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北海道の海で出逢える「可愛い」から「圧巻」まで|愛しい北海道ANIMALS

この連載愛しい北海道ANIMALSは、北の大地に暮らす動物たちを23年間にわたり見守り続けてきた結びさんによるフォトエッセイです。そんな結びさんの撮影する動物たちの姿は、おもわず息をのむほど美しかったり、可愛らしかったり、ときに猛々しかったりします。今回は、北海道の海で出逢える魅力的な動物たちをお届けします。

はじめは、大好きなシャチです。春から楽しみな知床羅臼のクルーズ。私はレンズ越しに観ることが多く、リアルな大きさを感じにくいのですが、オスは体長6~8m、メスは5~7mと、とても大きいんです。シャチの魅力は白黒のカッコイイ見た目にもありますが、その大きな体でスパイホップ(体を海面から出す行動)、ブリーチング(ジャンプ)、テールスラップ(尾びれを水面に叩きつける)など、いろいろな迫力ある動きをみせてくれること。また数頭の小さな群れ?と思っていると、みるみる増えていき横にずらっと20頭近くが並ぶ姿は圧巻です。

羅臼のマッコウクジラの豪快ダイブ

こちらは一生に一度は観たいと思っていたマッコウクジラ。この時は同時にシャチも観ることができて、それ以来すっかりクルーズにハマってしまいました。羅臼にやってくるマッコウクジラはオスばかりのようで、15~20mもあり、ほぼクルーズ船と同じ大きさ。すごく大きいですね。

クジラの鼻の穴(噴気孔)は左側にあり、ブロー(息継ぎ時の噴気)は斜め45度。船ではマイクを海中に下ろして餌を捕るためのクリック音を聴くことがあります。その音が止まったら浮上の合図です。キョロキョロと船の周りを見回してみてください。ブローを発見できたら楽しい思い出になるかも?

マッコウクジラのブローは斜め45 度に吹き上がる

羅臼ではほかにも、イシイルカ、カマイルカ、ツチクジラ、ミンククジラ、通りすがりの別な鯨類たちや海鳥たちとの出会いがあるかもしれません。

* * *

次にご紹介するのは根室落石でのクルーズ。こちらは海鳥をメインに、いざ鳥探し!と乗った7月のある日、まさかのザトウクジラ親子の大ジャンプに出くわしました!(※この記事のトップに掲載されている写真です)

「体長約15mの大ジャンプは圧巻!」と言いたいところですが、興奮しすぎてよく覚えていないのが本当のところ。じつは写真の飛沫を見て、ようやくその大きさを実感したんです。

ザトウクジラのジャンプによる飛沫も大迫力

ザトウクジラは北の餌場へ移動するときにこの辺りを通るらしく、親子に遭遇できたのはとても運の良いことだったようです。

落石では普段観ることの出来ない、日本では絶滅危惧種のエトピリカ、ケイマフリ、チシマウガラス、そのほかにも多くの野鳥を観ることができます。そしてもう一つの楽しみがその景色です。鳥と風車、ゼニガタアザラシと壁面の模様、海藻の中にぷかぷか浮かぶラッコなど、独特な風景の中に溶け込んだ動物たちになんとも言えない魅力を感じています。

風力発電の風車をバックに
面白い模様の岩壁の下
よく観るとゼニガタアザラシがゴロゴロと
可愛い顔でこちらを観ている仲良しラッコ
右下を飛んでいる「ボケ」はケイマフリ

※島には浅瀬もあるため離れた位置からの観察になります。時には動物たちから近寄ってくれることもあるそうです。

* * *

最後は、鉄の街・室蘭のクルーズです。ここでのお目当てはカマイルカ。羅臼や落石でも出会ったことはあるのですが、室蘭の噴火湾は7月~秋口まで、カマイルカがエサ取りや子育てをしながら過ごす出産と子育ての場です。(※室蘭のイルカウォッチングは6月~8月中旬予定)

大きな工場と風力発電の風車の景色が目を引きます

私が乗船したのは7月中旬。この日は港からそう遠くないところで小さな群れが点々と泳ぎ、港内でも餌を捕る姿が観られました。8月には小さな群れが徐々に集まり、船の周り中がカマイルカ。そんな大きな群れになるそうです。その群れに出逢うことが出来たら、まさに「圧巻」の光景になるでしょう。

待ってました!波乗りしている2 頭
カマイルカの魅力、アクロバティックな動き

今回、羅臼、落石、室蘭と3カ所のクルーズをご紹介しました。どれも私にとってワクワクの時間でした。皆さん、どうぞ楽しいクルーズを!

※各場所で気候や船の様式が異なります。詳しい内容は各クルーズ会社のウェブサイトなどでご確認ください。野生動物との出会いは保証されたものではありません。小さなお子様と乗船をお考えの方は、各社で状況が異なる場合があります。船酔い、暑さ、寒さの対策もお忘れなく。

文・写真=結び

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全68種のかわいくて素敵な動物が勢ぞろい
北海道の野生動物をとらえた写真集

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人気のシマエナガや「エゾのつく」リス、モモンガ、シマリス、ナキウサギ、珍しいオコジョなど、北の大地でしか出会えない野生動物たちに、迫力のシャチ、フクロウの仲間まで多数収録。親子や赤ちゃんの愛らしい様子など、北の大地の素敵な動物たちの小さな物語やびっくりが隠れています。本の中には、白いエゾリスやエゾオコジョも出てきます。
撮影時の動物とのエピソードを描いたイラスト付きで、親子で楽しめる写真集になっています。23年間にわたり北の大地を撮影してきた北海道在住のフォトエッセイストが手掛けた、ほっこりと雄大さを兼ね備えた一冊です。

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