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考えるヒント

朝日新聞の書評で紹介されていた『増えるものたちの進化生物学 (ちくまプリマー新書 423) 』

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を読み終わらせた。なぜ生きているのか、なぜ死にたくないのか、なぜ他人か気になるのか、なぜ性があるのか、何のために生まれてきたのか といった気になる話題ばかり…


なぜ生きているのかは、増えて遺伝する物資が地球上に生まれたからであり、死にたくないのは、小産小死の戦略をとったからであり、自然いのちを大切にするようになり、さらに人間は赤の他人の命も大切にする。それはやさしさにつながっているが、圧力にもなっている。人間関係の構築は、狩猟採集採集生活に由来し、学習による刷り込みとされています。

また性に関しては、遺伝子のかけ合わせのためであり、それによりウィルスに対する防御、多様性による生存可能性の向上につながっていると述べています。

その上で、人間が生きていることには目的や使命はないが、価値と生きがいはあると述べています。


さて、私にとって考えさせられたのは、性の存在は多様性による生命の生存可能性の向上という話であり、現在の医療環境なら性のかけ合わせが不要になりつつあるとの見解です。

また、原理的とはいいながら不老不死が可能と述べている部分です。これらは、今までの価値観が大きく変えるでしょうし、その技術が生み出されれば、良し悪しの問題でなく、社会の方向が変化していくと思われます。


自分が仏教寺院の僧侶という立場で考えるならば、仏教の四苦、生老病死の苦しみの認識は大きく変わるかもしれません。老病死がなくなることで、葬儀や法事もなくなるかもしれない。その可能性を考える必要もあるかもしれません。諸行無常は仏教もなのだから、よいというならよいのですが…一方で寺院住職としては、それでも寺院があり、存続を目指すならどうあるべきのか?そこも考える必要がありそうです。

答えはありませんが、個人的には考え深い一冊です



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