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関係するというより、「関係してしまう」僕ら〜「去年の今日」を読んで〜

「去年の今日」を読んだ。
今、読むことができてよかった。

「生物学的な繋がりの上にあぐらをかくような関係しか構築してこなかった」

「去年の今日」

生物学的な繋がりに限った話ではなく、あらゆる関係において「あぐらをかかない」とはどういうことだろう。
自分があぐらをかいているような気になって、考えてしまう。

人は自分自身で「自分が自分であること」を肯定できる
「自分が自分であること」は、自分以外によって支えられるものではない。
だとすれば、「関係する」とはどういうことだろう。

ありのままの自分。
これが自分という人間だ、と正当化してきた「自分らしさ」は、単なる開き直りだったのかもしれない。
言い切ってしまえば誰にも干渉されることなく、絶対的正しさで自己肯定できて、楽だから。

「去年の今日」

自分自身で「自分が自分であること」を肯定することは、自分以外から干渉も影響も受けないということではない。
いや、自分以外から干渉も影響も受けなければ、それは容易にできることなのかもしれない。
でも、「自分」をつくっているのは「自分だけ」ではない。
僕たちは、影響を与え合いながら生きている。

そう考えていくと、関係するというより、「関係してしまう」という感じなのかもしれない。
生きている限り、周りからの干渉や影響を受け続け、与え続ける。
だとすれば、その影響をできるだけハッピーなものにしたいと僕は思う。

自分の影響力について自覚しようと努め、そのパワーを自分と相手にとってハッピーな方へ発揮すること。
それが、「関係にあぐらをかかない」ということかもしれない。

*

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