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たくさん見ておいた方がいい

「デザインに興味がある」というとアドバイスとして必ず言われるのは、
「美術館でもギャラリーでも何でも、いろんなものを見た方がいい。」ということだった。

日本にいる間は、実はこの言葉の真意がわからなかった。
もともとギャラリーや美術館に行って、絵や作品を見ることはとても好きだった。ただ、それが自分が作るときにどう繋がるのかが全然想像できなかったのだ。まさか完全にコピペするわけもいかない。

ただ、ニューヨークに来て、授業を受けて、課題の中で自分の作品ができていく中で、だんだんこの言葉の意味が理解できるようになっていた。

色々なデザインの課題をこなす中で、唯一頼りになるのは、自分のアイデアのイメージと「この課題は、こうアプローチしたい」という意志だけ。課題を考える中で「この方向性のメッセージを、もっとこういう伝え方で表現して伝えたい」とぼんやりイメージをした時に一番参考にするのは、今まで自分が見てきたもののストックだった。最初はあまり意識していなかったものの、他の人の作品と見比べて「自分はなんでこんな形になったんだっけ?」と振り返った時に、今までの自分のストックの中から、無意識のうちにいろんなイメージや体験を引っ張り出して新しく作っていることに気がつくようになった。

例えば、直近だと一番力を入れていたのはプログラミングとデザインを掛け合わせた授業で、JavaScript(プログラミング言語)を使って美術館のロゴ及び全体的なクリエイティブのリブランディングをする」というもの。
私がたまたま選んだのは、イサム・ノグチミュージアムだった。単純に前から気になっていたからというのと、たまたま今年6月に友人と東京で「イサム・ノグチ展」に行ったことがあったから、という安易な理由からだったけれども、実際に行ってみると、日本とアメリカのイメージの打ち出し方が全く違って面白かったのだった。

パンフレットを見ただけでも、こんなに違う。

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その時、自分が東京で見た時の展示を思い浮かべて、
「アメリカのロゴやパンフレットは白黒を基調にしたスタイリッシュなものだけれども、日本のものは和のテイストを大事にした温かみのあるものだ。だから、今回のリブランディングでは、アメリカの美術館に、少し和の温かみを足したデザインにしよう」という方向性で自分でも驚くほどアイデアがまとまっていった。

(この課題は私が今までで一番力を入れて、アイデアの時点では高評価だったものの、その後数年ぶりに心がひりひりするほど悔しい思いをした課題でした。今絶賛やり直しているところなので、またそのエピソードも含めて後日紹介します。)

今、いろんな課題に取り組んでいて、つくづく思うのは、「デザインは言語と似ている」ということ。何を伝えたいのか?どういう風に伝えたいか?伝えた人にどう思ってほしいのか?というところは言語でもデザインでもプログラミングでも(!)今までの経験の引き出しがあればあるほど幅も広がる。

最近は課題をしているか、学校にいるかのどちらかなので、来年こそはいろんなところに出かけたり、本を読んだり映画を観る時間を作りたいな。(今年はちょっと諦めモード。)

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