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「キーエンス思考+チャットGPT時代の付加価値仕事術」AIは人間の仕事を奪うの?のシビアな答えとすぐ行動すべきこと【書評】

みなさんこんにちは!
今日取り上げる書籍は「キーエンス思考+チャットGPT時代の付加価値仕事術」です。

「チャットGPTを使いこなすための考え方と具体的な方法」を学べます。 

この書籍の知識を生かせば、チャットGPTを使いこなすコツや生かし方がわかります。

例えばビジネス資金の融資を受けたいといった時、ビジネス戦略を考える時、さまざまなシーンにチャットGPTの力を活用することでスモールビジネスが加速するでしょう。
  
今回のポイントは、次の3つです。

  1. 付加価値を創出する方法

  2. チャットGPTを使いこなせない人は生き残れない時代はもうすぐそこ

  3. チャットGPTの使いこなし方

最後まで、お付き合いください。 

1 付加価値を創出する方法

付加価値を生み出すための思考方法を、本書ではキーエンス思考と呼んでいます。

キーエンスは電子機器のメーカーです。
日本一の社員平均年収を誇るモンスター企業として知られています。
著者はこのキーエンスの出身です。
桁違いの利益を生み出すビジネスモデルを目の当たりにしてきた人物でもあります。

ところで、ここで質問です。

付加価値とは何でしょうか?

本書では、付加価値とは人を楽にすることである、と定義しています。

例えば、上司から次の会議で使う資料を作るよう指示を受けたとします。

この時にただ何となく必要な情報だけを羅列し、最低限度の資料しか作らないとすれば、そこに付加価値はありません。
上司がイメージする会議資料の要件にも満たない可能性もあるでしょう。

これではただの作業です。

では付加価値のある仕事をすると、どうなるでしょうか。

例えば、会議で共有したい内容を裏付ける追加資料を用意する
誰もが見やすいように、カラフルなグラフを挿入する
こういった工夫を凝らします。

ここでもうひとつ質問です。
付加価値がある仕事と、言われたことをただやっただけの作業

両者の違いはなんでしょうか。

答えは傾聴です。

言葉にならない声をキャッチしそれを反映できているかどうかが異なります。

なお本書ではマーケティングを「市場の声を聞く行為」と定義しています。

市場には、情報という名の膨大な声が渦巻いています。

不特定多数の人間の声、人間の発するエネルギーや思いが共鳴して生じる大きなうねり、そこから発生する予測できない新たなシナジー、
マーケティングでキャッチすべき声は、こういった言語化されない声です。

この市場の声をキャッチして付加価値を提供することが、ビジネスにおける成功につながります。

そのためには市場に関する膨大な知識や情報を収集し、それらを精査、選別したのち体系化するスキルが必要です。

しかし現代社会を構成する情報量は、人間の脳による処理機能をはるかに上回っています。どれほどスキルを磨いても、人間の脳だけでは追いつけません。

そこで活用したいのが本書のタイトルにも記されているチャットGPTです。

これからの時代、チャットGPTなくして付加価値を提供できる仕事をするのは難しいと本書では言及しています。

チャットGPTを使いこなせるか否かで、仕事ができる人とそうではない人の棲み分けが、始まるというのが、本書の主張です。

ここでは、付加価値のない仕事では不十分であること。
また付加価値を生み出すために、チャットGPTは強力なパートナーであることを、覚えておいてください。

2 チャットGPTを使いこなせない人は生き残れない時代はもうすぐそこ

チャットGPTを始めとする生成、AIの進化には目覚ましいものがあります。
AIが人間の仕事を奪うと言われて久しい昨今、それでも、AIと共存する以外の選択肢がないことも、充分理解されていることでしょう。

しかしチャットGPTをはじめとする生成AIは人間の仕事を奪うのか?という問いに対して、本書では、スキル次第で仕事の選択肢が相当に狭められる可能性があることを示唆しています。

著者は「下請け仕事しかできないフリーランスとして現在働いている人は、
今のうちに会社員に戻っておいた方がよい」とまで述べています。

単なる作業者ではなく、付加価値を創出し本当の意味で「仕事」ができる人材になれなければ、ビジネスで生き延びることはほぼ不可能ということです。

しかしなぜここまで状況は厳しくなるのでしょうか。
また付加価値を創出する仕事ができるようになるためには、何をしたら良いのでしょうか。

先ほどお伝えしたように、付加価値を創出するためには、市場の声を傾聴する必要があります。
そして市場の声を聞くためには、大量の情報を処理し、再生成しなければなりません。

