ファンベースの考え方
こんにちは。
本日はファンベースについての学びを記載していきます。
ファンとは?
ファン=支持者のことです。
その支持の仕方は様々ですが、
企業やブランド、商品が大切にしている価値にグッとくる人
その価値にワクワクし喜ぶ人
その価値を支持し友人に勧める人
あとは、なんとなくしっくりくる、なんか自分に合っているみたいな無意識かつ感覚的な支持者もいらっしゃると思います。
強く認識しておくべきなのは、少数のファンが売り上げの大半を支えるということと、収益を安定させより成長していくには、今いるファンを大切にして彼らのLTVを高めていくことが重要であるということです。
ファンベースとは?
ファンの定義について共通認識が持てたところで、次は”ファンベース”について共通認識を図っていきましょう。
”ファンベース”という言葉を聞いたことがある人もいらっしゃるのではないでしょうか?
これは、ファンを大切にし、ファンをベースにして、中長期的に売り上げや価値をあげていく考え方のことです。
ファンによる(ブランドや商品の)使われ方、愛され方、喜ばれるポイントは変化していくものです。
その変化をファンという支持母体とともに見極め、改善を繰り返す過程も含めてファンベースと言います。
つまり、ファンのみなさんは、その地点のままの商品でずっとい続けてほしいわけではなく、(大事な部分は残していく前提で)その価値の延長線上にある、もっといい「未来の価値」にも強く期待しているし、企業と一緒に夢みたいと思っているのです。
なぜファンベースが大事なのか?
マスプロモーションやキャンペーンが不要ということではありません。
もちろんケースバイケースで、こういったマス施策が重要であり、効果的な場面はあると思っています。
ただし、以前ほどマス施策の効果が期待できなくなっている時代であるということも事実ではあります。
それは、世の中に情報も商品もエンタメも溢れかえりすぎており、キャンペーンが届きにくくなったという時代背景があります。
たまたまキャンペーンが話題になっても、一過性かつ瞬間風速的で、あっという間に忘れ去られてしまうということです。
みなさんも何となく納得できるのではないでしょうか?要は、いろんな企業が実施するマス施策について、今なお自身に強くインプットされているものがどれくらいあるのか?と考えると、意外に少ないのではないでしょうか?
長く正義であったのが、『話題化』、つまりはバズらせるなどの仕掛けです。
それが、情報が多岐にわたる中、多くは話題にならなかったり、話題になっても瞬間風速的で終わってしまい、後に続かないことが多くなってしまい、取組みを見直さざるを得ない時代になっているということです。
ただし、前述しておりますように、マス施策(短期的な広告やプロモーション、キャンペーン)が不要になったということではありません。
要は、短期施策とファンベースな取組みを組み合わせた全体構造をしっかり整理しておく必要があるということです。
ファンに売り上げの大半を支えてもらいつつ、それをベースに短期施策や単発施策を連動させ新規顧客を増やしていくということ。これがこれからの時代必要不可欠であるということです。
情熱的に口説いてくれたのに、、、
短期施策と異なり、ファンベースに大事なのは「リーチして認知を獲得した後のコミュニケーション」という点です。
どうやってその気持ちを継続させ、ファンにしていくのか?
どうやってファンたちのLTVをあげていくのか?
つまりは、瞬間的なリーチでは全く意味がなく、サスティナブルでなくてはいけないということです。
例えば、こんな男性はどうでしょう?
女性をデートに誘い、情熱的に口説きました。
女性もそんな男性のアプローチに悪い気はしていない様子です。
なのに、いざデートが終わった後、LINEなどでの連絡や、次のデートへのお誘いもしていないと言います。
そうやって時間がたち、忘れた頃に連絡が入り、またデートでは情熱的に口説く、、、ものやはりその後また連絡がなくなる。
こんな男性では最終的に女性から選んでもらうことはできないと思いませんか?(男性女性の関係性が逆でも同様ですよね)
関係性を進展させ、好きになってもらうためにはデートの後が大切なわけです。放っておかず、まめに連絡を取り続け、雑談で相手を和ませたり、相手の趣味の話を共有したり、自分の考えを話したり・・・。そうやって相手に好意をもってもらう努力をすることで、相手に選んでもらえるわけですよね。
これを聞いて「当たり前じないか」と思う方もいらっしゃると思います。
では、この当たり前のことを、自身のお客様にできているでしょうか?
魅力的なあの手この手(キャンペーン)でデート(初回来店や購入)にこぎつけようとだけして、その後のアプローチをおろそかにしていないでしょうか?
つまりは、せっかくキャンペーンなどで好意をもってくれたのに、放っておいて大丈夫か?ということです。そして、当然大丈夫なわけがないのです。
この状態は、生活者/寄付者(口説かれる側)にいっこうに好意が貯まらない状況になってしまうからです。
もうお判りでしょうか?
