」/「私はいないのかも」/マシュマロ・テストの意外な結論/自制心があると成功するってホント?/マシュマロと煮干し/2018年の追試では、なんと母親の◯◯が子に影響していた/待つのが合理的とは限らないもんね/河本英夫さんの金魚実験/昭和の飢餓感、もしかして人口が多かったから?/デジタル世界に適応しやすい人の特徴/ハトの実験は、労働者をうまく操るために/ニーバーの祈り/仕事のメールの7割は6秒で開封されている!?

▼ほんのれん今月の旬感本


▼ほんのれん今月の旬感本

「スマホ中毒」を考えるほかの記事

スマホを捨てたい子どもたち: 野生に学ぶ「未知の時代」の生き方』
 山極 寿一(著) ポプラ社 2020 を紹介しています↓

ATTENTION SPAN(アテンション・スパン)
 デジタル時代の「集中力」の科学』

 グロリア・マーク(著) 依田卓巳(翻訳)
 日経BP 日本経済新聞出版 2024 を紹介しています↓


▼ほんのれんとは

ほんのれんは「問い」と「本」と「対話」の力で思考を触発し、場に創発を促すコミュニケーション・ハブ装置です。丸善雄松堂と編集工学研究所の共同事業です。

▼ほんのれん編集部
ほんのれんラジオは、「ほんのれん編集部」(編集工学研究所)のメンバーがお送りします。