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火災保険でリフォームは詐欺?

大きな地震が毎年のように起こる日本では、
「火災保険を使って実質無料でリフォームをしませんか?」と
提案する会社があります。
この提案は果たしてあなたにとってプラスになるのでしょうか?
この記事では、損保を扱う私から見て詐欺の場合と詐欺でない
場合について、そしてあなたにとってマイナスとならない方法について
書いていきます。

1.リフォームで火災保険は支払われる?

まず大前提として、保険というのはマイナスを0にするための商品です。
対してリフォームとは、古くなった家をよりよくするために行われることが
多いです。

経年劣化による損傷は火災保険では支払い対象外ですので、
リフォームに保険金が支払われることはほとんどありません。

ただし、火災保険の支払い対象の原因で家に何かしらの
損害を受け、そこを修理した結果、そこの部分が新しくなる、
という場合は支払われることがあります。
火災保険は基本的に今家を新しく購入したらどれくらいかかるかを
基に計算します。
(この金額を再調達価格と言います。)
ですので、修理は新しくするための費用で計算されるため、
保険金が支払われるのです。

ここで難しいのはどこまでが修理でどこからがリフォームかの
判断です。
火災保険に加入しているのだから、できれば使いたいものです。
そのため、本当にあなたのことを思って提案してくれている
リフォーム業者さんには頼りたいですよね?

ここからは騙されないための方法について書いていきます。

2.支払われる保険金額は誰が決める?

まずは、火災保険で支払われる金額の決まり方について書いていきます。

1でも記載しましたが、火災保険で支払われる保険金額は再調達価格で
決定します。
その再調達価格を決めるのは保険会社です。
(そのため、保険会社によっても支払われる金額は異なります。
多く支払う保険会社もあれば、最低限でしか支払わない保険会社も
あるということです。)

つまり、リフォーム業者が金額を決めるわけではありません。
リフォーム業者が何と言っても、見積もりが適切な金額でないと
保険会社が判断したら、その分引かれた保険金額しか支払われません。

3.損害を受けていても払われない場合はある?

しっかり損害を受けていることを確認できたとしても
安心してはいけません。
その被害の原因によっては保険金が支払われないこともあります。

例えば、火災保険の補償内容が火災(火事や落雷)と風災(台風など)
のみだった場合、当然何かがぶつかってへこんだ壁は補償対象外です。

そのため、火災保険の内容を自分で理解しておくことも大切です。

4.リフォーム詐欺被害に合うとどうなる?

実際にリフォーム詐欺に合うとどうなるのでしょうか。
主に以下の3つが挙げられます。

・保険金の査定が決まる前にリフォームに着手し、
 受け取る保険金以上の請求をされる。
・高額なキャンセル費用が発生する。
・保険請求の代行手数料を請求される。

これらは本来払う必要のなかったお金です。
特に代行手数料などもってのほかです。
保険請求はさほど難しくありませんので、ご自身で行うようにしましょう。

5.騙されずにリフォームするためには?

リフォームをするのに火災保険を使うのは難しいことが
おわかりいただけたでしょうか。

ここからは、騙されずに適切に保険を使用する方法について
書いていきます。

①リフォーム業者から連絡や訪問があったら、
 その業者が言う損害箇所の写真と見積もりを用意しましょう。
 写真はスマートフォンで撮影したもので大丈夫です。
 見積もりは無料で行なってくれる会社が多いので、
 安心してもらいましょう。
 また、その時にこの損害はなぜできたかを聞きましょう。

②火災保険を契約した代理店や保険会社に連絡します。
 その際、写真と見積もりがあることも伝えるとスムーズに
 受付ができます。

③保険会社が支払いできるかを審査します。
 見積りだけで査定する場合もあれば、ご自宅に鑑定人の人が出向いて
 査定する場合もあります。

④保険金を受け取りましょう。
 実は火災保険は支払いが決まったら、その後修理をしていなくても
 保険金を受け取ることができます。

⑤受け取った保険金を使用してリフォームをしましょう。

以上のような流れであれば、安全に火災保険を使用したリフォームが
できます。

6.最後に

いかがでしたでしょうか。
このような悪質業者に騙されないように気をつけましょう。

しかし、騙されるのは火災保険について知らないことが一番の原因です。
加入前にしっかり説明を受けても忘れてしまうものです。
年に1回は保険証券を見返したり、分からない部分は代理店や保険会社に
確認するようにして、自分で管理する意識を持ちましょう。

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