ミツバチの越冬について②

ミツバチの越冬は、幼虫や蛹の育児をストップし、体温を低くして春を待つと書きましたが、実はこれ地域によって異なります。
 北関東以北では、述べた通りですが、南関東以南では気温や巣箱の状態によっては、女王蜂の産卵が止まらず育児が継続します。管理の仕方によって、若干制御できますが、まずそのメリット・デメリットを整理したいと思います。

①冬に育児が停止した場合
【メリット】
・働き蜂の寿命がのびる
 温暖な時期の働き蜂の成虫は30日程度しか生きられませんが、越冬中はほぼ活動していない為、100〜150日程度生きています。
・ミツバチヘギイタダニの駆除が容易
 ダニの駆除剤は接触式なので、巣穴の中にいる幼虫や蛹には効果がありません。その為、駆除しきれないダニが薬剤に耐性を持ってしまい大問題になっています。ですが、幼虫や蛹のいない状態であれば、ほぼほぼダニを駆除できるので、耐性ダニが発生しづらくなります。
【デメリット】
・産卵開始から採蜜までの期間が短く、採蜜したい時に群れを最大化するハードルが上がります。前年夏くらいからの準備が非常に大事になります。

②冬に育児が停止しない場合
【メリット】
・冬にも蜂が増え続ける為、越冬前の蜂数が少なくても採蜜シーズンまでに群れを最大化するハードルが下がります。

【デメリット】
・巣の中のハチミツの消費量が大きくなります。
・前述のミツバチヘギイタダニの完全な駆除は困難になります。

 これらの点を考慮して、ミツバチに冬の間どう過ごして欲しいのかイメージしながら、越冬の準備を行います。

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