見出し画像

介護に係る費用と給付金

高齢化社会となっている昨今、介護を必要とする方は年々増えています。
そんな介護に関して皆さんはどれくらい知っていますか。
今回は介護に関して、5つの記事に分けてご紹介します。
ご自身だけでなく、ご家族やご友人など他の人のことも考えながら
読んでいただけたら幸いです。

記事一覧
1.介護って何?
2.介護の現状・原因・対策
3.どんな介護サービスがあるの?
4.介護に係る費用と給付金(本記事)
5.介護への備え方

1.公的介護保険

介護に係る費用を書くために、まずは自己負担額を軽減する
公的介護保険について書いていきます。

公的介護保険は要介護度に合わせて国から給付金が出る仕組みです。
保険の対象となる人は40歳以上で、
40歳~64歳の国民が健康保険料と合わせて、
65歳以上の国民は年金から天引きで保険料を納めています。

公的介護保険を利用することで、自己負担額は実際の利用料の
1割(※)となります。
ただし、支給限度額がございますのでご注意ください。
支給限度額は以下の通りになります。

要介護状態区分_page-0001

介護保険適用後の自己負担額は費用の1割となります。
要介護1であれば、16,765円から19,112円、
要介護5であれば、36,217円から41,287円となります。
それ以上に関しては全額自己負担となります。

また市町村によっては一定の自己負担額以上は市区町村から払い戻される
高額介護サービス費というものもあります。
現役世代並みの所得がある人や市区町村税を納めている人が同居の家族に
いる場合は、1世帯当たり44,400円、そうでない場合は
1世帯当たり24,600円、1人当たり15,000円です。

※居宅介護支援は全額が保険給付されます。
「合計所得金額160万円以上」かつ、「年金収入+その他合計所得金額
280万円以上(単身世帯の場合。夫婦世帯の場合346万円以上)」の場合は、
2割負担となります。
「合計所得金額220万円以上」かつ、「年金収入+その他合計所得金額
340万円以上(単身世帯の場合。夫婦世帯の場合463万円以上)」の場合は、
3割負担となります。

参考 厚生労働省
   学研ココファン
   りそなグループ

2.実際にかかる費用の平均

ここからは実際にかかる費用に関して記載していきます。
まずは要介護度に関わらず、すべての介護の人の平均が以下になります。

最初に係る費用の平均は74万円です。
月々の費用の平均は83,000円です。
介護期間の平均は61.1ヶ月ですので、
83,000円×61.1ヶ月=合計5,071,300円となります。
最初に係る費用と合算すると約580万円ほどかかる計算となります。

これらの金額は介護保険適用後の自己負担額の金額となります。
月々の費用が介護保険の自己負担額を超えているのは、
3割負担の人や介護保険の対象とならない施設での食事費用や
日常で係る費用が含まれるためだと考えられます。

最初にかかる金額としては自宅のリフォーム費用や介護用ベッドの購入費用がかかる世帯があるため、高額となっております。

参考 生命保険文化センター

3.実際にかかる費用のモデルケース

しかし、介護の形態や要介護度によって費用はバラバラです。
介護の形態とは在宅で家族が介護を行うのか、老人ホームで
行うのかなどです。
ここからはモデルケースを使って、実際にかかる費用を見ていきましょう。

モデルケース
夫婦で生活している佐藤さん(86歳、女性)が要介護3になった場合

例① 夫が介護を行う老々介護
収入 18万円(年金)
支出 ●生活費 18万円
   ●介護保険自己負担額 26,000円
   【内訳:デイサービス 17回/月19,000円
       訪問介護 13回/月 5,300円
       福祉用具貸与(ベッド、車椅子)1,300円】
   ●介護サービス自費(デイサービス食事代)700円×17回=12,000円
   ●医療費 15,000円
   合計203,000円
収入との差額 -23,000円

例② 老人ホームで介護を行う
収入 18万円(年金)
支出 ●夫:生活費 15万円
   ●妻:有料老人ホーム月額利用料 18万円
   ●雑費 3万円
   ●介護保険自己負担額 2万460円
   ●医療費 15,000円
   合計395,460円
収入との差額 -215,460円

以上のように、年金だけで介護費用を賄うのは難しいのが現状です。

(参考)介護DB

4.まとめ

いかがでしたでしょうか。
以上のように公的介護保険を利用しても、年金だけでは賄えない可能性が
あります。
また、医療の発達により平均寿命が伸びているので、今のデータより
介護費用がかかる可能性もあります。

介護が必要になった時、どのようにするかを今から対策することは
とても大切です。
また、介護のことを決めるとき、費用だけでなく同居している家族がいるか
など、環境の要因も作用してきます。

余裕を持った介護への準備をしておきましょう。

次の記事では、その準備の方法について書いていきます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?