【感想文】『ヘルシンキ生活の練習』朴沙羅著
本で破産する覚悟はできていませんが、本が好きです。
こんにちは、永遠の図書委員ユルワです。
ー華やかさはないけれど、心に染み入る名言の宝庫。
ーよくあるフィンランド本とは確実に一線を画する。
だけどフィンランドをよく伝えてくれる一冊。
ちょっと偉そうな書き方をしてしまったけれど、端的にこの本を読んだ感想をまとめるとこうなるのだ↑
京都出身の社会学者が、研究者として、母として海外に移住することになった。行き先はフィンランドの首都ヘルシンキ。
北欧好き日本人にはたまらないキーワードであふれているが、世にあふれる北欧本とは、ひと味もふた味も違うことは、表紙を見れば一目瞭然。
あ、誤解してほしくないのだけど、別に流行の北欧本を批判しているわけではないので悪しからず。
フィンランドに着いたら、アラビアやマリメッコ行ったり、オーロラ見に行ったり・・・と沸き立つ読者の心を無視して、この本は著者の子供の保育園入園にまつわるエピソードから始まる。それが心地良い。
研究者、ワーカー、母の肩書きでフィンランド社会に入っていく中、発揮される社会学者としての観察眼。著者に見えるフィンランドの方が、ありのまま感が表現されているので、私好みである。
本の中に著者がフィンランドでの日々出会った人に言われたセリフが、名言のようにセレクトされているのだが、これもじわりくるのである。
冒頭で書いたとおり、派手さは無い。
だけど的を射ている。
家探しに困った著者が、実は職場から社宅を提供されることを知った時に「社宅があるなら最初からそう言って」と担当者に言ったら帰っていた言葉だ。
そうなのだ。
困ってるなら、自ら「困ってる」と助けを求めるべきなのだ。
困ってるなら、わからないなら、質問すれば良い。相談すれば良い。
日本社会は相手側が色々察してくれる、スーパー親切なメンタリティがベースにある。だから、自分も含めて、自ら言わなくても相手側の配慮で、自ら助けを求める必要が無いと思い込んでしまっているのかもしれない。
ほかにも名言の宝庫なので、いくつか紹介しておこう。
特に最後のは「?」だと思う。気になる方はぜひ、この本を読んでみてほしい。
著者のブログサイトを見つけたので、リンクを貼っておく。
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