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伸びる漫画とは何なんだろう。面白さとは何だろう。

高校の頃の友人から久々の連絡があった。
漫画家志望だった友人。
数年ぶりの近況報告。

今も漫画家の道を歩んでいて嬉しかった。
自分も自分の道を頑張ろうと思えた。

ちょっと漫画と面白さについて考える。

・・・

漫画家とか小説家とか、おおよそ就職と呼ぶものではない創作系の仕事の類のものは、仕事に対するテンプレがない。ないというよりテンプレを使わない。使わないというか使いたくない。オリジナリティーを出したいというエゴであると同時に、出さないといけない宿命でもある。そこに建築家を目指す身として一方的かもしれないが共感できて、自分ごとのように全く異なるジャンルのことを連絡後ずっと考えていた。

それは売れる漫画と売れない漫画の差はどこにあるのかということ。


1.5 | 感想に悩む


友人の漫画を読んで、そんな嫌われるような失礼な疑問が浮かんでしまった。
正直すごかった。こいつがこんなに漫画描けるようになったんだと感心した。読み切りの漫画をジャンプルーキーというサイトに投稿していて、読ませてもらった。いくつか最近のものを読んだ。

正直できていて見栄えもするし、問題はないように思えた。一方で何か物足りなさがあったのも正直な話だ。感想を頂戴と言われたので、ちょっと一読者としてではなく、批評家気取りになっていたのかもしれない。有名ではないから下にあるものとして見てしまったのかもしれない。

それにしてもなんと感想を言おうか。単に面白かったといっても嘘っぽいし、ここをあーしたらいんじゃない?などの提案は素人に言われたくないだろうし、あの漫画に似てるねとか分類するのは違うし、なんと感想を告げればいいかわからなくなった。

ちなみにバトル系の漫画をいくつか読み切りで描いていて、作画は別の方が担当して友人は原作担当。ストーリーやセリフ、コマ割りなどを考えているようだ。なのでそこに焦点を当てて考えてみようと思った。考えたけど客観的に見て、どれもやはり編集者気取りの素人アドバイスになってしまっていて静止した。

というか感想を求めていたのであって、アドバイスが欲しいわけじゃないないかとようやく気づいた。「それってあなたの感想ですよね。」ってひろゆきさんが言うように、たぶん自分のアドバイスみたく言う話も感想なんだと思うが、アドバイスとか正論とかまるでそれが真理かのように話す感想はタチが悪い。

なので初めの素朴な感想をそのまま伝えようと思った。
「面白かった。すごかった。感心した。でも何か物足りなかった。」


2 | 面白い漫画から


今度はこの「何か」物足りない、「何か」とはなんなのかを考えようと思った。
物足りないとはいったが、カレーのスパイスみたく足すものなのかどうかは不明だが、漫画全体、漫画自体がどうだったかを考えようと思った。漫画のディテールに関しては口を挟んでも仕方ないと思った。

自分が読んできた漫画について考え出した。
・話題に取り上げられる漫画
・アニメ化されている漫画
・(ちょっとエッチぃ漫画)
・評価の高い漫画
・検索上位の漫画
原石を見つけるような視点で漫画を見ていなくてびっくりした。面白い!として上がってきたものに面白い!と同調しているに過ぎなかった。

ではこれらに共通点はないか、AmazonのPrimeVideoをよく見るので、そこでアニメ化されている漫画の例を挙げて考えてみる。最近のものに限って挙げてみる。
・チェンソーマン
・ぼっちざろっく
・ブルーロック
・アオアシ
・呪術廻戦
・ヒロアカ
・弱虫ペダル
・王様ランキング
・Dr.STONE
・よふかしのうた
・その着せ替え人形は恋をする。
・SPY FAMILY
・ジョジョ ストーンオーシャン

見つけた共通点の1つ。
見たことないストーリーであること。新しさがあること。ただストーリーという点では、友達の漫画も見たことなかった。正確にはストーリーではなくストーリーの構図だと思う。


3 | 抽象した時の新しさ


年を重ねるにつれて、いろんな漫画やアニメ、ドラマ、映画を見てきて、僕たちはあれに似ているこれに似ていると自然に思う。見たことあるので次の展開が予測できる。ストーリーは初見なのに、予測ができておおよそその通りになってしまう。それはストーリーを抽象化してストーリーの構図を見ているからだと思う。それが同じだから既視感を覚えるし、面白くなくなってしまう。だからそれをカバーするためにエロさとか残虐性を盛り込んで、本能的な衝撃を与えたりする。でもこれも同じ展開ばかりでは飽きてしまう。

既読の漫画のアニメを見ると、ちょっと退屈なのもその新しさが薄まるせいかもしれない。ぼくの場合、ONEPIECEがそれに当たる。単行本は全部持っていて読み返しているが、アニメはほぼ見ようと思わない。読み返すのも、内容を忘れかけた時や誰かの考察動画を見た時で、常に新しさ・新しい発見を伴う。

抽象と具体の段階にはレベルがあって、
❶ストーリー>❷展開・構成>❸メッセージ性>❹コンセプトキーワード
の順に抽象化できると考えている。❶は漫画の話を要約したときに出てくるもの、❷は例えるなら起承転結みたいなもの、❸は話全体を通じて現実に持ち帰れる教訓てきなもの、❹ジャンプでいうところの勇気・友情・勝利のような要素。

さきほど例に挙げた漫画のほとんどは、❶❷❸❹すべて新しいように思う。


4 | 新しさの憂鬱に


ただ厄介なのは新しさが読者(受け手)次第なこと。どんなコピーや受け売りのものでも初めての人にとっては素晴らしく感じるし、どんな新作や未発表のものも受け手によっては陳腐なものに感じる。じゃあ書き手にはどうしようもないので新しさについて考える必要がないかというとそうではない。書き手自身やその周辺の人のチェックを貰えばいい。特に漫画の編集者や漫画家は、膨大な漫画や資料を読んでいるはずだからそのフィルターを通して新しければ、きっと大体の人にとって面白い。

そんな新しさを発想するには、知識や経験とアイデア、それらの構成力が必要になる。その構成にテンプレや常識を使わずに、自由に組んでみる。

noteやYoutube、建築やデザインにも通ずるところがある。
新しいことというのは多方面で頭を悩ますが、挫けず挑戦し続けたい。


#日記
#考える
#問い


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