仕事ができる人はチャットGPTなどのAIツールを使いこなして、これらの作業を短時間のうちに処理します。

なぜでしょうか。

それは適材適所の考え方を適用しているからです。

人間とチャットGPTの違いを確認しておきます。

チャットGPTの最大の強みは、膨大な情報量、そして情報処理のスピードです。
それは人間の脳の処理能力をはるかに上回ります。

人間の場合、視覚や聴覚から情報を取り込んでも、そのほとんどを忘れます。自分の言葉としてアウトプットするためには、取り込んだ情報を理解し、自分の言葉にできるまで熟成させなければなりません。

例えば「書くのが苦手」「何を書けば良いのかわからない」という人は、書く以前に情報がインプットできていない
またインプットした情報を自分の脳が理解できていないケースがほとんどです。

食べ物を口から摂取し、それを消化吸収して自分の細胞に作り替えるのと同じ作業を情報に対してもおこなっているのが人間です。
一旦取り込んだ情報は忘れることも理解する必要もなく、情報をそのまま組み替えて再生成できるチャットGPTと人間の脳では根本的な働き方が異なります。

情報の量・スピードともに人間に勝ち目はありません。

しかしチャットGPTにも弱点があります。
それは自発的には考えられないこと。
そして情報を「理解」できないことです。

人間は思考できます。自分で考えて判断できます。
また取り込んだ情報について、自分なりの考えを付け加えたり、全く異なる概念同士を結びつけたりといった思考が可能です。

思考や判断、そして異質な情報を融合して新しい何かを生み出す創造性を発揮することは人間にしかできない仕事です。

現在はまだ生成AIの技術が普及し始めたばかりであるため、導入コストがかかります。
人件費よりもAIの導入コストが高い現場ではAIの方が素早くできる作業でも、人間がおこなっているケースは多々あるでしょう。

しかしAIの普及が進み導入コストが低減されるようになれば、人件費よりもAIを導入する方が低コストでハイパフォーマンスな仕事をできる時代が訪れます。

このとき、AIでもできる作業しかできず、人間にしかできない付加価値のある仕事をできない人では、AIよりもコストがかかるのに価値を生み出さないと判定されます。

仕事がなくなるとまでは言わないまでも、仕事の選択肢が大幅に狭められる可能性は否めません。

ただ忘れてはならないのは、AIは人間にとっての脅威ではないということです。

AIは、単調で思考力を伴わない退屈な作業から人間を解放するという付加価値を提供します。

注意したいのは、AIが提供する付加価値を付加価値として受け取るためには、人間は人間らしさを発揮しなければならないという点です。

ここでいう人間らしさとは、AIでもできる「作業」しかできない人、ではなく
付加価値を創出する「仕事」ができ、そのためにチャットGPTを使いこなせる人を意味します。


弱肉強食が自然界の摂理です。
AIの管理者になるスキルを持っている人は、最高に優秀な部下としてのAIを使いこなしながら、より付加価値を創出できる人材になれるでしょう。

逆にAIと同じ作業しかできない人は、作業効率ではAIに勝てません。その場合、人間を楽にするためのツールであるAIから、飼い犬に手を噛まれるような状態に追い込まれる可能性があるのです。

AIを管理して使いこなす人間と、AIと同じフィールドで負けるとわかっている試合に挑む人間。
ビジネスというフィールドでの棲み分けが行われる日は、そう遠くないと本書は予言します。

ここでひとつ、新聞からの情報をご紹介します。
2023年10月13日付け、日経新聞朝刊の一面で紹介された記事です。

LINEヤフーがソフトウェア開発に生成AIを導入。
およそ7000人のエンジニアが利用できるようにしたというものです。
ひとりあたり2時間の作業時間を削減することが期待されています。

そしてこの2時間を、新サービスなどの付加価値を創出する時間に充当するというものです。
7000人いるので、1万4000時間分の思考する時間を捻出できる計算です。

スピードと情報量で人間をはるかにしのぐチャットGPTを活用し、人間は付加価値の創出に専念する。

それが近い将来の働き方です。
そしてこれだけ時間の流れが早くなっている時代において、猶予はありません。
確実に勝てる方法がわかっている以上、勝つスキルを急ぎ身につける方が賢明です。

ここでは、人間の強みを生かしてより人間らしく仕事すること。
これがチャットGPTを使いこなすための基本であることを覚えておいてください。

3 チャットGPTの使いこなし方


本書にはチャットGPTを使いこなす具体的な方法がいくつも示されています。

ここでは、そのエッセンスを抽出してご紹介します。

チャットGPTを使いこなすためのポイントは次の2つです。

  1. プロンプト

  2. 思考力

プロンプトとはチャットGPTに出す指示のことです。
チャットGPTは自分で考えて答えを導き出すことができません。
人間が出した指示に対して、情報を探し体系化して表示します。

