本条寺京太郎

即興詩人。日々の思いや出来事を即興詩で表現しています。2020年4月から毎日1つ詩を書…

本条寺京太郎

即興詩人。日々の思いや出来事を即興詩で表現しています。2020年4月から毎日1つ詩を書き続けて5年目となり1500を超えました。これまでの4年間の詩を4つのマガジンにまとめています。コメントやスキをして下さった方、ありがとうございます。いつも世界中が平和でありますように。

マガジン

  • 本条寺京太郎 即興詩集 2023シーズン

    毎日1つ即興詩を書いている本条寺京太郎氏の2023年4月14日〜2024年4月13日までの365日すべての詩を集めた2023年シーズン詩集。本条寺氏が日々感じたこと心模様、音楽、絵画、映画、スポーツ、さらには生物や草花、空や宇宙などの自然を謳ったものなど、あらゆるジャンルを網羅した作品集。

  • 本条寺京太郎 即興詩集 2022シーズン

    毎日1つ即興詩を書いている本条寺京太郎氏の2022年4月14日〜2023年4月13日までの365日すべての詩を集めた2022年シーズン詩集。本条寺氏が日々感じた心模様や音楽、絵画、映画、スポーツ、さらには生物や草花、空や宇宙などの自然を謳ったものなどあらゆるジャンルを網羅した作品集。

  • 本条寺京太郎 即興詩集 2020シーズン

    毎日1つ即興詩を書いている本条寺京太郎氏の2020年4月14日〜2021年4月13日までの365日すべての詩を集めた2020年シーズン詩集。本条寺氏が日々感じた心模様や音楽、絵画、映画、スポーツ、さらには生物や草花、空や宇宙などの自然を謳ったものなどあらゆるジャンルを網羅した作品集。

  • 本条寺京太郎 即興詩集 2021シーズン

    毎日1つ即興詩を書いている本条寺京太郎氏の2021年4月14日〜2022年4月13日までの365日すべての詩を集めた2021年シーズン詩集。本条寺氏が日々感じた心模様や音楽、絵画、映画、スポーツ、さらには生物や草花、空や宇宙などの自然を謳ったものなどあらゆるジャンルを網羅した作品集。

最近の記事

眠れる「メシア」

博物館*に眠っている ヴァイオリンがある。 ストラディバリウスの 名器中の名器と謳われる 「メシア」。 17、18世紀の天才職人、 ストラディバリは生涯で 約1000挺のヴァイオリンを 作りだして現存は約600挺。 彼が生涯手離さなかった逸品。 「メシア」が演奏されたのは およそ100年前のこと。 それ以来このヴァイオリンは 飾られているだけだ。 誰もその音を聞いたことがない。 ヴァイオリニストは言う。 「演奏されてこそ輝く」。 つまり飾られていては どんな名器であろう

    • 吉原幸子

      吉原幸子。 若い頃の写真。 一枚に惹きつけられる。 右手の指に挟んだ 煙草のよう。 でもそれはシャーペン。 伏し目がちの目は 詩を創作しているのか。 切れ長の目が美しい。 黒髪のショートカット。 傘のついた電気スタンド。 端整な顔立ちに光。 東大仏文科卒業、 劇団四季で主演、 詩人に転じる。 「人だけが 醜くからう 人も 死ね」 吉原幸子の詩 「瞬間」は 命令形で終わる。

      • ああ!トノちゃん

        「外崎です」と 携帯電話が言った。 女性の声だった。 「ユミちゃん?」 おそるおそる聞いた。 ユミちゃんが 外崎というからには トノちゃんに何か あったに違いない? 「亡くなったの?」 予感的中だった。 三月前にトノさんは 息を引き取った。 臓器がすべて いかれていたのだ。 トノちゃんはボクの 仕事の恩人だった。 いつも笑顔でボクを 「弟みたいなもんだ」と 可愛がってくれた。 よく一緒にゴルフをした。 彼の家に迎えに行くと、 すでに外に出ていて素振り。 嬉しくって仕方

        • マリエ叔母ちゃん

          彦根市高宮町は祖父母の家だった。 叔父と叔母、子供たちも同居していた。 夏休み子供のボクはこの家に預けられ、 田舎暮らしを体験していたのだった。 祖父母が死に叔父も3年前に亡くなり、 いまは叔母が一人暮らしをしている。 二人の息子は市内に住んでいるが、 同居はお嫁さんがしたくないのだろう。 叔父の葬式の時に従弟の広樹くんが 「おかんが少しボケてきた」と言った。 ヒロキくんはやさしいやつなので、 休みの日は必ず母を看にいっている。 マリエ叔母ちゃんは美人で有名だった。 そ

