分からない
たかが数十年のうちに分からなくなった
春に愛された苺は冬のものになり
秋の光だった栗は幻の宝石のようになった
冷たい海が分からなくなり
海老がこんなところで漁獲される
人間のせいとも言われているが
そんなに驕り高ぶってよいのだろうか
そんなに力があるのだろうか
汚染や害を広げることに長けているのは間違いないが
星一つを
壊すような生き物ならば
そのうち星自ら浄化することだろう
楽しみだ
それを楽しみにする以外に
どう生きれば良いのか分からない
絶滅などと無縁そうな私が
星に片付けられるのを
体験したかった
まだ
星は
我慢するらしい
その我慢強さも分からない