そのためチャットGPTに対するプロンプトにおいては、次の3つを繰り返すことが重要です。

  1. 指示

  2. 質問

  3. 指摘

チャットGPTは、長文の解釈が苦手です。
指示を出す時は、具体的かつピンポイントな言葉で指示をだしてください。

チャットGPTの回答が漠然としてわかりにくい場合は、その中の一点に焦点を当てて質問を繰り返します。

またチャットGPTは人間と違い、情報を理解して回答していません。
提示された回答には誤りが多く含まれます。
示された回答が不適切な場合は指摘し、修正を指示してください。

これは上司が部下に指示を出し、部下が作成した仕事に対して詳細を詰めながら、適宜修正していく流れと同じです。

ただ相手が人間の部下の場合、何度も畳み掛けるように質問したり、修正するよう指示を出すのは、難しいシーンも多々あるでしょう。
部下とはいえ、相手は人間です。人材をマネジメントする観点からも、相手への配慮が欠かせません。

しかし相手がチャットGPTの場合、そういった配慮は一切不要です。

指示を出せばチャットGPTはすぐさまリアクションします。示された回答について質問を繰り返しても、修正箇所を指摘しても、チャットGPTは不機嫌にならず不満を抱いて退職することもありません。

なお本書ではチャットGPTは課金して有料版を使用することを推奨しています。
多少のコストはかかりますが、1ヶ月あたり数千円です。

人間の部下を雇ったり外注したりすれば、数千円の人件費ではおさまりません。

スモールビジネスのオーナーにとっても、チャットGPTを使いこなすスキルを身につければ
最小限の経費で、決して辞めない最強の右腕を手に入れられます。

ではどうすれば、チャットGPTに的確なプロンプトで働きかけることができるでしょうか。
欠かせないのは、思考力です

大きな問題を小さく切り分けて考える力
自分の考えを言葉に変える力
ゴールを設定してそこにたどり着くまでのルートを考える力

こういった人間にしかできない思考力を磨くことが大切です。

とはいえ、具体的にどういう言い方で指示を出せば良いのか、悩むこともあるでしょう。
本書には、具体的なプロンプトの出し方の事例が多数紹介されています。

例えば
・顧客の感想を数値化したい
・あることについて意思決定する際、考慮すべきことは何か?

といったように、一人で思考する場合どのように情報を収集すべきかをまず考えなければならない内容でも
チャットGTPであれば瞬時に情報を処理して回答を提示します。

どの情報が必要なのか
その情報はどうやって検索するのか考え、
情報の内容を吟味し
使えるものとそうではないものを区別
情報を集計して
見やすいようにまとめる
といった作業は、膨大な時間と労力を要します。

考えたり判断したりする前の過程で疲れ切ってしまうでしょう。
またのんびりしていたのでは、チャンスを逃す可能性もあります。

チャットGPTを活用すれば、人間にしかできないことを考えたり判断したりといった仕事に注力できる。
このメリットを享受するためにも、チャットGPTに適切に指示を出して情報を集計させるスキルを身につけることが大切です。

チャットGPTをつかって付加価値を創出するスモールビジネスのプランを構築できれば、例えば事業資金の融資を受けたい時にも役に立ちます。

コロナ禍が落ち着いたことで、融資審査は厳しくなっていると報道されていますが、付加価値を生む事業計画書を作成できれば、成功可能性の高い事業であることの説得力が増すでしょう。

チャットGPTが適切な回答を出せるかどうかは、指示を出すあなた次第です。

チャットGPTに仕事を奪われることを恐れるよりも、チャットGPTを使いこなす管理者としてのスキルを磨いて、ビジネスでの成功を手に入れてください。

チャットGPTの台頭は、人間への脅威ではありません。
チャットGPTは、人間を楽にするという付加価値を達成するために登場しました。
ただ、すべての物事において取り扱いのルールがあります。

例えば、チャットGPTの場合は、SNS上で公開しないような個人情報を入力してはいけません。
また1回のプロンプトだけで必要十分な回答をできるほどの能力がないため、何度もやり取りしながら詰めていく必要があります。

しかし人間と違ってチャットGPTは感情を持たないため、ノーと言われても嫌な顔をしません。
気持ちを推し量る必要もありません。
自分が指示を出したい時、質問を出したいときに問いかければ、すぐさま回答を示します。

チャットGPTを使いこなすスキルがあれば、あなたのビジネスは大いに拡大することでしょう。

まだビジネスモデルに悩んでいる、戦略設計に悩んでいるという人は、チャットGPTとの対話から、あなただけの勝ちパターンを見出してみてはいかがでしょうか?

さいごに

今日は「キーエンス思考+チャットGPT時代の付加価値仕事術」から得られる学びをシェアしました。

「チャットGPTを活用するスキルを身につけて、ビジネスの勝ち組に名乗りをあげ」ましょう。


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