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人並みの生活という罠

 おはようございます。

 今日は『人並みの生活』ということについて考えてみたいと思います。

「特に贅沢をしているわけでもないのに生活が苦しい、人並みの生活をしたいだけなのに」

「こんなに働いているのに人並みの生活ができない」

「人並みの生活を手に入れるのが難しい時代になった」

「せめて人並みの暮らしがしたい」

 そんなことを言う人がたくさんいます。世の中の人は人並みが好きですよね。

 そもそも人並みとはどういう意味でしょう。

辞書には

[名・形動]世間一般の人と同じ程度であること。また、そのさま。世間並み。「人並みな(の)暮らし」

 こんな風に書かれていました。人並みの用例で「人並みの暮らし」が出ているくらい『人並み』と『暮らし』は密着した言葉なのですね。

 さて、今日はこの『人並み』が僕らを不幸にしているということを話そうと思います。

 「『人並み』の何が悪い。上を見たらキリがないから不幸の始まりだし、下を見れば向上心が失われる駄目になる、だからにせめて『人並み』に生きたいと思っているだけだ」

 あなたはそう言うかも知れません。

 しかし『人並み』は危険な言葉で、あなたがしあわせを感じられないのは『人並み』であろうとしているからかも知れません。

 まず第一に『人並み』というのは自分の外、自分の横に居並ぶ人を見た価値基準だということです。

 自分がどんな生活を送れれば"しあわせ"かではなく、他の人と比べて豊かなのか、貧しいのか、それを基準に組み立てられた生活は、あなたを本当にしあわせにするでしょうか。

 本来、しあわせとはとても個人的なことです。一人ひとり違うのです。

 ナポレオンはヨーロッパを征服しても満足しませんでしたし、禅僧の冷たい床に座っていても、満足しています。

 昆虫を集めてしあわせを感じるひともいれば、昆虫なんて文字で見るだけでイヤという人もいるのです。(昆虫嫌いの人、ごめんなさい)

 ですから、他人の比較の中でしあわせな生活を手に入れようという発想自体がそもそも間違いなのです。

 第二に『人並み』の生活は既に軍拡競争的なものだということです。

 お金が第一ではないし、『大金持ち』になろうとまでは言わない『人並みの暮らし』ができればいいというのは多くの人が思っていることだと思います。

 そして、これを両隣に住む人も、あなたの友人も、会社の同僚も、要するにあなたが生活水準を比べがちな人々のほとんどが思っているとします。

 仮に全世帯の収入が300万円だとしましょう。本来なら、全員が同じ収入なのですから、全員が人並みの生活を送れてハッピーということになると思います。

 しかし、そうはいかないのです。

 悲しいことに人は外ずらを良くする傾向があります。

 時には安物のパンツを履いて、ブランド物のバックを買います。

 毎日の食パンのランクを落としながら、ローンで高級車を買います。

 するとどうでしょう。誰もが450万円の生活をしているように見えるのです。

 たったこれだけであっという間に地獄の連鎖は完成です。自分は300万円の年収しかないのに、他の人々は年収450万円の生活をしているように見えるのです。

 さあ大変。『人並みの生活』をするにはもっと稼がなくてはいけません。

 もっと残業しなくては、いやダブルワークだ、夫婦で稼がなきゃ、うちは貧乏だ、子供にはこんな苦労をさせたくないから、お金が稼げる仕事につけよう。

 投資がいいらしい、不動産、仮想通貨で大儲けした人がいるらしい。

 すべての家庭で同じことが起きるのです。あなたの家庭で、あなたの周りで、そして、それは日本中で。

 最初の希望はとても謙虚なものでした。何しろ『人並みの暮らし』で良かったのですから。

 しかしその結果は『人並みの生活』をするために、結局、お金、お金、もっとお金と結局、お金を稼がなくてはいけないと、人生の貴重な時間を叩き売ることになるのです。

 あれ?僕らはしあわせになりたかっただけなのに。しあわせはどこに行ってしまったのだろう?

 そうです。『人並みの暮らし』『人並みのしあわせ』などというものは幻想です。

 『しあわせ』は一人ひとり違うもので、他人と比べて見つけるものではなく、自分、自分、自分、どこまでいっても自分がどう感じるのかです。

『しあわせ』への第一歩は他人との比較ではなく、自分の『しあわせ』の発見です。

 私は何をしてる時に一番しあわせを感じるのだろうか?

 誰にも評価されなくてもやりたいことは何だろうか?

 そろそろ他人との比較をやめて、自分自身にもっと興味を持ってみてはいかがでしょう。

 あなたはどんな人ですか?あなたはどんなことに幸せを感じますか?

 ちなみに猫さんは段ボールが幸せのようですね。






 

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