いわさん

千葉市緑区のお寺の住職。読書好き。 NFL好き。寺はヨガ教室、リトミック教室、写経会、子育てサークル、子供会を行っている。

いわさん

千葉市緑区のお寺の住職。読書好き。 NFL好き。寺はヨガ教室、リトミック教室、写経会、子育てサークル、子供会を行っている。

    最近の記事

    ともに学ぶ

    昨晩は友人たちとオンラインで勉強会をしていた。 『日蓮の手紙 ビギナーズ 日本の思想 (角川ソフィア文庫)』を用いている。 祖師の言葉を読み、その訳をみて考える。 その中で訳がおかしい部分を見つけ、なぜそう訳してしまったのか?を考える。 遺文中の仏教の悟りに関する引用が、本文で何を言いたいのかを考えたりする。 昨晩はかなり有名な遺文(忘持経事)であった。当たり前に読んでいたもの、法事のあり方にもつながる部分でもあり、読み込むことで驚く個人的発見があった。 仏陀の本意とい

      • メタ認知

        毎朝の日課で読書をしている。積読も多いので、あれを読んだり、これを読んだりという感じでなかなか読了とはいかないが… さて今朝読んでいたのは、『ナナメの夕暮れ (文春文庫 わ 25-2) 』 その中で次の一節に目が行った。 客観的視点の必要性が述べられている。仏教学者の横山絋一先生は『NHKこころの時代~宗教・人生~ 唯識に生きる (NHKシリーズ)』 と説いていて一人一人の認識は異なることを述べています。私が今見ている風景は、それぞれの人生経験や欲望のあり方で隣のひと

        • 今更ながら・・・

           歴史は暗記をするもの、つまらないものなんて思っていませんか。 『世界史を俯瞰して、思い込みから自分を解放する 歴史思考 』 著者の深井龍之介さんは、インターネットラジオで大人気の「歴史を面白く学ぶ」をテーマにしたコテンラジオのパーソナリティをされています。 この本は、そのラジオのコンパクト版とも言うべき内容です。さまざまなジャンルの歴史を述べていますが・・カーネルサンダースや武則天、ガンディーからの話はかなり考えさせられます。 ちなみにブッダにも触れていますが、その位置づ

          • 宗教教団の健全なあり方は?

            昨今、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)がニュースの話題となりました。霊感商法や高額献金を行い家族関係が乱れ、宗教団体と密接な関係があったという政治家を刺殺するという事件が起こりました。  今から二十七年前のオウム真理教地下鉄サリン事件を思い出した方も多いのではないでしょうか。  ここでは宗教全般ではなく、仏教教団と社会の関わり合いに絞って考えてみます。  インドで始まった初期仏教教団は、修行する僧侶(出家)と支援をする信者(檀家)でできています。日本の仏教では、寺院子弟の世

            because

            11月11日、朝日新聞の鷲田清一『折々のことば』では、 「自分よりも大切な誰かを失ったときにわきおこる 「なぜ」という問いは、どんな物語によっても答えられることがない。石井美保」という言葉が引かれている。どうして亡くならなければならないのか?を尋ねたくなる気持ちは理解できる。  この文章を読みながら思うのは、植木雅俊『日蓮の手紙』にも引かれている『上野殿後家尼御前御書』の「人は生れて死するならいとは智者も愚者も上下一同に知りて候へば・始めてなげくべしをどろくべしとわをぼへぬよ

            認識するもの

            友人に借りて読んだが、あまりによい本なんで改めて買ってしまったのは、川内有緒『目の見えない白鳥さんとアートを見にいく』 著者の川内さんは、友人に誘われ全盲の白鳥建二さんと美術館に行くことになります。白鳥さんは目が見えませんから、共に来た2人が美術作品の説明していきます。白鳥さんは「耳」で見ることをしているのです。 一つの絵画を説明するとしても、二人の認識は異なります。 二人の説明の違いを白鳥さんは楽しんでいます。同じ絵を見ても人それぞれで受け取り方が異なることが明確に示され

            カエサルの物はカエサルに

            11月4日の朝日新聞 鷲田清一の「折々のことば」 では 正気を失わずに、ただ信仰に属するところのもののみを信仰にゆだねるなら、それはたいへん健全である。 フランシス・ベーコン という言葉を引いている。あわせてとマタイの福音書の「カエサルの物はカエサルに、神の物は神に」を引いている。 昨今の政治と宗教の関係に関しても以上の言葉は大切だと思う。 政治家が宗教教団の力を借りようとする。宗教教団が政治家の力を利用しようとする。この点を佐々木閑先生は『「律」に学ぶ生き方の智慧 (新

