自由が一番?(西洋ミツバチの巣礎なし飼育①)
今年は、巣礎を使用せずに西洋ミツバチを飼育すると年初に目標としていましたが、遅ればせながら5月上旬から実施しています。
西洋ミツバチの通常の飼育方法では、巣礎と言う蜜ロウでできた巣穴の大きさの型がついたロウの板を使用します。そうすると、土台があるので巣が早く作られて、働き蜂ばかり産まれる仕組みになっています。(働き蜂、雄蜂のどちらが産まれるかは巣穴の大きさで女王蜂が産み分けます。雄蜂は全く働かないので、すべて働き蜂なるように巣礎には働き蜂の巣穴の型がついています)
こちらが巣礎をはった巣枠の画像です。黄色の蜜ロウの表面に型が押されているのが、わかると思います。
この巣礎を使った養蜂は、かなり昔から『効率的に』ハチミツを採取する為に考案された方法です。
・雄蜂は働かないので、働き蜂のみを育成する。
・巣穴の大きさは、よりたくさん貯まるように自然界の巣穴より計算して若干大きくなるようにしている。
・巣礎と言う土台があるのでより早く巣が作成される。
これが今までの養蜂の常識です。それに対して、巣礎を使わずミツバチに巣を作らせた方が良いと主張している方がいるそうです。
・早く巣が作られて、蜜もたくさん貯まる。
・(巣を使い回さなければ)病気にならない。
・ミツバチヘギイタダニにもやられない。
・女王蜂もより良い女王蜂が産まれる。
聞いてみると良いことづくめなので、試してみることにしました。
ちょっとわかりづらいですが、巣枠上部に少しだけ蜜ロウのでっぱりを付けています。
初めは、通常の空の巣脾枠(巣礎に蜂が巣穴を蜜ロウでもりあげた状態のもの)と蜜枠(巣脾にハチミツが貯まったもの)。巣枠の上部に取っ掛かりの巣礎を数ミリ程度つけた枠の3枠を用意しました。巣箱の壁から蜜枠、空の巣脾枠、巣礎をはっていない枠。そして巣が平面に作られるように最後に分割板です。
ここに巣枠に対してかなり大目に巣枠5、6枠分くらいの数のミツバチがいる状態でスタートしました。
巣が一面に作られて、蜂数が十分なら、新しい巣礎なしの巣枠を順次足していきます。
蜂数が少ないとミツバチが新しい巣を作ろうとしないので、巣枠に対してミツバチは多い状態で始めた方がスムーズです。
巣礎がない状態では、ミツバチは、ぶら下がって巣を作っていくので、巣箱を左右に傾いていないように設置時に水準器で簡単にでも水平か確認した方がよいです。
こんな感じで上から巣が作られていきます
巣穴の大きさが右半分と左半分で違うのがわかりますか?左の大きな巣穴が雄蜂用の巣穴です。通常の巣礎を使用した方法の場合、群れの雄蜂の割合が極端に少ないので、ミツバチが巣を自由に作ると全て雄蜂用の巣穴になります。上の画像では働き蜂の巣穴も右に作られている事がわかります。群れの三割くらいを雄蜂にすると聞いていたのですが、ミツバチに自由に作らせれば、どちらの巣も作られます。(普段なら雄蜂部分はカットして廃棄ですが)今回は自然な状態で巣を作らせる方針なので、このままです。
ちなみに常に雄蜂の巣穴を混在させる訳ではなく、次の画像のようにほぼ働き蜂の枠も作られました。
今のところ、順調に進んでいます。巣脾が手元に余っていると、ミツバチの増加や流蜜を見越して、巣枠を先に先に足してしまいがちです。この巣礎なしの方法では蜂数が少ない状態ではミツバチが新しく巣を作成しないので、蜂の密度が高い状態で保たれるのは蜂の負担にならずに良さそうです。ただ、巣枠を足すのが遅いと無駄巣をドンドン作ってしまうので、もう少し早いタイミング(今は週一で内見)で枠をたしてあげると良さそうな時が結構ありますが、副業の自分には対応できないのは仕方ないです。
5月の連休明けで3枠からスタートし、5月末で7枠目です。ここから蜂数が一気に増えていきますが、そろそろ流蜜期が終わります。これから、どうなるか見ていきたいと思っています。
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