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やまかわ うみ
2020年5月10日 16:20
あれは高校三年生の初夏の夜だった。「お父さんには内緒やで。」といつもの文句で、母は私を連れ出してくれた。私はこの「お父さんに内緒」が好きだった。単純にとてもわくわくした。内緒と言われているにも関わらず、私は大抵帰宅後の父に報告していた。「今日お母さんに内緒って言われたんやけどな…」と。母も、私がほぼ毎回父に報告する事を知っていたが、それでも毎回「内緒な。」と言ってくれた。母も私と同じように