いわさん

千葉市緑区のお寺の住職。読書好き。 NFL好き。寺はヨガ教室、リトミック教室、写経会、… もっとみる

いわさん

千葉市緑区のお寺の住職。読書好き。 NFL好き。寺はヨガ教室、リトミック教室、写経会、子育てサークル、子供会を行っている。

最近の記事

にもかかわらず

過日、友人たちと話あった。今後の仏教や寺院のあり方を話あった。 個人的には、あまりこれからの寺院に関してポジティブには捉えていない。社会の変化に、自坊も含め多くの寺院が対応出来ているとは思えない。 社会が人口減少、少子高齢化し、国が社会保障を減らす方向であり、生活者が葬儀、供養に回せる経済力を失っていく。それを寺院の都合でなんとか出来ないか?というのは難しい。 おそらく、自坊も経済的に行き詰まることになるだろうと思うと話した。 一方で、寺が諸行無常でなくなっていく、だから何も

    • 考えるヒント

      朝日新聞の書評で紹介されていた『増えるものたちの進化生物学 (ちくまプリマー新書 423) 』 https://amzn.asia/d/cypjCYP を読み終わらせた。なぜ生きているのか、なぜ死にたくないのか、なぜ他人か気になるのか、なぜ性があるのか、何のために生まれてきたのか といった気になる話題ばかり… なぜ生きているのかは、増えて遺伝する物資が地球上に生まれたからであり、死にたくないのは、小産小死の戦略をとったからであり、自然いのちを大切にするようになり、さらに

      • ビブリオバトル

        昨日は本休寺で初ビブリオバトルでした。 今までリードフォアクションの手法を用いた読書会をしてきましたが…ビブリオバトル楽しいので、やってみました。 さて、参加者は私も含めて三人。紹介された本は… 『ヨモツイクサ』 『世にも危険な医療の世界史』 『アド・アストラ 1 ―スキピオとハンニバル― (ヤングジャンプコミックス) でした。 チャンプ本は…私が紹介したアド・アストラ。 ハンニバルとスキピオのポエニ戦争を扱ったマンガです。絵が詳細なのと、ストーリーが歴史に

        • 対話

          とある医療、介護関係者の勉強会で依頼されオンライン講義をした。そこから、お願いをして対話をさせてもらっている。 昨晩も会があったのだが、臨床の現場の悩みを聞かせて頂いた。 基本、仏教の教理に基づいて対話をしているつもりではあるが、私から見た考えであり、正解を持っているわけではない。 使っている言葉も基本、仏教語は少ない。日常に落しこんで話すを心がけている。 参加者のみなさんの意見や方法を聞きながら、自分の足りなさに気がつく時間であった。 質問を受ける中で触れたのは、『生き方

        にもかかわらず

          天知る地知る我知る

          7月25日の天声人語に 舞台は、東京にある米軍横田基地2010年から12年にかけて、ここで有機フッ素化合物(PFAS)を含む泡消火剤が3回漏れ出した。 分解されにくく、健康への影響が懸念されている化学物質だ。なのに発生から10年以上もたって、ようやく事実が公表されたさらに驚くことに、防衛省は、19年には米側漏出から報告を受けていたのだという。 地下水にも関わる問題であり、生活者のいのちに直結するのであるから大問題だと思う。 防衛省はアメリカとの交渉、担当者の引き継ぎで時

          天知る地知る我知る

          対機説法?

          一昨日の夜に勉強会をしていた。某大学教授に教えを請うている。さて、その先生には私的勉強会以前に、僧侶向けの講習会で何度か講義を受けてきた。 ある時、ある会議のコーデネーターを私が勤めたとき、データをどう切り取るか?という点この点を強調して欲しいとお願いしたことがある。 また、同様のデータでこれからの研究で考えるべき数値や切り取り方を教えてくれた発表もして頂いたこともある。 同じデータでも聞き手目線で考えて、今、この聴衆に役に立つ切り取り方はという視点で発表をしていただい

          補修と責任

          7月9日は茂原で49日忌のあと食事の席に出て、その後土気に移動し、本休寺にてお経の会。読経のあとの茶話会では、参加者の方から遊びに行く場もないから、月に一回のお経の会で皆さんと会えるのが楽しみと言われる。 住むようになって始めたからもう20 年近くになる。メンバーは高齢化しつつ、変化しながら細々と続いている。 高齢者の居場所の一つとしてのお寺の役割は確かにあるのであろう。 夕方には総代会 過日見積もりをとり決めた業者が再度見積もりを出してきた。数十万円値上がったため再度、総

          補修と責任

          信と疑と

          宗教の問題というと昨今は、旧統一教会の問題であり、古くはオウム真理教になる。(ザイム真理教はまた別だけど…(笑)) 信を問うとなると疑うことなきもの、盲信的なものをよしとする傾向がある。はたしてそれでよいのであろうか? さらには、信仰のバロメーターが布施と考え、ある種の布施の強要、布施の洗脳があったのではないだろうか? 安倍氏殺害の原因になったのは、生活を壊すほどの布施にあった。過剰であったのであり、出来うる範囲をゆうに超えたものであったことにある。 バランスとは、こ