ファンベースの大切な考え方とは、生活者/寄付者の好意を資産化して積み上げていくということです。
ファン・コミュニティの参加人数を増やすみたいな「数」の発送になる人がいますが、ファンは「価値を支持してくれる人」のことであり、短期施策などで気づいてもらった「価値」に対する「好意」を積み重ねていくことが重要になるので、必ずしもアプローチした「数」がゴール(KPI)にはなりません。
ファンベースが必然であるワケ
ファンベースが必然な3つの理由は下記の通りです。
1)ファンは売上の大半を支え、伸ばしてくれる
2)時代的・社会的にファンを大切にすることがより重要になってきたから
3)ファンが新たなファンを作ってくれるから
ソニーが一番大切にしているプロセスが「商品購入後」と言います。
P3というCRMアクション(購入者に3か月に3回以上コンタクトをする顧客施策)があり、高度なユーザーから初心者までレベルに応じた多様なコンテンツをメールで配信しているのです。
WEBサイトへの誘因率は一般的なメルマガが1.3%程度なのに対し、このP3メールは32%という驚異的な数値を残しています。
ソニーが「商品購入後」のコミュニケーションを大切にする理由は、商品の使用頻度を高めることが、周辺商品購入というクロスセル、上位機種購入というアップセルにつながると想定しているからですね。
ソニーが実施しているαCafeというコミュニティがあります。
ここではファン同士が写真をアップしたり、つながりを楽しめるコミュニティになっています。要は、ファン同士が投稿などでブランドの価値を高め合うことによって結果的にLTVが上がっていくという仕組みです。
45ZB(ゼタバイト)という途方もない数
ファンベースの大切さを話たうえで、改めて今がいかにユーザーに情報を伝えることが難しいかを整理したいと思います。
いきなりですが、みなさん『世界中の砂浜の砂の数』はどれくらいの数になるとおもいますか?途方もない数に聞こえますよね?世界中と言わず、日本中ですら数えることもできなさそうな数に聞こえます。
世界中の砂浜の砂の数1ZBを優に超えると言います。
ZB(ゼタバイト)って?というみなさんの心の声が聞こえてきます笑
途方もない数というくらいの認識を持ってもらえたら大丈夫です!
では、世の中にある情報はいったいどれくらいの量があると思いますか?
実は、2011年には1.8ZBになり、2020年に実に45ZBにのぼると言われています。ここで伝えたかったことは、世の中は情報で溢れており、いかに情報を届けることが難しいかということです。
米コロンビア大学シーナ・アイエンガー教授の実験で面白い結果を示したものがあります。とあるスーパーの「品数を豊富にそろえた方が売上が伸びる」という経営方針を確かめる調査でした。
6種類のジャムと24種類のジャムを設置する2つのケース、どちらが購入率が高かったか?というものです。
当初の想定では当然ながら種類が多いケースの方が購入率が高いだろうと思っていたようですが、結果は前者が3%、後者が30%近くの購入率という結果になったというのです。
つまり、選択肢が多ければ多いほど人は選ぶのに悩み、選んだ結果が本当にいいのか気にもなり、自信を無くしたり面倒になり、結果選ぶのをやめてしまうということです。
情報過多な時代で情報を届ける、広げるために大切なことは
今までお話してきたように、情報過多になるこの時勢で情報を届け、買ってもらうために必要なこと。
それは「価値観が近い人からの伝達の輪」を広げていくということです。
価値観が近い人が愛用しているものは自分も愛用する可能性が高いでしょうし、友人は「価値観が近い人」である可能性が高いので、つまりは友人からの紹介や推奨は効果が高いということです。
しかも、人は大好きなモノ・コトを近しい類友に言いたくてたまらないという欲求を持っています。
ファンがオーガニックなオススメをするきっかけを作る、言いたくなるような状況を作る。言いやすくなるような環境を作る。これこそがこれからの時代に欠かせない取組みなのです。
「大事なのはわかったけど、、、効果が限定的になりそう。」と考えがちですが、たった100人のファンが母数だったとしても「類友や友人のつながり」連鎖で、あっという間に数万、数十万、数百万と広がっていく可能性を持っています。
要は、100名のファンが10名の友人に紹介すると1,000名に広がります。そして、またその1,000名が10名の友人に紹介していくと10,000名に広がっていくということです。
終わりに
今回の学びは『ファンベース』という本からのものです。
私も新店舗を企画している身ですが、この時代にリアル店舗って本当に難しいなと感じていました。
もっというと、リアル店舗(常設店舗)を持たずに、必要なタイミングでモールの催事場などに出店すればいいのではないか?とすら考えていました。
ですが、これからのお客様とのコミュニケーションを考える中で、このファンベースのような思考に出会う中で、その考え方が変わり、むしろオンラインでの売り上げを増やすためにも、このオフラインでのコミュニケーションが非常に重要になっていくのだと感じています。
リアル店舗(オフライン)で圧倒的価値体験を提供し、その輪を同心円状に広げていき、結果オフ→オンへの広がりにまでつなげていきたいと考えています。
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