北海道の旅 2021年冬 8日目
休肝日明けのため、早めの朝4:30に起床してしまう。風もなくまだ雪も来ていないので、寒くはない。近くのセイコマが開く6:00まで、自宅のDIGAに録画してある日本沈没の最終回を、道の駅Wi-Fiに繋いだiPadで観て過ごす。そうか、北海道と九州は沈没しないのか。やはり早く北海道へ移住しなければならない。
雪が降り出し、1時間ほどで真っ白になった。後ろのトラックも夜を明かしたようだ。この道の駅の周りには人家が全く無いため、同士がいるのは心強かった。
また、暖房のきいた道の駅本館が終夜開いているのも、ありがたい。
中標津
国道244号より国道272号へ入り、中標津方面へ進む。中標津の町で除雪車を仙洞とするノロノロ運転が続いたが、この時期は仕方がない。
ふと何かで目にした「ムツゴロウさんの今」のような記事を思い出し、Googleさんに「ムツゴロウ 中標津」と聞いてみると「ムツ牧場」を教えてくれた。中標津の町からすぐのところである。
なんかこの光景、めちゃイケで観たような気がする。丘の上の方には、ムツゴロウさんの家のような建物がある。
北十九号
この地へ来ると、ホッカイダーとしては寄らざるを得ないところがある。
中標津の町を過ぎ、北へ走る。
あいにく、遠くは見渡せない。
開陽台
あいにく、遠くは見渡せない。
道の駅摩周温泉
道道を弟子屈方面へゆき、国道243号へ入る。
弟子屈より阿寒湖方面へ向かう入り口にある道の駅だ。
館内は展示館と売店館に分かれている。
摩周湖
「霧の摩周湖」といわれ、摩周湖の湖面をみると男性は出世が、女性は婚期が、それぞれ遅れるというジンクスがあるようだが、私は毎回見事な湖面を拝むことができており、霧の摩周湖は見たことがない。ゆえに出世も婚期も見事に遅れている。摩周湖のジンクスは、真実なのかもしれない。
川湯温泉
落ち着いた温泉街と、強酸性のかけ流し硫黄泉が大好きで、何回も泊まっている温泉地ではあるが、今回はスルーする。
川湯温泉への道。
硫黄山。
川湯温泉街は実に静かである。半分ぐらいの宿が廃業してしまっており、残念で仕方がない。
屈斜路湖畔の道を走る。
道の駅ぐるっとパノラマ美幌峠
再び国道243号へ入り、美幌峠方面へ進む。
屈斜路カルデラの外輪山を登る。
峠が見えてきた。
屈斜路湖を上から見る絶景の道の駅である。
残念ながら今日はガスっている。
売店とレストランがある。
峠といえば、あげいもである。中山峠のあげいもより玉はひとつ少ないが、大きい。
380円か…吉牛並よりも、高くなった。JAF会員なら50円引きである事に決済直後に気づき申し出るも「ごめん、レジ打っちゃった〜 先に言ってくれないと〜」との事。まあいい。こんな山の上まで芋を運んで揚げている手間を考えれば、妥当な価格ではある。
レストランメニューも観光客価格である。2階のスペースに「乗務員様御休憩所」と表示されている時点で、個人客としては気分が宜しくないのではあるが。
無難に味噌ラーメンを選択する。味を知らない店では、一番左上にあるものを選ぶようにしている。
すこしピリ辛で、意外と美味い。
平日すこし早めの特権・ガラガラである。
養老牛温泉 湯宿だいいち
HOで無料入浴可であるため、行った事のない養老牛温泉へ向かう。日帰り入浴が13:00〜15:00と限られた時間のため、一度中標津を離れ、再び中標津へ戻る事となった。
中標津の山あいにある温泉街だ。
エントランス。
フロント・ロビー。
総ヒバ造りの内湯。
モシベツ川に面した露天風呂。この下に混浴露天風呂があり、駐車場でとなりに居たご夫婦と妙齢の娘さんのうち、旦那さんと湯浴み着を纏った奥さんが入っていたため、近づかなかった。
こちらの露天風呂より戻ろうとすると、さきほどのご家族の娘さんが、あられもない姿で混浴露天風呂へ入ってゆくところが遠目に見えた。いまの娘さんは、お父様と一緒に入浴する事は、平気なのだろうか。
