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「ギー」の作り方と使い道。

黄金色に輝くギー


ギーを食べた、または作ったことがおありだろうか?

のちほど紹介するが、無塩バターを熱していくと水分やタンパク質などの不純物が出てくる。これらを濾すと上の写真のようなきれいな色のギーが出来上がる。

ギーはインドの伝承医学アーユルヴェーダにおいて切っても切り離せないアイテムのひとつ。
かくいう私もアーユルヴェーダを学んでいるひとりだが、ギーは切らすことなくこれまでに何度も作り続けてきた。

今回は、写真付きで作り方を順に追ってみようと思う。


①無塩バターを用意する

200g×2個

人によってはグラスフェッドバターとか、どこどこのメーカーがよいというのがあるかもしれないが、私は特にこだわっていない。

どどん!と投入。

鍋はほうろうやステンレスなどがおすすめ。
これは普通のステンレスの鍋である。
私はギーに余分なにおいなどをつくのを防ぐため、この鍋をギー専用鍋として使っている。


②無塩バターを溶かす

一番のポイントは、焦がさないこと。
私は作りながらほかの作業をすることが多いため極弱火にしているが、ずっと付きっ切りで作るのであればもう少し強くてもいい。
とにかく焦がさなければOK。

あっという間に形を失っていく
バター沈没。
バターが溶けてくると細かな白い泡が出てくる。
細かな白い泡の面積が広がり、密度も濃くなってくる。
全面、白い泡。

さて、煮ている間に少し考えてみよう。
この白い泡に最初に述べたように無塩バターの中に含まれていた水分やタンパク質が含まれている。
火にかけることでこれら水分やタンパク質からなる”不純物”をあぶりだし、最終的に濾して純粋なオイルだけを抽出する。
これがギーが「澄ましバター」といわれる由縁である。

泡に膨らみが出てきた。

不純物がないため、常温で保存が可能。
清潔なスプーンを使ったり、しっかりふたを閉めて水分やゴミが入らないように上手に使っていれば大丈夫。
今までの経験上、真夏の35,6度になる真夏の室内でも夏を越せたし、
冬場に至っては3か月以上持ったこともある。

濁った黄色

ギーを作るとき、混ぜるか混ぜないか迷われることもあるかもしれない。
私がこれまで学んだやり方を総合すると、結局どちらでもよいのではないかと思う。(個人的には出来上がりの味にはさして変わりはないような気がする)

今回は途中でギーの状態を確かめたいので、混ぜるやり方でいってみよう。

さきほどより、やや泡のもっちり感が増した
透明な泡が増えてきた
掬ってみると、先ほどより濁っていない

混ぜる作り方のメリットは、こんなふうに途中でギーの濁り具合を確認することができる点にあるかもしれない。

透明な泡が増えてきた
だいぶ澄んで、レードルの底もよく見えるようになってきた

さあ、そろそろフィナーレ!

白い泡が端の方に追いやられ、透明な泡ばかり・・・
透明な泡のなかに、時々大きな泡が現れるようになる
最初に掬った時よりずいぶん透き通った
透明な泡が消え、細かい泡が前面に出てくる

このへんで火を止める。
ここまでくると、おそらく香りもコクがあっていい感じのはず。

レードルで白い泡をそっとよけてみる

鍋底に不純物が沈殿し、なおかつまったりとした甘い香りがし、色も透き通ってきれいな黄色~黄金色になっていれば、上手にできたサイン。


③保存容器に移す

ペーパーを凹まして、瓶の下から輪ゴムをするとやりやすい


不織布のペーパーを瓶やほうろう容器などにセットし、輪ゴムで止める。(事前にやっておくのがお勧め)

そしてレードルで注ぎ入れる。
または鍋に注ぎ口があれば鍋ごと流し入れても可。
厚めの不織布ペーパーで濾すことで、不純物が入らないようにする。


濁り無き美しきギー、誕生。


作ったギーの使い道だが、
・トーストに塗る
・カレーなどスパイス料理に使う(一気に本場インドの味になる)
・和食に使う

などなど、和洋印問わずいろいろ使える。
たとえば、私がよくやるのは、味噌汁+ギーのコンビ。

ティースプーンに軽く一杯

えっ???と思うかもしれないが、味噌ラーメンにはバターが浮いているではないかというのが理由である。味噌とバターはいいコンビ。

私はたいていパンの時でもご飯の時でもお味噌汁をいただく。
自分で作ったお味噌のお味噌汁の時もあるし、インスタントのときもある。

ギーを加えると、適度な油分がお味噌汁にまろやかさを加えてくれる。
さらに、そこに七味唐辛子や黒胡椒、生姜などを加えるとピリッとして朝の寝ぼけた体がシャンとするので、朝はちょっとスパイシーにするのもいい。

あともうひとつ好きな組み合わせは、”ギーと麺つゆ”。
きんぴらごぼうなど、オーソドックスな純和風常備菜の油をギーに変えるのもなかなか趣向が変わって面白い。
興味のある方はお試しあれ。


作ったら日付を記すのもお忘れなく


実はアーユルヴェーダでは、ギーは消化がよく、すべての油の中でも最良の油ともいわれている。
食用だけでなく、体に塗るオイルやお薬の材料としても使われるくらい万能なのだ。

とはいいつつもやはり油なので摂りすぎには注意が必要なので、自分に合った使い方を見つけるのがよいと思う。



以上、今回はギーの作り方とその使い道についてご紹介した。
ギーを作るポイントは2つ。
焦がさないようにすること、そしてよい色と香りがすること。


あなたも”ギーのある生活”、はじめてみてはいかが?









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