情景109.「二個のマグカップ」【掌編小説 at カクヨム】
今回ご紹介する掌編小説は、カクヨム投稿の『あなたが見た情景』から「二個のマグカップ」です。
コップとか、パソコンとか。
そういう無機物を指して「この子」と呼ぶ。
そんなクセが、私にはある。
なんででしょうね。
いつからかはもうわかりませんし、なぜなのか、きっかけはなんだったのかももう思いだせません。
ただ、すごく馴染むんですよね。
“この子”呼び。
なんなら、“このコ”くらいのカジュアルなニュアンスで呼んでいます。
なんだか、所持物というよりも、仲間のひとつみたいな。
そんな感覚を接しているのかもしれません。
……なんて言ったら、格好がつくのかな?
ほんと、実際のところは雰囲気やノリの行動なのでよくわからないのです。
さて、今回の情景の話です。
モノに触れてそれがきっかけになり、印象深い出来事を思い出してしまう。
よくあることですよね。
それにしても、カップル同棲時代思い出のマグカップか。
どうなんでしょう。
もし片割れが去ってしまった後でも、捨てられずに置いてしまうものなのでしょうか。
普段使いしようにも、当時の思い出がよぎってしまうから、せめて普段は見えないところにやってしまって、そのままどこにしまったか忘れてしまう……みたいな。
結果、ほんのり切なさが漂う情景になってしまったのかもしれませんね。
ちなみに私は普段使いするタイプ。
ともあれ、思い出が交差する情景。
お楽しみください。
『あなたが見た情景』は、目の前の景色を眺めるように情景を思い描ける、ちょっとしたお話のあつまりです。
どこからでも何話からでも好きなところから読みはじめて大丈夫。
気になったタイトルをひらいてみてください。
最後までお読みいただきありがとうございます。 今後も皆さまの読書体験に貢献できるよう活動を続けてまいります。