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【書評】論語と算盤 (角川ソフィア文庫) /渋沢栄一

2024年に新1万円札に描かれる予定の 渋沢栄一さん の伝説的な名著です。

明治維新の大変革期に活躍した渋沢栄一さんの教えは、迷走極めるウィズコロナ時代を生きる上でも非常に参考になると感じました。

現代社会でも通用するビジネスマインドを学ぶことができる一冊ですので、人生で一度は読んでみてほしいです!

渋沢さんが創業に関わった会社の #社是 にもなっていたりするので、聴き馴染みのある言葉も多いと思います。

\こんな人におすすめ/
✔︎ 古典的名著をわかりやすく読みたい
✔︎ 普遍的ビジネスマインドを学びたい
✔︎ 偉人・渋沢栄一の考え方を知りたい


印象に残った文章紹介します(論語と算盤)

 これとは大正的に今の教育は、とにかく知識を重視している。その結果、すでに小学校の時から多くの科目を学ぶ。さらに中学、大学と進むうちにますます多くの知識を詰め込む。だが、精神の修養をおろそかにするものだから、青年の人格形成の点でとても心配になってくる。

 そもそも現代の青年は、学問を習得する目的を見失っている。(略)今の青年はただ学問のために、学問を身につけようとしているのである。最初から、しっかりとした目的がなく、なんとなく学問をやった結果、実社会に出てから、自分は何のために学んだのだろうかというような疑問に襲われる青年がかなりいる。学問さえすれば誰でも皆偉くなれるという一種の迷信のために、自分の境遇や経済状況も考慮しないで、自分には不相応な学問を修めようとする。その結果、後悔することがままあるわけだ。


【常識とは】

「行動を起こす際に突飛なことをせず、頑固になりすぎないこと。また、物事の是非や善悪を見分け、利害と損失を識別していること。そして言葉と行動とが偏っていないこと」
「普通の人の人情がよくわかり、世間一般の仕組みや慣行を理解し、状況に応じた振る舞いができる能力」


【2つの志】

大立志:一生をかけて追い求める目標
小立志:大きな志を実現するための目標


【格言五則】

⒈ 天地鬼神之道、皆悪満盈。謙虚冲損、可以免

[現代語訳]
☞ 天道地道そして神霊祖霊は、いっぱいいっぱい(満盈)を好まれない。〔そうしたありかたに従い〕いっぱいではなくて謙遜して引く、そうすれば災いを避けることができる。
⒉ 天道先春後秋、以成歳。為政先令誅、以為治。

[現代語訳]
☞ 天の運行は、〔種を植える〕春を先にし、〔その結果の収穫する〕秋を後にして一年が成り立っている。行政の場合も、〔始まりとして〕法が先で〔従わないときに〕処罰するのは後とすることによって、統治を完成する。
⒊ 論農曰、霑体塗足、暴其髪膚、尽其四肢之力、以従事於田野。

[現代語訳]
☞ 〔農業について論じたうちの一節〕身体は汗水をたらし足は泥田の中、身体は炎天下、その手足の能力の限りを尽くして、農業に励む。
⒋ 農不如工、工不如商、刺繡文、不如倚市門。

[現代語訳]
☞ 農民よりも工員の収入が上、工員よりも商人の収入が上、〔手をかけて〕刺繡しての衣服製造業者よりも市街の門あたりでそれを売る商人の収入が上。
⒌ 農事傷則饑之本也。女工害則寒之源也。

[現代語訳]
☞ 農業が打撃を受けるのが飢餓のもと。紡織が不振となるのが寒苦のもと。


論語と算盤【書籍情報】

書名:論語と算盤 (角川ソフィア文庫)
著者:渋沢栄一
発売:2008年10月24日
頁数:252ページ
おすすめ度:★★★★★

【目次】
日本企業の先駆者の汲めど尽きせぬ知恵
格言五則
処世と信条
立志と学問
常識と習慣
仁義と富貴
理想と迷信
人格と修養
算盤と権利
実業と士道
教育と情誼
成敗と運命
格言五則




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