            是でも非でもなく

            過日は友人たちと勉強会を開いた。 とある日蓮聖人の遺文をテキストにしていて…死後の世界があると考えて生きるのか否かで、死にゆく人へのアプローチが変わるのではないか?という話になった。 従来から、私自身は死後の世界はわからないと言っているのもあり、死後の世界をご遺文通り信じることを批判すると思われたようでどう思うのか?を聞かれた。 個人的には、信じている間違ってないと思うならば主張してもよいとは思う。信じていないでご遺文がそうだからならば、主張しないほうがよいのでは…と思うと話

            対話の可能性

            毎朝、朝日新聞の天声人語と折々のことばを読んでいる。 10月31日の朝日新聞の鷲田清一先生の 「折々のことば」では、小平奈緒選手の言葉を引いている。 「考えを言葉にするという空間をみんなで共有 することで、言葉に深みが生まれ、思考も育 まれました」 この言葉は、自分にとっては至言である。デスカフェや生老病死を考える15章を読むなどのワークショップで当に実感している。 何度か書いてきたが、自分が主催しているワークショップはさまざまな意見がでるが、グランドルールとして人の話を聞

            デスカフェ

            デスカフェは死について自由に語り合う場です。身の回りの体験談や日頃「死」について思っていること、終活について、死ぬまでにやってみたいことなど、なんでも語り合います。 お寺の静謐な、とはいえ、カフェのようなリラックスできる心地よい場でゆったりと対話を楽しみましょう。 今回は、具体的な問いを立てて「死」に関して考えていただき、対話をいたします。 期日 令和4年11月3日 木曜日 時間 12時30分〜14時15分 場所 妙光寺本堂(千葉県茂原市上茂原161) 募集人数 10名

            生老病死を考える

            過日、オンラインで庄司進一『生・老・病・死を考える15章 (朝日選書)』 を読むのワークショップを行った。今回は「老」として「家族の意識障害の状態が1年つづいている」という設定で話し合うものであった。最初は積極的治療を行う?行わない?という問いであったが、休憩後はあなた自身が余命宣告を受けた状態ではどう判断するか?を問うた。 最初の問いは、参加者の多くは治療を行いたいとの意見であったが、後半はさまざまな理由から異なる結論がでてきました。 そこに見えるのは、経験や価値観か

            日本史のツボ

            過日読んでいたのは本郷和人『日本史のツボ (文春新書)』 あげられている7つのツボは、歴史の展開を整理するのに大切なのであることがよくわかる。 特に面白かったのは、天皇の系譜図で系譜が縦に長いか、横に広がるかが権力の有無を表すという話である。親子の承継が順当ということは、そこに権力闘争が起こっていないということであり、横に広がるとは、天皇の地位を得ようとする競争者かいたということであるという話である。 権威と権力の違いも含め興味深い。とくに今、Spotifyでコテンラジオ

            死者と縁

            その人には直接会ったことはないが、とある人物を通して出会うというケースがある。とある方の法事で、故人との関係を聞きとる中で生前ほとんど会ったことがないこと。残された遺族との関連で参列している旨を聞いた。 施主との関連性のみで法事に座り、焼香、読経する。それは故人に思いをはせるとともに今生きる人々とともにある時間を大切に共有することなのであろう。 翻って考えてみると…我々僧侶もこれに近い場合もある。生前はあまり交流がなく、死後七日経で、49日忌まで七日ごとに伺う。 伺う中

            自省録

            マルクス・アウレリウス『自省録』は、100分de名著を見て、岸見一郎先生の経験基づく解説には感動した。『マルクス・アウレリウス『自省録』 2019年4月 (100分 de 名著) 』 https://amzn.asia/d/flyRWq1 また、テキストに載っている約は、それ以前に訳された神谷恵美子さんのものより読みやすく、全編を訳して欲しいと考えていた。 この度、全部ではないが岸見訳のものが出たので購入して読んだが…やはり素晴らしい。『』マルクス・アウレリウス「自省録

            ジェンダーと宗教

            昨晩は、数人でジェンダーと宗教に関して話し合う機会を設けた。伝統と文化、歴史などが絡み合う問題であり、簡単に答えがでる問題ではない。 従来から問題となっているが、今得ている既得権益を捨てる行為であり、長き生活習慣ともかかわりなかなか改正できない。この点は、某研究所での分科会でよくわかった。お茶くみなどは、自分たちがそのように強いているとは考えず、女性が好きでしているとか、得意な人がやるべきみたいな考えを平気で表明していた。 高齢になるほどあらたな思考に追随できなくなる。そ

            生き様と墓

            過日、早朝読書会をオンラインで行った。新規の方もいて、刺激を受けたり、考えさせられたり… 『モンテレッジォ 小さな村の旅する本屋の物語 (文春文庫 う 30-3)』 『日本人はなぜキツネにだまされなくなったのか (講談社現代新書) 』 『精神分析の歩き方』 『墓が語る江戸の真実 (新潮新書)』 https://amzn.asia/d/aY59SUo 最後の本が私が紹介した本です。僧侶であり、住職である私には、ある意味関わり深い本書は、江戸時代に活動した大名やその