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情景234.「乳白色のレンガ」【掌編小説 at カクヨム】

今回ご紹介する掌編小説は、カクヨム投稿の『あなたが見た情景』から「乳白色のレンガ」です。

お菓子作りに初挑戦。
バターと砂糖の量に最初はビビりつつ、食べるのは一瞬。
「大丈夫。すぐに慣れるから」
……何に?

そういえば、先日はホワイトデーでしたね。
最近はバレンタインもホワイトデーも、形式ばった「お菓子を渡す日」というより、その日にちなんだアクティビティで、その日自体を楽しむような、そんなコト発信的なイベントでゆるふわに親しまれている感じがしますね。

バレンタインは女子が気になる男子にチョコを渡して、男子はその日こっそりソワソワしていて……という王道オブ王道な日でありつつ、バレンタインにちなんで友達同士でチョコを渡しあったり、友達や家族でちょっとリッチなチョコを買ったり作ってみたり、それっぽく過ごしてSNSに投稿……!的な。

これはこれで面白い変化だなって、なんとなく感じています。

ちなみに前にいた会社では、半ば社中行事と化していたバレンタインとホワイトデーが、コロナ禍を経てとうとう消滅したそうな。
バレンタインの際にもホワイトデーの際にも買い物に駆り出されていたかつてを思い出します。
それが良い悪いというよりは、そういう変化が起きているってことなんですねぇ。

ところで、お菓子作り、されます?
私は料理をたまにするのですが、お菓子作りは領分が別というか、なかなか踏み出せないでいます。
フライパンは手に馴染むのですがオーブンはあんまり使いこなせない自分……。
ただまァ、まったくやらないわけではなくて。以前クッキーを作ったときのことを思い出しました。

正しい材料、正しい分量、正しい混ぜ時間、型を取り、オーブンへ突っ込み……完成!
レシピとにらめっこしながら、まぁまぁ美味しいクッキーが作れました。
そう。作れました。
それはいいんですが……。

正しい分量、なんですよね……。
そう、正しい分量。
正しい分量のバターと、砂糖。

……多くない?

本当にこの量で合ってる?
バターと砂糖こんなに入れんの?

と、思いながら砂糖をバターにざざーっと降らせていた経験をそのまま情景に落とし込んだのがこの『乳白色のレンガ』です。

ともあれクッキーは美味しかったです。
ホワイトデーそんな情景をひとつ。
お楽しみください。


あなたが見た情景』は、目の前の景色を眺めるように情景を思い描ける、ちょっとしたお話のあつまりです。

どこからでも何話からでも好きなところから読みはじめて大丈夫。
気になったタイトルをひらいてみてください。



最後までお読みいただきありがとうございます。 今後も皆さまの読書体験に貢献できるよう活動を続けてまいります。