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ぺらぺら読書感想DA文3。

こんばんは、先入観を捨てなければ真相には辿り着けないという先入観、トゥインクル・コーポレーション所属の単独屋、ジャパネーズのウネモトモネで御座います。

76日目。

はい。今宵のnoteは36歳で昨年からようやくマトモに読書を始めた芸人がペラペラと饒舌に薄っぺらな感想駄文を綴ってゆく「ぺらぺら感想DA文」をお届け致します。今回、取るに足らない駄感想を綴らせて戴くのは綾辻行人先生の『人形館の殺人』。"館"シリーズの4作目。

※以降、小説『人形館の殺人』その他ミステリ小説ネタバレを含みますので予め御了承下さい。




綾辻先生の"館"シリーズ読了後の第一声は決まって「いやぁ~やられた!」になりつつあるウネモトモネで御座います。今回もまぁ見事に「いやぁ~やられた!」と言ってしまいましたね。

飛龍想一がまさかまさかの「信頼出来ない語り手」だったとは。いやぁその伏線もいっぱいあったんだけれどもね。療養していたっていう話とか母屋と土蔵の電話が繋がっているとか。

"館"シリーズのお決まりみたいなのも勝手に前提みたいな感じで読み進めちゃったのも真相に辿り着けなかった原因だなぁ。まさに先入観。『先入館の殺人』でっせ、ほんま。はい?

絶対に中村青司の設計やと思ったし、絶対にからくりが在ると思って推理してたもんなぁ。過去のnoteの記事にも少し書いたのだけれど、途中まで読み進めた段階では母屋の床下に真犯人の隠れるスペースがあると思っていた。洋館と母屋を繋ぐポイントで母屋の方が床が高くなってるって書いてあったからさ。「これはまさしく『屋根裏の散歩者』ならぬ『床下の散歩者』やで!」とか息巻いてたんだけれど。

木津川もめっちゃ疑ってた。序盤はそうでも無かったけれど。本当に目が視えないのかの罠をあんまりにもあっさりクリアしたのが逆に怪しくって。で、3分の2くらい読み進めた段階(想一が過去に置き石で電車を転覆させてしまった事とか近所の連続殺人犯が辻井って判明した後)で、もう一回最初っから読み返すと昔奥さん亡くしているところとかも怪しく思えて。

でも結局シンプルに架場が怪しいなってなって。真犯人の描写も架場とのやりとりの前後が多いし。で終盤「やっぱり架場や!」って思った所で第九章入って「あれ?なんや?何か違う感じがするぞ?何この違和感?」ってなって、で「そういうオチかい!!!」ってなった。なんかちょっとだけ我孫子武丸先生の『殺戮にいたる病』の終盤読んでいる時と同じようなソワソワ感だった。「え?何?これ?え?どういうことどういうこと!?」って軽く脳がパニック起こす感覚。想一少年が殺してしまった子どもは多分本当に架場のお兄さんだったんだろうな。と僕は思った。

いやぁでも本当に最後の最後まで騙されていたなぁ。床下から梯子が出て来た所とか「ほらやっぱり!」って思ったし、その後梯子が無くなっていたってなった時も「何かのトリックで梯子を消したんだ!」って純粋に思っていた。まんまと、本当にまんまと綾辻先生の手の平の上で踊らされていましたよ。

今でこそ犯人の「二重人格・多重人格」って結構あるのだろうけれど、この『人形館の殺人』の初版が出た頃には無かったんだろうな。タイムリーにこの作品を味わえていたらその驚きももっともっと凄かったんだろうなぁと当時の読者を羨ましく思う。と同時にそういう作品って今も生まれていっているのだろうから、僕も"今"の小説をもっともっと読まないといけないな、読んでないと勿体ないな、という気持ちになった。過去の名作を読むのもめちゃくちゃ最高なんだけれどもね。あー時間が足りない。時間は作るんだよ、バカ野郎。

人形館は"閉鎖空間"という感じでもないし、地の文が主人公の視点で語られていく感じが今までの"館"シリーズというよりかは、同じ綾辻行人先生の作品の『Another』を読んでいる時と似ている気がした。"人形"が出てくる所もきっとそう思った要因なのだろうな。こういう雰囲気も好き。

綾辻行人先生著『人形館の殺人』大変愉しく読ませて戴きました。

さて次は『時計館の殺人』ですね。上下巻の大長編。愉しみです。次こそは絶対に真相に辿り着いてみせるぞ!と意気込むけれど結局読了後は「いやぁ~やられた!」って言っちゃうんだ、きっと。

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