見出し画像

本陣岩波家所蔵品のご紹介①〜相楽総三の短刀〜the sword of the tragic hero

こんにちは本陣岩波家です。
今回は相楽総三の短刀について
ご紹介いたします。

幕末の、歴史に押しつぶされた英雄 相良総三

幕末の尊攘派志士。小島四郎左門(将満)の変名。江戸生れ。父は下総の郷士。水戸天狗党の筑波山挙兵に参加。また西郷隆盛の指令を受け江戸で治安を攪乱。赤報隊を結成し年貢半減令を掲げて東山道を進軍途中、維新政府に捕らえられ処刑。(1839~1868)

広辞苑第七版

脚本家の三谷幸喜は最初に大河ドラマのオファーを受けた際、当初は相良総三を主役にしたドラマを提案していたが、地味であることを理由に却下されたことを明かしている

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9B%B8%E6%A5%BD%E7%B7%8F%E4%B8%89

ウィキペディア「相良総三」の項、その他
最終更新 2021年11月27日 (土) 15:03
閲覧2022年4月17日


これを拝見したとき、とても衝撃的でした。
大河ドラマ『新選組!』がもしかしたら、
相楽総三のドラマだったかもしれない。
もしも!を想像してしまいます。

ちなみに『青天を衝け』に出てきた
水戸天狗党 武田耕雲斎も中山道新軍の際に、
下諏訪宿本陣岩波家に滞在しています。

相良総三と下諏訪宿本陣岩波家

簡単なまとめになりますが、
相楽総三は、戊辰戦争への流れを作った
「江戸薩摩藩邸焼き討ち」事件で大きな活躍をしました。

その後、「これから官軍が来る」と
新しい時代の始まりを各地に知らせてまわるという栄誉を拝命したにもかかわらず、結局はその志を、維新政府に利用されトカゲのしっぽのように、切られてしまいます。

最期は「偽官軍」であるという汚名をきせられて、ここ下諏訪の本陣で捕らえられ、処刑されました【現・魁塚/相良塚】
まさに、歴史に埋もれてしまった悲劇の人物です。
お孫さんの努力によって、昭和になってやっと名誉が回復されました。

捕らえられたときの様子は、
当家の「岩波太佐衛門談話」に
こう記されています。

「どろどろの土の上にきちんと座って、両眼を閉じ、身動ぎ一ツしずにいた。あまり同志のものが猛り立ったり怒鳴ったり、騒々しさがひどくなると、眼をちょっとだけ開けて、あまり見苦しい様子はよせといって微笑したような顔をして、すぐまた元のとおり、瞑想して無言の端座をつづけた

長谷川伸『相楽総三とその同士』p294

そのとき、相良総三が残していった、
実際の短刀です。
本陣岩波家で大切に保管しております。
常設展示をしておりますので、いつでもご覧いただくことができます。


🟢English guide

This is the very short sword that Sagara Sozo left when he was captured here.

SAGARA Sozo ( 相良総三)
1839-1868
supporter of a noble cause, the leader of Sekihoutai

at the end of EDO period, unquiet of closing days of the Tokugawa shogunate, Sagara dedicated his life to the rise of the new government. 
But his lofty ideal was manipulated and betrayed by the state of new administration. He was falsely accused and executed.

DAZAEMON, the master of Honjin IWANAMIKE, our ancestor witnessed the last of Sagara Sozo and kept a note of what he saw.

"He was seated on the mud, sitting up straight with his eyes closed, without saying anything. Only when other comrades made a fuss, he opened his eyes and disciplined them with a faint smile."

相良塚(魁塚)

本陣岩波家で捕らえられた、相楽総三やその同士が処刑された地。ここに下諏訪のひとびとは、相楽総三らを悼み、明治3年に石碑を建立しました。毎年4月の第1日曜日に、慰霊祭が行われています。

もっと相良総三を知るために…

①『るろうに剣心』

第2巻に、相楽総三が登場します

②『皇国の緋色』

幕末タイムスリップファンタジー
赤報隊がメインです。
もちろん、相楽総三も。


③『草莽枯れ行く』

幕末の動乱はとても複雑ですが、するすると頭に入ってきます。登場人物のほとんどが亡くなっていくので、読後は暗く悲しい気持ちになりました。
幕府が倒れて明治の時代が始まった、ドラマのすごさを感じます。

④『相良総三とその同志』

より専門的な知識を


⑤『赤毛』

三船敏郎主演映画で、赤報隊についてその時代の空気感を


2022年5月8日まで「宿場街道資料館」で「相良総三と赤報隊」企画展が開催中

本陣岩波家から、5分のところにあります、
宿場街道資料館では企画展「相良総三と赤報隊」が開催中です。
相良総三の、同志の釈放を願う嘆願書が
初公開されています。この機会にぜひ!



結びに


私たちのご先祖さまが、
相楽総三の最期を目撃していて
その時の短刀が残されている、と思うと
歴史を伝えていく重みを感じます。

こちらの短刀をみなさまにご覧いただくことで
新しい時代を作ろうとした
志半ばの無念が少しでも晴れたら…と
そのように願っております。

本陣岩波家は、通常のご案内の他、
英語とやさしい日本語でのガイドも承っております。
ゴールデンウイーク期間中、
みなさまとお目にかかれます事を、
楽しみにしております。
ご覧いただきありがとうございました。


この記事が参加している募集

日本史がすき

一度は行きたいあの場所

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?