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保育士の職業病~腱鞘炎~

3月上旬から右腕が痛いなぁと思っていたのだけど、そのうち治るかもしれないと思って様子をみていた。

もみほぐしにいった時には、「筋肉痛じゃないですか?」って言われてたし。

もみほぐしや美容院など、必要のない時には、保育士であることは明かさない。
「保育士さんなんですね~、大変ですよね~」と軽く言われるのが面倒だからだ。
保育士の何のどの部分を切り取って大変だと言っているのか突っ込みたくなるし、もし保育士の仕事について誤解があれば訂正せねばならない。

おそらく、自分も思い込みで逆を山ほどやっているのだろうけど。

筋肉痛と言われた数日後に、里山整備をした。
がむしゃらに全身を動かした日は、少し軽くなったような気がした。

そこから怒濤の年度末と新年度を迎え、一度回復したと思われた右腕は、再び痛みだし、痛みかたも悪化していく一方だった。

保育士歴 約10年。

ほとんどが乳児クラスで抱っこも多いけど
ここまで腕はなんともなく仕事を続けることができた。

腕が痛くなったこともあったと思うけど、一時的なもので、今までは回復していたのだと思う。

残念だけど、約10年使い続けて、
自然回復力が落ちてきているのだと思う。

1ヶ月以上痛みが長引くし、ようやく時間的余裕が取れたので、整形外科を受診してきた。
ネットで調べたところ、腱鞘炎の可能性が高く整形外科を受診するよう書かれていた。

行ったのは初めての整形外科。

ネットの評判は、よいという人と悪いという人と半々。
腕は良いようだけど、人の訴えを聞いたり、痛みに寄りそったりする点においては、評判が良くない。

一定の覚悟はあったつもりだった。


受付で交通事故でないこと、仕事でのケガではないか確認されて診察室へ。
問診票には職業欄があって、一応、「保育士」と書いた。
仕事でのケガではないけど、長引く要因は仕事だと思ったから。

問診票を見ながら触診される。

痛いところを伝えたら、皮膚にボールペンで×印と線を書かれた。

「保育士ね。腕、使うから仕方ないね。」
「保育士は膝とか腰とか痛める人が多いんだよ?」
「そろそろ仕事を考えた方がいいよ」
「長く勤める仕事じゃないでしょ?」
「あなた、真面目だからそういうことになるのよ」

そんなようなことを方言で言われた。

とても傷付いた。
悲しかった。

特に最後のは、初めて会った人に何が分かるの?って感じで。

もちろん仕事が大きな要因だろうけど、
スマホの使いすぎなど別の要因もあるだろう。
(noteの見過ぎとかね。笑)
職業欄に保育士って書いてあると決めつけられるよね。

膝と腰は、1年目の夏に痛めて、接骨院に行った。
「重いものを持ったり、急に立ち上がったりしないように」と言われた。

いや、無理です。
子どもは重いし、急に駆けつけなくてはいけないこともいっぱいある。

膝も腰も1年目はついてこれなかっただけで、
筋力がついたのか、それ以降はなんともない。

かつて、クラス担任ではない保育士(フリー)をしていた時。
胸が痛んで、慌てて乳腺外科を受診したら、大胸筋の筋肉痛だったということもあった。
パソコン作業が急激に増えたことが原因だったらしい。


「右腕の方が腫れてるでしょ?ほら?見て分からない?」
「・・・分からないです」
手首側から見るのと、肘側から見るのと違う気がする。

「触っても太さが違う」
先生は両手を使って、左腕と右腕を触り比べて言う。

私が「はぁ、そうですか」みたいなぬるい返事をしたら、
「触り比べてみなさい」と方言で言われた。

右手で左腕を握らされる。
左手で右腕を握らされる。

よく分からない。
同じ手で触ってないんだから、比べようがなくない?

レントゲンを撮って、腱鞘炎だろうということになった。
左腕や足にも痛みが出たり、寝起きに強張ったりするとリウマチなど他の病気の可能性もあるとのこと。

湿布と薬で治れば腱鞘炎。
治らなければ他の可能性を考えるということになった。

腕に書かれた×印と線を見ながら腱鞘炎ではない可能性もあるのか、と気持ちが沈む。

リハビリ室に移動して、ストレッチの方法を教わり、電気を流してもらう。
痛みがあるけど、強く揉んでいいらしい。

リハビリの先生は腕の×印と線を見て、「派手に書かれましたね」と笑ってくれた。
ここの病院ではあるあるらしい。

笑ってくれたことで気持ちがほぐれて、なんだかホッとした。

「こっちも書かれたんです」と苦笑いしながら手首側も見せる。

電気の吸盤を装着してもらい、保冷剤を温めたようなもので腕全体を包んでもらう。
あったかくて気持ちいい。


このリハビリ室があるなら、通ってもいいかも。

10分電気を通すと体も心も少しずつ軽くなった気がした。




相手の立場になって考えること、相手が見えているもの触れるものを考えながら発言すること。

保育の仕事にも通じていくと思う。


仕事に対するプライドも人それぞれ。

私は、一時期、「現場を離れたい」って思っていたけど、少し前にきっかけがあって方向転換した。
もうちょっと現場を続けるつもりでいる。


相手の気持ちや立場を考えて行動していきたいと思った。








おしまい





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