「山の郵便配達」

中国湖南省山岳地帯。
1980年というのに
手紙は郵便配達員が
徒歩で運んでいた。

往復223km。
険しい山道を歩き、
3日間で各村を回る。
とても厳しい仕事。

41歳になった男は
痛む膝が治らない。
お役ご免となった時、
息子に後を継がせた。

息子の仕事始めの日、
父は倅に同伴した。
道案内は飼い犬の
「次男坊」が行う。

息子が小さな時、
父はいつも家におらず、
ほとんど話さず、
怖い存在だった。

この日も何を話したら
良いかわからない。
父は郵便配達の掟を
息子に教えていく。

日が経つにつれ二人の
わだかまりは解れ、
父の愛情をひしと
息子は感じていく。

あるとき川を渡り、
息子は父を背負う。
一人前になった息子に
父は涙を流す。

母は家で父を心配し、
今度は息子を心配する。
険しい山道で何事も
なければ良いがと。

山の郵便配達を通じ、
親子の愛情が通う
「山の郵便配達」、
とてもよい映画だった。