負の遺産が人間としての尊厳の回復へと変容する💛
凄い本を知りました。いてもたってもいられなくなってしまい、とうとう購入しました。「トラウマ変容ワークブック」Amazon解説に、翻訳した浅井咲子さんの後書きが掲載されています。。
これは私が生きてきた過程であり、回復の過程です。あまりにも胸につまされるので、書き写してしみじみと感じ入りました。
今は足枷に見えるトラウマが、過去に過酷な養育環境から幼い私を救うための防衛適応策だということです。HSPの色々を伝える皆川公美子さんが、トラウマを愛しいものと呼ぶ理由が、今ならよく分かります。ここ2年自律神経を整えるセラピーを受けていますが、その中で何度も過去の自分と出会いました。その頃どんな風に一人で耐えていたか、生き延びるために壮絶な努力を全身全霊で重ねたか、毎回のセラピーで実感します。思考を超えた人体の知である自律神経の精妙な働きにより、私は身を守ることができました。例え、危機が去ったあとの比較的安全な場所で見ると合理的でなくても、当時は命を守る切実な意味があったのです。
加害者に対する魅了は、私も根強く持っています。まだ完全にはなくなりません。厳しい指導者に吸い寄せられて、自分を鞭打つように努力してしまう、結果燃え尽きる、ということを何度も繰り返しました。何度自分を戒めても同じことをするので、どこか壊れているのではないかと思いましたが、過去にそうすることで文字通り生き延びたのですね。壊れているどころか非常に優秀でした。
私の場合、愛着対象である母が危険人物でした。翻訳者浅井咲子さんの著書、「今ここ神経系エクササイズ」に、母の様子をよく表す文章があります。
幼い私の言動が母の愛着のシステムを刺激したのか、間欠泉が噴き上げるようにいきなり怒りだして、延々と怒鳴り続けたりすることがありました。それも毎日一回以上という高頻度です。愛着の対象である母親がこのような状態だと、私ののちの人間関係のパターンが歪んだものになるのは、ある意味当然の成り行きでした。自分がとんでもなく馬鹿なことをする欠陥人間ではないと理解して安心しました。
引用に次ぐ引用ですが、5000人以上のHSPを支援してきた皆川公美子さん(ご自身もHSP)のFBの次の箇所を見て「この本は購入すべし!」という気持ちになったので、ご紹介します。
皆川さんが多くのHSPに伴走する中で経験的に感じていたことについて、研究で裏付けが取れたそうです。「偏桃体の働きが平均より強く、もともと感じ方が不安に偏りやすく、それが強烈に身体と脳に刻まれやすい」という箇所は、いつも不安に振れる私にはとても安心材料です。もともとそういう作りなのですね。就職、海外旅行、ちょっとしたイベントなど、ふつうなら楽しい、めでたいとされる場面で不安に苛まれることがしょっちゅうです。
そこにさらに不利な条件があります。「感受性の高さ(察知能力の強烈さ)が、ネガティブな方面に偏って使わざるをえなかった環境にいると(親や他の大人との葛藤など)、不安や恥の感覚、無価値観、感情に圧倒される感じ」
これよ、これこれ。母親に愛着障害があり鬼のようになる、父親がASDという厳しい養育環境で、感受性の高さはネガティブに非常に偏って使わざるを得なかったのでしょう。だから私はこうなのかと、深く深く納得します。いつもナーバスになるんだからw」と笑い飛ばされた不安や苦しみが本物だと認めてもらえました涙
「HSP=生きづらさではない」というのはその通りですが、実際に生きていると、生きづらさとして現れることがとても多いのは事実です。
私はいまだ回復の途上ですが、防衛適応策から少しずつ抜け出すことを感じています。以前なら硬直しそうなことも、困難さが明らかに減りました。例えば、生徒の保護者様に問題集の購入をお願いする、指導料の値上げを伝えるなどという場面です。お金に絡むことはトラウマを抱えていない人でもプレッシャーを感じると思いますが、私は「死にそう」になりました。この気持ちは同じようなものを抱えた方なら理解できると思います。胸がざわざわして全身が硬直するような、身体から魂が抜けだすような・・・
紙に下書きしたあとメールを入力して、送信するまで何度も逡巡し、やっと送信したらどっと疲れて仮眠をとるという具合でした。よくぞその有様で家庭教師をしていたものです。幸いその頃は生徒さんは一人だけでした。
今も、ハードに働く同業者さんにはとても言えないような小規模ですが、似たような場面で硬直することはありません。あとは、生徒に思いもよらない角度から質問されて咄嗟に答えられないような時も、ざわざわが腹の底から這いあがってきますが、水を飲んでいくつかのおまじないをすると、どうにか平常心に戻れます。もちろん授業の後に十分な休養が必要ですが。
浅井さんの言う、「負の遺産が人間としての尊厳の回復へと変容する」が、徐々に自分の身に起こっていることを感じて感動します。本を買ったら熟読して、似たような状況にいるお仲間と語り合いたいと思います。
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