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ほんのひととき編集部が気になった記事

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ここでは、旅と本のウェブマガジン「ほんのひととき」の編集部が気になったnoteをまとめています。おもに、旅や文化歴史にまつわるもの、本や書店を紹介したもの、ほんのひとときの記事を… もっと読む
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2024年1月の記事一覧

本屋lighthouse

きっかけは店主の書評だった。 美しい文章だ。 店主は興味深い本屋をやっていた。 この本屋へ行かねばならない。 この美しい文章を書く本屋を訪ねてみたい。 新しい年の旅先が決まった。          🐈🐈 店主は灯台のような人だった。 店主と一言、会話を交わすと、長年の友人と話しているようだった。 ここは、あまねく人々が停泊できる港なのだ。 この「あまねく」は、他の港での停泊を断られた人々だ。 港へ錨を下ろすことを許されず、夜の海を彷徨う人々が、ようやく見つけた灯り

テキサスからの友人

「煌めくような出会いに向けて」 と書いたその夜、 煌めくような出会いがあった。          🐈🐈 その夜は不思議な夜だった。 私には大好きな場所がある。 その夜、私は 「どうしても行かねばなるまい」 と思った。 Barのドアを開けると、店主は 「今、貴方のことを考えていたよ」 と言った。 しばらくして、ひとりの旅人が ドアを開けた。 旅人は、テキサスからやってきた。 人生で初めて日本へ来たのだという。 「この場所に行ってみたい」と 旅先を小さなBarに決

【紀行文】星降る中部高地にて大地の力に圧倒された~山梨県立考古博物館 その1

魚尻ラインを支えた中道往還の出口にある風土記の丘  静岡から山梨に至る道は複数あるが、私がよく使うのは旧中道町を通る国道358号線、通称「中道往還」である。  その昔、駿河湾でとれた海産物(特にマグロ)をその日のうちに運ぶことが出来たライン、これを「魚尻ライン」というのだが、甲府はその圏内にあった。故に、この甲府には意外と新鮮な生魚が運び込まれていたらしい。  信州に縄文文化を訪ねる旅をした帰り、連れの学芸員が「ここの県立考古博物館もいいんだけれどなあ」とぼそっと囁いた言

27歳になりました。そして最近嬉しいこともありました。

お誕生日おめでとう、自分。 なんだか実感を持って歳を重ねていたのは23歳くらいまでで、そこからは気付かないうちに数字が増えている気がします。 とはいえ、歳をとるのは別に嫌ではないというか。だいたいこのくらいの年齢までにこういうことをしていたいな、こういう環境にいたいなという理想はあるからたまに焦るけど、日々を楽しめていると思います。 27歳の1年も、やりたいことをちゃんと達成する一年にしたいです。たとえそれが、ちゃんと休むときは休むってことだとしても。 どんなケーキを

364 招き猫に招かれて。やって来ました豪徳寺

新宿から小田急線の各駅停車に揺られて15分。世田谷区の豪徳寺駅にやってきました。 ここは都内で2つしか残っていない軌道線である東急世田谷線の乗換駅ですが、名前の通り「豪徳寺」というお寺の最寄り駅となっています。旅程の都合で今回こちらには乗りませんでしたが都会に残るミニ鉄道での観光も是非してみたいですね。 豪徳寺は彦根藩主で後に江戸の大老となる井伊直弼の墓所のあるお寺です。江戸初期から彦根藩井伊家の菩提寺としての役割を果たしてきました。そんな豪徳寺はいま、日本で深く定着して

名古屋メシとイルミネーション【名古屋小旅行】

こんばんは!グルメキャンパーあやです。 いつもいいねやフォローありがとうございます。 大阪↔︎名古屋間は、日帰りでも行けるほどの距離ですが、三重のなばなの里のイルミネーションも見るために、名古屋1泊旅行に行って来ましたので、気軽に行けるプランとしてご紹介したいと思います。 ◼️なばなの里 イルミネーション 以前から気になってはいましたが、行けていなかった、なばなの里のイルミネーション。 行く前までは(何の根拠もなく・・)大したことないかな〜と思っていましたが、予想以上に

アフリカで学校建てましたレポ(ザンビア・ルヤンドコミュニティ編)

夫と私が運営するNPO学校をつくろうのプロジェクトとして、アフリカ・ザンビアの小さなコミュニティで住民と共に学校を建てました! ザンビアでは学校が不足しており、多くの子どもたちが学校で学ぶ事ができない現状にあります。 私たちは世界中の子どもたちが自由に夢を描ける未来を創るため、辺境地域での学校建設に取り組んでいます! 今回は、ザンビアでのプロジェクトを漫画にまとめました!  今回の学校は、ガーナで建てたアマチャスクールに続く2校目となります。 ガーナの学校は今年創立

