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パーソンズ美術大学のAAS とは?1学期終わってみてぶっちゃけどうなの?

先々週に無事にパーソンズでの1学期を終えることができた。3ヶ月半本当に毎日記憶がないほどあっと言う間で、とても濃い時間だった。

日本にいる友人や元同僚から「どんなことしているの?」「そもそもAASって何なの?」「私も正直考えているんだよね。」と連絡を受けることが多いので、1学期が終わった今のタイミングで、少しまとめてみようと思う。
(ちなみにトップはある日突然キャンパス前に現れた学校のマスコットキャラの落書き。なんでこの動物なのか、なんでこの構図なのか、謎がすごく多い…。)

AAS (Associate degree)とは?

日本では「準学士号」と呼ばれていて、学士(Bachelor)と修士(Master)の間に当たる。一度キャリアを経験した人、大学の学部を卒業した人が今までとは違う新しい分野にキャリアチェンジしたい時に取得する学位なのだそうだ。なので、修士のように研究色は弱く、すぐに新しいキャリアでも活かせるように実務的なカリキュラムが組まれている。

個人的によかったと思う点

  • 一からデザインの基礎を学ぶことができる。

デザインは全くできず、「グラフィックデザインができるようになりたいんです」と人に言うことさえも憚れられた自分がこの3ヶ月半の間に学内のクラスメートや知り合い、さらには日本にいる前職の同僚や友達に作ったものを見せられるまでに変わることができた。

作ってきたものはパンフや本、ポスターからJavaScriptを使ったWebサイトまで、基礎的な部分に触れられる。毎日課題がハードだが、できることが毎週着実に増えていった。

  • アメリカで現地で働くことを前提としているので、最先端で使える技術、スキルを最前線の先生から学ぶことができる。

日本の広告代理店のクリエイティブ職に就く先輩に自分が作ってきた課題を見せたところ、「このツールはまだ日本ではそこまで浸透していないよ」「すごいな、3ヶ月半でそこまでやるの?」という話になった。

本当かどうかはわからないけれども、確かに講師陣はニューヨークで名だたるデザインファームやエージェンシーでチームリーダーを兼任している人も少なくなく、だからこそアメリカの現地事情も授業の中で聞くことができたりするのはお得だった。

  • 色々なバックグラウンドの人から刺激をもらえる。

とにかくクラスメイトのバックグラウンドが多様。バレエダンサーだった人、スタイリストだった人、はたまた金融機関で勤めていた人…。

LGBTQ+の人も他のコースに比べて割合が実は高いらしくて、駄話をしているだけでも発見が多かった。

平均は27~29歳ぐらいだけれども、学部を卒業したばかりの人も、10年ほどキャリアを積んだ人も同じ教室で一緒に授業を受けている。

色々な経験をしているからか、みんな精神的に大人で、前向きなので、すごくありがたい。(プライベートでもよく遊んだりする人ができた。)

学校のメインビルティング。
意外と学校の写真を撮っていなかったので、来学期はちょこちょこ撮ろうと思う。

ここは直して欲しいと思う点

  • 奨学金が取りづらい

学費がいかんせんとても高いので、日本でもアメリカでも奨学金を探しているのだけれども、多くの奨学金がアメリカ国籍所有者であったり、修士あるいは学士に限定された条件のものがほとんどだ。

「留学生」かつ「修士でも学士でもない学位」というだけで全く当てはまるものがなく、今の所いい条件のものが見つけられていない。

日本でも準学士という学位自体の知名度が低いので、そこはなんとかしてほしいなと思っている。

  • 修士、学士の方が優先される時がある。

履修登録の時は、すでに取得されている単位数に応じて履修登録日が決まっていく謎システムがあり、すでに取得している単位が多ければ多いほど早めに履修登録ができる仕組みになっている。

これは困った仕組みで、修士や学部生の方が元々取得する単位数が多かったり、期間が長いので取得できている単位が多いケースがほとんどなので、人気だったり、自分が取りたい授業が他の修士生や学部生によって先に埋められてしまう。

(「AASの生徒も高額な学費を払っているのに授業が取れないのは理不尽だ!」とクラスメートと一緒に文句をよく言っていた。)

これは本当になんとかしてほしい…。

  • 人数がとても少ないので、OBOGの数、先例を聞ける人が少ない。

パーソンズのAASの場合、Fashion Design, Fashion Marketing, Communication Design, Interior Designの4コースが存在する。

AAS全体で毎学期100名ほど入学し、それぞれの比率は40%, 30%, 20%, 10%ほどだと聞いている。(一番人気なのはやはりFashion Design.)対して、修士だと1つの専攻に対して80人ほどいる学科もあると聞いているので、規模が圧倒的に違う。

毎年人数は100名程度だそうで、学内でも卒業生がどんなキャリアパスを辿ったのか、特に留学生はその後アメリカで就職できたのか聞ける相手がなかなかいないのが不便だなと思う。

1学期の期間中はずっと課題に追われていて、曜日の感覚や時間の感覚がなくなっていて、時間が無さすぎて電車の中やキッチンでお湯を沸かしている間もPCを持ち出して作業していることも結構あった。

ここまで正直な話を書いてみたし、確かに働いていた時よりも寝ていなかったのでハードだったけれども、
クラスメイトの講評を聞いたり、できることが毎日増えていて、
しんどくても本当に楽しくて、それだけでありがたくて幸せで
今のところ心からNYに来て、パーソンズに留学してよかったなと思う。

もし気になること、個別に聞きたいことがあればぜひDMください。お役に立てれば嬉しいです。

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