        眠れる「メシア」

        マガジン

        • 本条寺京太郎 即興詩集 2023シーズン
          366本
        • 本条寺京太郎 即興詩集 2022シーズン
          365本
        • 本条寺京太郎 即興詩集 2020シーズン
          365本
        • 本条寺京太郎 即興詩集 2021シーズン
          365本

        記事

          灼熱のジャズフェス

          「暑いじゃなく、熱い!」 真っ赤な太陽がギンギン、 熱光がデッキに射してくる。 座ってるだけで汗が吹き出し、 サックスも持てないほど。 さいたま新都心JAZZ DAYに ボクらのハニージャズオケが出場。 お昼ちょうどの一番スタート、 駅とビルの間の広い通路に、 バンドと聴衆の椅子が並べられる。 1曲目が「オール・オブ・ユー」、 これをやるだけで水を飲む。 2曲目は「サマータイム」で まさに今日を表している。 3曲目が「エライズ・カミン」。 「ミスティ」ではボクのソロ。

          灼熱のジャズフェス

          八日市の親戚たち

          滋賀県東近江市に八日市という街がある。 祖父の二人の妹が嫁いで住んでいた。 母がその叔母たちと仲が良かったので、 夏休みは泊まりがけで行ったものだ。 テル叔母さんの家は植木屋さんだった。 長男の喜一さんが家督を継いでいる。 米寿になるというのに車を乗り回し、 脚立に昇って植木を剪定しているという。 喜一さんの奥さんは美人の恵美子さん。 民生委員を長く務め、今では老人のための 寄り合い所を作ろうと喫茶店をやっている。 オバチャンのファンが毎日集まってくる。 半世紀ぶりにボ

          八日市の親戚たち

          彦根のお兄さん

          小学生の頃、 毎年夏休みになると、 ボクは祖父母の家に預けられた。 母の実家は滋賀県の彦根にあった。 東京っ子だったボクは 田舎が嬉しくて堪らない。 朝からセミ採り、ドジョウすくい、 ザリガニ釣りに精を出した。 近所の兄弟はそんなボクが珍しく、 遊んでくれるようになった。 少し大きな川で雷魚やナマズを捕ったり、 鍾乳洞にも連れて行ってくれた。 今回北陸から彦根に寄り、 兄弟のうち弟さんと会った。 昨年、次男さんが東京に転勤となり、 55年ぶりの再会を果たしていた。 今

          彦根のお兄さん

          えちぜん呑み鉄

          恐竜列車で有名になった えちぜん鉄道に乗って 姪っ子の友人の酒蔵に行った。 六角精二じゃないけど、 呑み鉄の旅である。 えちぜん鉄道は僅か2両の 超ローカル線で田んぼを走る。 車掌さんが若い女性で 可愛いユニフォームで案内。 地方から応募がある人気だ。 越前竹原という無人駅に 吉田酒造のお嬢さん、 営業部長の吉田祥子さんが 出迎えに来てくれた。 彼女の運転で酒蔵へ。 吉田酒造は二つの蔵があり、 今回は香港企業との共同出資で 一昨年設立した新しい蔵を見学。 吉峯蔵はワイナ

          えちぜん呑み鉄

          深閑の禅寺、永平寺

          曹洞宗の大本山、 永平寺を参拝した。 えちぜん鉄道の 永平寺口で降り、 バスで永平寺へ。 深閑とした山の中、 中国で修業した道元が 八百年前に寺を開く。 いまも雲水たちが厳しい 座禅修行をしている。 龍門を入ると霊気が漂い、 七堂伽藍を参拝する。 裸足で吉祥閣に入り、 手洗いの東司を通り、 文殊菩薩の僧堂で座る。 お釈迦様が祀られている 厳粛な仏殿で祈祷する。 聖観世音菩薩のある 法堂で畳に座って祈る。 説法が行われる場所だ。 僧侶の食事処の 典座寮などの大庫院、 身

          深閑の禅寺、永平寺

          弾き姿に惚れる!

