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#294 居場所のある職場とは

 こんにちは武藤北斗です。まずは今週の出来事を5行で。

 寝室にスマホをもって行くのをやめました。近くに置いてあるとDMが気になったり、ふと思いついたことを書き留めたくなったり、なんだか寝ることへの集中力が減っている気がするのです。リビングに置いておけばさすがに起きて取りに行く気分は失せ、やっと頭の中からスマホの存在が抜けきる。この無意識に抜けきる感じが大切な気がします。

それでは今週のnoteはじまります。

パプアニューギニア海産・代表取締役工場長、「生きる職場(イースト・プレス)」著者の武藤北斗です。毎週金曜note投稿中、フォロー嬉しいです。
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 294回 居場所がある職場とは

 私が目指しているのは『争いがなく誰もが居場所のある職場』です。

 『争いがない』は言葉そのままに受け取ってもらえばいいと思いますが、『居場所がある』に関しては人によって捉え方が違う気がしています。

 私もあまり詳しく説明したことはなく、何となくフワッとした感覚で話してきました。『グルグルと回っていて固定していないイメージ』とか『入れ替わることで迷いがなくなってくる組織』なんて感じで。

 よく勘違いされるのですが、これは何でも自由ということではありません。逆にルールがいっぱいあるイメージです。私にとって『なんでも自由』というのはちょっと苦しいのです。だからそこに自分達でルールを作ることで流動的に考え行動できるようにします。居場所を作っているような、無くしているようなどっちの感じもしますね。

 
 私が個人的に居場所がないと感じる場所がありまして、それは立食パーティーです。最高に嫌いです。

 どこでも好きなところで食べて歓談してくださいと言われても、どのテーブルに行けばいいのか分かりません。正確に言えば私がテーブルに来るのを嫌がっていたり、他の人と話したいと思っていたらどうしようなどと、珍しくネガティブな私が登場するのです。

 ですから立食パーティーでも自分が講演した後であれば気が楽です。私に興味を持った方が話をしに来てくれるからです。でも時間がたってお酒が進み講演者も何も関係なくなるとまた不安におそわれます。

 話し出すと止まらない私ですらこうなんですから、話すのが嫌いとかコミュニケーションをとるのが苦手だという人は本当に苦しい時間ではないかと想像します。名刺をもって自分からガンガン挨拶に行く人がスーパーマンに見えます。気の持ちようではありますが、自分がそう感じてしまうのだから仕方がない。

 そういった理屈抜きの苦しい感覚は当然ながら職場でも同じなんだろうと思います。私は考えるわけです。立食テーブルが作業テーブルだったらどうだろうと。

 作業を好きなテーブルの好きな場所でやっていいとしたらどうだろうと。

 作業を自由に選べることには何の問題もありません。しかし問題は人間関係です。誰がどこにいるかで神経をすり減らす自分が容易に想像できます。

 こっちにはAさんグループ、あっちにはBさんグループ、奥にはボスキャラ軍団。本当にやりたい作業はボスキャラ軍団のテーブルだけど重圧は受けたくない。Aに入りたいけど最近勢力を増してきたBグループにも近寄った方がいいだろうか。私は何でもハッキリ意見しそうな雰囲気ですが、それは会社の代表でそういう立場にいるからであり、もとは余計なことまで気にして疲れてしまうタイプの人間です。

 そして私と同じようなことで悩んでいる人が実に多いのです。面談を繰り返し、多くの会社の相談にのってきた中で確実に言えることです。特にパートさんは人間関係に疲れ果てています。

 仕事がしたいのに人間関係が邪魔をしている状態です。ちょっとした判断ミスがいじめに繋がる可能性だってあります。少し話はそれますが、いじめは子どもだけの問題ではありません。というよりも大人の世界でまかり通っているからこそ、子ども達のいじめが無くならないと私は考えています。だからもし本気でいじめを無くすのであれば、まずは大人の社会がもっと真剣に取り組み、その反省している姿と変えていく姿を見せていくべきです。

 何でも自由が辛いのはわかりましたが、では実際に居場所があるというのはどういう事なんでしょうか。

 私達の工場で今やっているのは、全員がルールに従って各テーブルをグルグル移動するというシンプルな動きです。最初はテーブルAで作業、次はテーブルC、飽きたらまたAに戻ってみたいな感じです(詳細は132回を参考にして下さい)。

 そこに更に嫌い表やフリースケジュールが加わることで自分以外の人がどんな動きをしているかが分かりにくくなり、他の人のことが気になりにくくなります。そこでやっと自分の気持ちを優先した本当の意味での自由を感じることができるわけです(選択ができるという表現でもいいかもしれません)。

 一つ私が意識しているのは何か特定の場所を作ってしまえと安易に考えないようにすることです。場所だけではなくルールもそうですね。特定の人だけは他の人と違う対応というのは、それは自由のためなのか、それとも排除のためなのか見分けがつかないことがあるからです。誰かを排除する時、実は優しさに見せかけることはよくあります。

 だから私達は全員が同じようにテーブルをグルグル回るのです。誰かの特定の場所を作らない事で、逆に全てが全員の居場所になりうるわけです。気持ちも含めて。

 私にとっての居場所というのは、自分を表現するとか、好きな仕事をするとか、具体的な場所を作るとか、そういうことと対極にあります。

 心落ち着いて考え行動できる平穏な人間関係、それが私の考える居場所のある職場である、と今は考えています。

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パプアニューギニア海産
代表取締役工場長 武藤北斗


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