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信じるとは

昨晩はオンラインで友人たちと読書会、テーマは『シン』。

自分が紹介したのは、下記の本。
石川明人『宗教を「信じる」とはどういうことか (ちくまプリマー新書 415』

キリスト教が題材ですか、信じるということを真摯に問うています。

信頼と信仰に違いを論じており、信頼とは人間の人間の間に生じるものであり、裏切られる可能性があるもの。信仰を経験を超えたものであり、科学が進歩すれば信仰が不要になるという考えは、信仰と信念を混同したものだとしていることを引用しています。(56頁)

基本、信じるということを論証できないものと考えている(75頁)ようで、ここはキリスト教的だなと感じます。

哲学たちが神をどう捉えたか?という点にも触れられていて、ガリレオは神は、聖書と自然の2つの書物を書いたと考えていたようです。地動説を考え、キリスト教から弾圧も受けた人物も信仰を有していたことがわかります。

悪の存在にも触れてますが、ユニークであり、考えさせられたのは、ユダヤ教のラビのクシュナーの考え、神は悲惨な出来後を防いではくれないが、それを乗り越えるための勇気と忍耐力を与えてくれると考えています。

これは、アウシュビッツの問題を受けて生み出された思想です。そこに時代感や信じるあり方が見えてきているように思います。

作者は最後に信じるか、信じないかという二択に慌てて答えなくてよいとしています。

真摯な信へのアプローチは、私自身が何を信じているかを問い直すことへつながります。

ちなみに私が信じているのは、何?と読書会では質問がありました。答えは…諸行無常であるという世の常道と述べました。ブッダや宗祖だから間違えがないと盲目的に信じるというのは、気持ち悪いと個人的には思っているのだと改めて感じた瞬間でした。

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