          ヴァイオリンコンチェルト。 ソリストはオーケストラの前で 立ってヴァイオリンを弾く。 篠原悠那さんの弾き姿は とても高貴でチャーミング。 小学生で北陸新人登竜門に合格、 ブルッフの協奏曲1番を弾いた。 美しい音がホールに響き渡り、 ひたむきで可憐でロマンティックな 演奏は聴衆を驚かせ感動させた。 選考委員長の岩城宏之氏が激賞。 「この人はこれから世界の コンクールで優勝するでしょう」。 岩城さんはこの日体調を崩して 指揮することはできなかった。 悠那さんは岩城氏の言葉を

          弾き姿に惚れる!

          親友との再会

          富山には中学時代の親友、Uがいる。 Uはテニス部とブラスバンド部で活躍した。 元気で愛嬌があってクラスの人気者だった。 富山の高岡で綺麗な彼女と結婚、金沢で ティファナカフェのオーナーになった。 感度の高い人が集まる人気のバーだった。 Uが東京に来なくなって随分経った。 ボクも北陸に行く機会がめっきり減り、 今回金沢でほぼ30年ぶりに再会した。 待ち合わせ場所にいる彼はすぐにわかった。 若い頃から髪の毛が薄くなっていたが、 まだ残っていて日焼けした顔は同じだった。 太って

          親友との再会

          岩城メモリアルコンサート

          岩城メモリアルコンサートは 石川県立音楽堂ホールで行われる。 ステージには岩城さんの写真が 花束とともに飾られている。 オーケストラアンサンブル金沢の 楽員たちがステージに登場する。 まずは岩城宏之音楽賞の授賞式。 岩城夫人でピアニストの木村かおりさん、 作曲家で岩城さん大親友の池辺晋一郎さん、 指揮者の広上淳一さんが選考委員だ。 晴れある今年の受賞者は才能溢れる ピアニスト・武田理琴乃さんである。 コンサートは藪田翔市さんの現代音楽曲、 「アキュレイム・フォー・オーケス

          岩城メモリアルコンサート

          アンサンブル金沢

          金沢には亡き岩城宏之さんが創設した オーケストラアンサンブル金沢がある。 40人ほどの小編成オーケストラだが、 小型だからこその素晴らしさが際立つ。 一人ひとりの顔を見ながら演奏できる、 チームワーク抜群の揃った綺麗な音。 音の粒が際立つ繊細で豊かな演奏が、 聴く人の心を揺さぶり幸せにしてくれる。 コンサートマスターの松井直さんは オーケストラ創設からのメンバー。 岩城さんが作った岩城サウンドを継承、 澄んだ爽やかで温かい空気感を重んじる。 ボクは今金沢で珠玉の岩城サウ

          アンサンブル金沢

          極楽の富山一日

          高校ラグビー部先輩の足立さんは 京都大学を出てから海外でも活躍、 今は富山県の奥さんの実家、 松井板硝子店の敏腕社長である。 ボクが富山を訪ねると、 わざわざ休暇を取ってくれて、 富山県の西側を車で旅してくれた。 つや消しブラックの高級クラウン。 富山は海や山だけでなく運河もある。 美しい運河と橋のある環水公園、 さらには世界で最も美しい湾、 古志の松原に連れて行ってくれる。 江戸時代に富山は重要な船の場所。 北前船回船問屋旧馬場家を訪問。 大変な富豪で馬場ふみさんは

          極楽の富山一日

          長距離深夜バス

          子の刻だというのに 新宿バスタは 若い人で溢れている。 ヘソ出しの女の子、 冷房の効いた バスの中ではきっと寒い。 満員の待合室で ようやく席が空き、 ボクは座り込んだ。 隣はインド系の夫婦か? しきりに自分たちの バスの時間を気にしている。 ボクが話しかけると チケットを見せてくれる。 「ここのゲートでOK! あと40分でバスに乗れるよ」 笑顔で「Thank you」、 「You’re welcome」。 「どこから来たの?」 「ネパール」 「大阪に行くんでしょ」 「

          長距離深夜バス

          「フロイデ」

          ベートーヴェンの第九に 7年ぶりに参加することにした。 そう、合唱である。 亡き岩城宏之さんの解説を読み、 急に歌いたくなったのだ。 世の中には戦争もあるし、 平和を願うこの歌を歌いたい、 歌わねばならないと思ったのだ。 男声合唱「フロイデ」で始まり、 「ブリューデル」人類皆兄弟。 初めての練習があった。 歌い出して忘れていたことを どんどんと思い出す。 小さな頃に自転車に乗ったように、 自然にドイツ語で歌えてしまう。 僕はテノール、高い音が大変。 隣のソプラノはもっと

          「フロイデ」