様々な湯温の壺湯もある。
源泉サウナもある。
泉質は硫黄塩泉、本当の美肌の湯である。だいたいは入浴直後はツルツルになっても数分で戻るが、2時間ほど経ってもお肌ツルツルであった。
道の駅パパスランドさっつる
釧根地方に別れを告げ、清里峠へ向かう。
網走側へ入ると、降る雪質が変わった。
清里の町中の、温泉・売店・レストランがある道の駅である。5年前にここでマイナス13℃の夜に車中泊した事があるが、自分の吐息の湿気で車内にツララが出来るわ、ドアが凍りついて開かなくなるわで、危険を感じた経験がある道の駅である。
新しい割にオシャレお高くはないので、好きな道の駅である。
きよさと温泉 ホテル緑清荘
今宵はここをキャンプ地とする。
今日から気候が悪化し、気温も下がるため宿を探していたところ、清里町の「きよさと割」で2食付きが半額の5,200円で宿泊できるため、ここに決めたわけである。以前より気にはなっていたが、すこし割高かなと感じていたため、これまで敬遠していた。
綺麗な公共の宿である。
リニューアルしていそうだ。
和洋室へ通してくれた。車内に4泊している身としては、広すぎて申し訳ない。
「お部屋でWi-Fi使われますか?」と聞かれ怪訝に思ったが、LAN端子に個別に渡されたルーターを付ける、珍しいタイプである。その分、速度に不安はない。
温泉は加温加水循環濾過ありだが、すこし油の匂いのする、モール泉っぽい湯である。
休肝日明けの温泉あがりビールは、格別である。
窓の外ではナイターに照らされた雪の平地を、車が何かを引いてぐるぐる回っている。スケートリンクを作っているのだろうか。
これもレストラン利用分で使わせてくれるようだ。手作り感が涙ぐましい。
いよいよ夕餉である。
お酒はじゃがいも焼酎「清里」の飲み比べセット1,100円を選択する。それぞれ50mlで、グラス1杯の水割りで丁度良い量である。しっかりグラスも3つ用意されている。
おしながきを掲示されれば、こちらもプロとしての本気の食レポを記述せざるを得ない。
焼酎から。
清里(スタンダード)
まずはこれから。透き通ったじゃがいもの香りである。何年か前のバイクツーリング中に泊まった宿でボトルで買い、毎晩チビチビ飲った事を思い出す。
清里〈原酒〉
かなり香りが強い。薩摩の焼酎に近い。
清里〈樽〉
ほのかに樽の香りがある。私はこれが一番好きだ。
続いてお料理。
前菜
合鴨チーズ焼き
濃厚なチーズの外側に合鴨の旨味がかぶさるような味だ。
鰊土佐煮
北前の鰊に南海の鰹を纏っている。北海と南海の共演である。
アスパラサーモンサラダ
細かく刻んだアスパラとサーモンのマリネ。酸味と旨味で、ひと切れでもじゃがいも焼酎が進む。
お造り
鮪、サーモン、〆鯖
旅館でよくあるお造り3点セットではなく、身が厚い。時間が経っても鮪が黒くならない。かなり上物である。山葵には胡瓜が敷いてあるのにも脱帽である。
台物
寄せ鍋
醤油仕立て。サーモンの皮と海老の殻が取ってあり、すべて食べられる。心遣いに感謝だ。
多輝盛(上手い)
じゃが芋ホワイトソース焼き
皮つきのじゃがいもの上部をグラタンに。これでじゃがいも焼酎を飲ると、じゃがいも祭り開催である。
ビーフシチューパイ
固められたビーフシチューが濃厚でじゃがいも焼酎に合う。椎茸が入っている。
栗おこわ蒸し
酸味のある餡に包まれた栗の香りがじゃがいも焼酎の香りを引き立てる。
長芋利休揚げ
抹茶塩で頂く。長芋とじゃが芋焼酎の競演。これが一番美味かった。
食事
ガス釜炊きで、米の粒がたった御飯だ。御吸物は湯葉の澄まし、完璧である。
きよさと温泉 ホテル緑清荘、完全に脱帽である。こんど正規料金で泊まらせてもらおう。こういうちゃんとした宿は、永遠に残さなければならない。
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