瀬戸内旅行記

今回のnoteでは、2023年6月、7月にした瀬戸内地域の旅行をまとめて紹介する。 瀬戸内旅行①以下、2023年6月8日にした、瀬戸内日帰り旅行を記録していく。 拙僧の父親がその辺りを旅行するということだったので、拙僧が便乗する形で連れて行ってもらった。 まず、岡山で東京から来た父親と合流し、車に乗って亀老山展望公園を訪れた。 亀老山展望公園からは来島海峡大橋を見渡すことができたのだが、天気があまり良くなかったこともあり、景色が霞んでいたのが少し残念である() 次に

遺跡レポ:飛鳥の「石舞台古墳」と「酒船石」の不思議な魅力。祭祀の謎に触れる?!

【写真10枚】  京都駅から近畿日本鉄道でおよそ1時間半。日本人の心の故郷といわれる飛鳥がある。飛鳥駅から自転車を借りて約10分走れば、石舞台古墳だ。 石舞台古墳の内部へ  蘇我馬子のお墓と言われる石舞台古墳。7世紀に作られた、日本最大級の方墳だ。  天井に使われている巨石は77トン、総重量は2,300トンと推定されている²  石材は3キロほど上流にある峰のふもとから運ばれたらしい。ソリのような運搬道具を用いたことがわかっている¹。 名前の由来  天井に使われた石

スペイン アルハンブラ宮殿 -Palacios Nazaríes-

スペイン アンダルシア州のいくつかの街を周る旅、前回のアルハンブラ宮殿"ヘネラリーフェ"から次へと移動… "ナスル朝宮殿"へと進みたいところだが、わたしと同居人のナスル朝宮殿の入場時間は、旅の数週間前、事前に公式サイトでチケット購入した段階で入場時間を選択している。 ナスル朝宮殿は人数制限があり、入場時間を決定しておく必要がある。 (特にハイシーズンなど、ナスル朝宮殿の当日チケットはすぐに完売することも多いので、事前購入しておく事がベストかと。) まだ時間に余裕があった

岡山城「月見櫓特別公開」訪問記

 私のnoteを読んでくださっている方は、城の「特別公開」に関する記事が非常に多いことに気づくと思います。  これまで、姫路城・大坂城・明石城・備中松山城の特別公開の記事を公開してきました。江戸城の一般参観の記事もこのカテゴリに入るかもしれません。各地の城の特別公開に行ってみるのが私のマイブームなのです。  昨年11月には、岡山城で重要文化財の「月見櫓」が公開されたため、訪問してきました。 奇跡的に残った櫓 岡山城は第二次世界大戦中の空襲により、天守をはじめとする多くの建

【シンガポール歴史散策】東西の美が融合!プラナカン文化が根づくカトン地区を歩く

2023年2月に訪れたシンガポール。その中でもっとも印象に残ったのは、「カトン地区」と呼ばれるカラフルでフォトジェニックな建物が並ぶエリアです。 シンガポール観光ガイドブックの表紙になるほど写真映えする街並みが広がるカトン地区ですが、マレー半島、中国、そして西洋の文化が混ざり合うプラナカン文化が根づく歴史的な街でもあるのです。 今回は、カトン地区の写真とともに、プラナカン文化についてご紹介します。 そもそもプラナカンって?シンガポールやマレーシアには、「プラナカン」と呼

全国自然博物館の旅⑲富山市科学博物館

筆者は北陸地方が大好きです。おいしいものを食べたり、標高3000 mクラスの山に登ってライチョウを見たりと、富山県でいろいろな思い出を作りました。 超高山と雄大な日本海を擁する富山県は、贅沢なほど多種多様な生命であふれています。標高差の異なる環境が複雑に絡み合って築かれた生態系は、まさに奇跡のようです。その不思議で魅力的な自然科学を学べる博物館が、富山市内の街の中に立っています。 富山県の中心部に立つ自然科学の伝導館富山県の大いなる自然科学の学術拠点。それは、大きなビルが立

レトロな街で楽しむワーケーション

先日の地震で輪島のレトロな街並みがあのようなことになっているのを見て絶句しました。レトロな街並みは同時に耐震性や火災などのリスクが高いということに気づきました。今楽しめるのは現地にいる方々が大事に守ってきたということなんですね。 なんて言葉があるように、古きよき街並みを楽しめるのは限られた時間なのかもしれません。素敵な状態で保たれているうちにできるだけたくさんの素敵な街並みを見に行きたいなと思いました。 ということで今回は、 自分が行ったことがあるレトロな街並みを楽しめる