見出し画像

鎖国とコロナ

昨日も書いたが

を読んでいた。コロナになるなんて考えてもいない2019年の作品ながら、細菌性疾患やパンデミックにも触れていて、磯田道史先生の目線の凄さを感じます。

さて、過日少し触れた内容は割愛し、読んで忘れないために記録すべきことは、2点あります。

まずは、AIの限界について、AIは知性と理性は得られるが、悟性は得られない。

目標さえコンピュータに打ち込こめば、AIはあっという間に解決法を見出してくれるでしょう。でもAIには、「人間にとって何が幸せですか」「幸福とは何でしょう」といった問いへの方向づけすらできません。AIは、幸福感や価値観そのものを生み出しはしないのです。(253頁)

問いを立てること、感情をもつこと。その向こうにある幸福感や価値観を大切にすることを示しているのでしょう。

もう一点は、あとがきの磯田先生の文章です。言葉を字ずらだけでかんがえない。「わざわい」ということばを音で分析し、幸いとの近似性を説いています。その上で心の持ちようで「災い転じて福となす」が可能と言っているのです。

さて、今回のコロナは、全世界的にパンデミックを起こし、各国でロックアウトが起こっている。結局、日本でいうなら鎖国状態。江戸時代へ戻ったかのよう。しかも、昨日書いたが、温暖化で生物多様性を失った我々は、今後もこのようなことを味わう可能性は高い。

日本の科学的技術の更新も大切だが、鎖国になっても生き残りがはかれる社会をつくるべきなのだろう。

経済発展は難しくとも、皆が少しづつ痛みを伴っても何とかいきて生ける社会を目指すということであり、それこそ、真の幸福や豊かさを考える機会だと思う。

私個人でいえば、仏教でいう。悟りすなわち欲望をコントロールして、悟性でものをみる必要があるのであろう。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?