解説:叙事詩「ほのほつみ」について(1)
5つの場ごとの物語のあらまし
叙事詩「ほのほつみ」の物語構成
ようこそ! 叙事詩「ほのほつみ」の物語へ!
叙事詩*「ほのほつみ」は、農民あがりの兵士「喜平」と小さな神「ほのほつみ」との7年にわたる戦の物語です。
この物語は、5つの「場」、つまり主人公とそれを見守る小さな神が、戦を渡り歩く国や地域の5つの「場」からなっています。
そして、それぞれの「場」は、いくつかの「話」があり、全34話からなっています。
「話」の順番は、農民あがりの中年兵士、野木喜平の7年にわたる転戦の流れに従っています。
ひとつの「話」は、ストーリーの展開する「物語」と、全体の印象を表す詩**(うた)からなります。
1話ごとに、ある程度内容がわかるようにつくっています。ですので、どうぞ気の向いたところで、どの「場」のどの「話」から読んでいただいても、じゅうぶんお楽しみいただけると思います。また、物語は「語り」を前提として書いています。声に出して、お読みいただくとより臨場感が高まると思います。
ただ、どんな国でその国の状況***がどうなっているのか、どことどこがどう戦をしているのか。また、登場人物の関係やその神がなにを司るのか? という「あらまし」を知っておいたほうが、よりわかりやすいと思います。
その説明を以下いたします。
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5場ごとのあらまし
第1場 出兵、目覚めし小さき神(4話、①~④)
場面は、潮巡る太洋、「ひろつ流れ海」に葦芽のごとく浮かぶ島国、あしかび国の農民、喜平が出兵するまで。とある神社で、ことのはを風に伝える神、ほのほつみを目覚めさせます。
【タイトル】
1話/ほのほつみ誕生 ①
2話/別れの晩餐 ②
3話/船出 ③
4話/大陸へ ④
【主な登場人物・神】
・農民あがりの兵、野木喜平と野木家のひとびと
・ことのはを風に伝える神、ほのほつみ
・潮と風の導き手で船の護り神、姚光子(ヨウコウシ)
第2場 天の中つ国へ進軍、目覚めし竜(10話、⑤~⑭)
場面は大陸の東にある大国「天の中つ国」の南の一帯。とくに大河の河口に開けた都市「華港」と「華港島」が戦の場となります。
【タイトル】
1話/上陸-姚光子の国へ ⑤
2話/作戦会議 ⑥
3話/火砲演習 ⑦
4話/妻からの手紙 ⑧
5話/非情の選択 ⑨
6話/輝ける姚光子の都市 ⑩
7話/山中夜間行軍 ⑪
8話/貯水池からの砲撃 ⑫
9話/華港島上陸作戦 ⑬
10話/輝きの失せた都市 ⑭
【主な登場人物・神】
・火砲隊の兵、野木喜平
・火砲隊の兵で馭者、兼松と馬「天竜号」
・ことのはを風に伝える神、ほのほつみ
・地と天を行き来する神、竜王神(リョウオウジン)
・潮と風の導き手で船の護り神、姚光子(ヨウコウシ)
第3場 ヒンジャブ国へ進軍、神宿りし鳥(6話、⑮~⑳)
場面は、さらに南にある島国、森繁る「ヒンジャブ国」。豊かな石油を巡って戦が繰り広げられます。
【タイトル】
1話/自動車火砲隊の誕生 ⑮
2話/南へ、馬を載せて ⑯
3話/天へ黒き煙立ち上る ⑰
4話/森の奥から見つめる目 ⑱
5話/語り部の預言 ⑲
6話/あてどなく南へ ⑳
【主な登場人物・神】
・火砲隊の兵、野木喜平
・火砲隊の自動車運転手、川村隆治
・ことのはを風に伝える神、ほのほつみ
・ほのほつみを運ぶ、不老不死の海亀
・ほのほつみを運ぶ、輝ける神宿る鳥
・ヒンジャブ国に伝わる、影絵劇の老人
第4場 ラボーレ島での持久戦、永久の樹と色鳥(13話、㉑~㉝)
場面は南の赤道直下にある「蛇神が護りし島々」。そのひとつの島、ラボーレ島であしかび国の兵たちは持久線を強いられます。
【タイトル】
1話/わたつみの竜 ㉑
2話/蛇神の護る島へ ㉒
3話/椰子の浜の約束㉓
4話/蛇神大島へ ㉔
5話/十字架の家 ㉕
6話/永久の色鳥 ㉖
7話/うるわしの島 ㉗
8話/原隊復帰の船で ㉘
9話/幻影-漂いながら ㉙
10話/永久の樹の種 ㉚
11話/ばかは死ななきゃ治らない ㉛
12話/天駆ける ㉜
13話/舟を待つ ㉝
【主な登場人物・神】
・火砲隊の兵、野木喜平
・喜平の幼なじみで歩兵隊の兵、中島金治
・火砲隊の兵、川村隆治
・うるわしの島の看護婦、さえ
・ことのはを風に伝える神、ほのほつみ
・潮と風の導き手で船の護り神、姚光子(ヨウコウシ)
・ほのほつみを運ぶ、不老不死の海亀
・ほのほつみを運ぶ、永久の色鳥
第5場 帰還、喪われし小さき神(1話、通し㉞)
場面はふたたび、潮巡る太洋、「ひろつ流れ海」に葦芽のごとく浮かぶ島国、「あしかび国」。長い間の戦は終わりました。
【タイトル】
1話/燕の子 ㉞
【主な登場人物・神】
・野木喜平と野木家のひとびと
・野木喜平の幼なじみ、中島金治の妻
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