          介護者カフェ

          昨日は本休寺で、初の介護者カフェを開催。2名参加してくださった。 お一人は、オンラインで交流があり、とある本を一緒に読んでいる仲間でした。突如の訪問で、びっくりしつつもありがたかった。この度初めてどちらにお住まいか?を聞きましたが、自坊から車で45分くらいの場所でちょいと距離あるなーと感じました。今は地元の包括支援センターに関わられていて、認知症カフェなどを開催支援しているそうです。 もう一方は、地元のケアマネさん。介護をしている方が思いを吐き出す場がほしいと言われるが、自分

          介護者カフェ

          焚書

          本を読むのが好きなのですが、つい最近読んだ本に100分de名著レイ・ブラットベリ『華氏451度』(戸山田和久解説)があります。本書はSF作品で本を所有することが禁止された社会、本を焼く社会です。 そこでは、葬式が行われていません。主人公の先輩にあたる人物は以下のように述べます。 「葬式は悲しみをもたらすし、異教の匂いがする。ならばそれも燃やしてしまえ。人が死んだら五分後には、ヘリコプターで全国津々浦々どこへでも届けてもらえる火葬炉“大炎管へ直行だ。十分後にはほんの少量の黒い塵

          ないナイ

          7月2日の朝日新聞の天声人語は、井上陽水の『傘がない』から始まっている。我々のあり方、平和や優しさを失っていないか?という疑問を示している。 井上陽水と言うと個人的には『少年時代』が好きだった。 沢木耕太郎『バーボン・ストリート (新潮文庫)』 https://amzn.asia/d/iNtvNV0 に井上陽水の[ワカンナイ]が作られていく過程が書かれている。シンガソングライターの力に驚くが…。 一方でワカンナイにあるのは、所在のなさだろう。 ないは仏教でも明かりす

          仏教と資本主義

          とある方の投稿から 『仏教と資本主義 (新潮新書)』 https://amzn.asia/d/6I8wD0w を見直すことになった。 かなりダイジェストに内容を書くと以下のようになるかと思う。 行基―僧院から出でて働く事を肯定 「菩薩になるための行と信じてよく働く」(57頁) 親鸞―弥陀の敬虔な帰依、善行往生を否定し、結婚を肯定したことはプロテスタントに似ている 法然―既存宗教の権威を否定、専修念仏を述べる。僧の妻帯も否定していない。マルティン・ルターに近い。 鈴木正三―

          仏教と資本主義

          名前

          6月29日の朝日新聞朝刊の天声人語は、大谷翔平選手の変化球の話から、球種の話になり、その名前が付く前から存在していて、かつ100年ぐらい前からそれらの球種はあり、名前がなかっただけという話がでている。 さて、名前が付くから認識されるというのは、確かにある。有名なのは、老子にある。名前が無いものから有が生じるとしている。 それは、名前を付ける。人間が認識することで始めて物の存在を知るということであり、認識すると見えてくるとも言える。 こんなことを考えていて、思い出したのは、

          テンプルモーニング

          本日は茂原の妙光寺でテンプルモーニング 掃除、読経、雑談で一時間。 六人参加されて、男女同数。さまざまな話をしていた。雑談はコロナの話に、感染者数の増大に。紹介したのは、下記の感染者の実数把握の話に… https://open.spotify.com/episode/7w8BNM1p9eEVO7jNwLAGrR?si=9GOJA0f3QSahtGEZ2aGJYg ちなみに、参加の皆様は自身の予報接種の回数や生活での対策の話などもしました。 樹木葬墓地に配偶者が眠られて

          テンプルモーニング

          刺激

          皆様が本を読む理由はなんですか? 僕は、おそらく驚き、ワクワクする瞬間を求めているのだと思います。 その文章を読むことで、今まで見ていた風景が変わる。 今までの理解が変化する。それを如何に見つけられるか… そういう意味で写真の本は、私にとっては大切でした。本書は、何種類かある『神の代理人』のなかで、塩野七生ルネサンス著作集に収められたもの。 この著作集は、作品の裏話、メイキングが載せられています。 この本は、キリスト教のローマ法王をめぐってのものなんで、宗教と政治

          食い物か同化か

          毎月火曜日の朝は、前日に撮り置きしたNHKの100de名著を観ることをしている。 今月の名著はナオミ・クライン『ショック・ドクトリン』 2023年6月 (NHKテキスト)  https://amzn.asia/d/1cg64t5 番組を観るだけでなく、テキストを読んで見ると、テレビでは話されなかったある種の洗脳の実験結果に基づいていることが書かれている。 第一回では、アメリカが経済学者ミルトン・フリードマンの考えに基づき、新自由主義を広めたい国の優秀な人材をシカゴ大学

          食い物か同化か