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《中学時代の記憶》さくらももこさん〜家庭〜長寿について。

私が中学の頃か。
ちびまる子ちゃんでおなじみのさくらももこさんが「もものかんづめ」というエッセイを出した。
あの後も「さるのこしかけ」とか「たいのおかしら」とか何冊もエッセイを出された。

あのエッセイシリーズは割りとタイムリーに読んでいて、不快感があったことを記憶している。

作品にだけではなく、作品に対する批判にも。

(作中の文章は完全にマンマではありません。❝〜といった旨の❞くらいに捉えてくださるとありがたいです。)


あれらのエッセイのなかで、さくらさんは「ちびまる子ちゃんに出てくる祖父母は私の❝理想❞です」と語り、実際の祖父母は漫画やアニメのあんな「孫に甘いおじいちゃんと優しいおばあちゃん」ではなかったそうだ。

エッセイ内でキッツい性格だった祖父の葬儀を独特のユーモアで描写したため、批判がかなりあったそうだ。



当時の私のなかで、ちびまる子ちゃんは「家庭内に逃げ場のある子ども」だったけれど、実際のさくらさんには「家庭内に逃げ場はなかった」ように感じていた。


実は私のハハがちびまる子ちゃんが大嫌いで、テレビを指差しながらボロクソ言うものだから、中学生の私でも「この人のナニカに触れるものがあるのだろう」とちびまる子ちゃんを分析していたのだ。

ちびまる子ちゃんは核家族ではなく大家族の次女である。

そして、母親に叱られるとおじいちゃんのところへ行き、なぐさめてもらったりオヤツをもらったりする。
酷ければおじいちゃんを使って企みまでするが、バレてしまうのがお決まりのパターンのようだった。

私のハハも大家族の次女だったが、祖父は早くに他界しており、嫁いびりの激しい嫌な祖母と自分の母をイジメる小姑たちに囲まれて育ったらしい。
おそらくは、自分に無いものがテレビに映っていたということなのだろう。


2018年にさくらさんはガンで亡くなった。

私にはこの頃の記憶はハッキリとはないのだが、「まだお若いのに」と思ったように薄っすら覚えている。
私の記憶がハッキリし始めるのは2019年からで、それまでは解離しまくりの穴だらけスッカスカ日和だったのである。


エッセイの中でさくらさんはよく母親に泣かれる。

「怠けてばかりいないでしっかりしておくれ!」
みたいな感じでよく急かすように泣かれたようだ。


何となくこれを読んだ中学の私は、
「オヤに泣き落としかけられるの困るんだよね…
ホントどうしてやればいいのか悩むよね…」
と同情に近い感覚を持っていた。

私と違う点は、さくらさんは「怠けたいから怠けていた。怠けているだけなのに母は泣いた」と、「自主的に怠けていた」点だ。

(私は怠けてはいなかった。
全速力がそもそもゆっくりだった。
必死に頑張りまくって、ようやく人並みだった。)




私は30代に入ってから、パーソナリティ障害、発達障害、愛着障害など自分の治療に役立ちそうな本を読んでいった。


そして、「不適切養育」「機能不全家庭」「虐待」へ辿り着いていった。

「PTSD」という概念も手に入れた。


そして、この旨の文章を目にした。

アカゲザルを使用した動物実験で模擬的に「不適切養育」をした際、アカゲザルの仔は命を落とした。

虐待を受けて育った人々を追跡調査したところ、短命な人が多いとわかった。



これらの文言を見たとき、私自身のことより先に何故か「さ…くら…ももこさん…」と口から出てきた。

決して彼女を被虐待児だなどと言うつもりはない。

ただ、あのエッセイ本たちからは何処となく「不適切養育の我が家」や「どっかで聞いたような話」がポワンと浮かぶところもあり、私にとってかなり長い期間気掛かりだったのだろう。

泣き落としにかかる母親、意地悪な祖母、キツイ性格の祖父、酒好きでのほほんとした父。

………………。


彼女はガンで亡くなったんだ。わかってる。

(姉は母親に気に入られていたようだ)




先々月、サバイバーでもあるご近所さんと話をしていたとき、彼が
「介護されるまで長生きしたくない」
と言っていたので、
「そこまで長生きできないと思うから心配いらないよ」
と…言えなかった。

言えない…。

言わなくていいし…。



自分の寿命は家系的には長い。

単純に「ド金持ち」だから。
「何かあったとしても、お金でなんとかなるさ♪」
は精神的な安らぎをもたらすらしく、やっぱりご長寿なんだよね。
実際、延命もお金をかけることができる。
ただ、延命措置をしなくても健康で長寿だ。
食べているものが上質なのでトランス脂肪酸なども極力少なくて済むし…
ベッドも上質だし…


まぁ100歳近く生きることが当たり前になりつつあるなか、90代後半まで生きることが長寿と言えるかどうかも「謎」だが…。


自分がもし常に金銭面の不安を抱えた生活や、常に怯えている状態の生活を続けたら、たぶん短命なんだろうな〜と、ぽや〜んと思っている。

心理学とか医学とかではなく、別の分野の本で「生き物はその種にもよるが、一生で打てる心拍の数がだいたい決まっている」という話を読んだことがある。

ゆ〜っくりした心拍の動物は長生きで、
はやい心拍の動物は短命だと。

早い話が、カメさんかネズミさんかみたいな話だった。


…それ言われちゃったら、私ほとんど心拍打ち尽くしてる気ぃするんだけど。


過緊張、いつもビクビク、あはは…。


しかも好んで運動しちゃうし…。





アニメで親しまれているちびまる子ちゃんは、あくまでもさくらさんの理想を描いたもの。


あのエッセイには「文面や人を通じてやり取りした際、実際の私との間にギャップができる」といったことも書いてあった。
出版社の方とのファーストコンタクト時に、さくらさんは
「なぁんだ、フツーの人じゃん」
みたいに拍子抜けをされたらしい。


これは私もよく体験する。

新しい職場など、事前情報が他スタッフまで回っていると「どんなエキセントリックな人が配属されてくるの!?」とビビられてしまう。

ある種の障害者雇用あるあるかもしれない。

自分自身で売り込みに行く際にも事前情報は少し渡すわけで…。

初対面で、

「なぁん、フツーの人やん」

言われます。

文面に嘘は一切ないのだけど。



(そもそも、口で言うより文章やイラストのほうが都合のいい話なんて、過激寄りに決まってんじゃないの〜)




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