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また、忘れられない夜
ああ、この人だ。
何度目かの''運命''を感じた夜だった。
今月、頑張れば店舗売上TOP3も狙えるところまで来ている。
でも、最も売れる土曜日が公休だったこともあり、少し雲行きが怪しくなってきた。
周りは10年以上販売をしているベテランばかりなので、張り合うなんて烏滸がましいにもほどがある。
でも、やっぱり自分を認めてもらうには、目に見える結果が欲しい。
正直、勝手に追い込まれている。
早く結果を出さなければ。
うまくいかない現状に、心が折れそうだった。
好きな人との締め作業。
自分の感情を抑えることができず
''しんどいですー''と嘆いた。
もちろん、本当に辛い時は1人きりで抱え込むタイプの人間なので、あくまで人に見せられる程度の凹み具合。
''明るくなんてないんですよ、わたし。根暗なんで。落ち込む時だってあるんですよ。''
''何さっきから1人で喋ってるの(笑)もはやうるさいまであるな。元気なくなったらhnさんの良いところ何もなくなるよ。''
''え?!ひどくないですか?パワハラですか?!''
''それだけうるさかったら、元気なのかなと思うよ(笑)''
こういう言葉のかけ方も、彼なりのやり方なんだろうな〜と思うくらいには
わたしたちは仲良くなれていると思う。
彼の方が少し作業が長引きそうだったので
''わたし、入金して先帰りますね''
と声をかけたら
''え、帰ろうとしてるじゃん。俺ももうすぐ終わるよ。''
ええ〜〜ちょっと一緒に帰ろうとしてる〜〜!それだけで嬉しかった。
外に出ると、雨も上がり程よい気候。
''気持ちいいね〜''
''お散歩しますか!''
''禁酒中じゃないの(笑)''
''お酒なしで!''
''そしたら、コーヒーでも飲みに行こうよ''
彼とやってみたかった''夜カフェ''が思いがけず実現することに。
いつもご馳走になってばかりなので、今日はわたしがご馳走した。
彼との会話はあまりにもテンポが良すぎて、話題の数が凄まじい。
解散してからすぐnoteを書きはじめたのに、何を話したか全部は思い出せない(記憶の問題…?)
''わたし、土曜日の休みは要りません''
''土日休みでも、どこも行けないしね〜混んでて''
''平日休みだとイベントとか行けないっていうデメリットはありますけどね''
''確かに、蚤の市とかは絶対土日だもんね''
そこから、好きな家具屋さんの話になった。
''わたし、鎌倉に大好きな家具屋さんがあるんですよ''
''待って、知ってる気がする''
''え、せーので見せましょう!''
答えは同じだった。
その後も、お互いの好きな家具屋の話をしたけれど、大半が同じお店だった。
''わたし、いつかこのベンチが欲しいんですよね''
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''あージョージナカシマね''
ねぇ、なんでちゃんと知ってるの、、
その後も、ジャンヌレの椅子や、天童木工、カリモクの話で盛り上がった。
''結局は、いつかYチェアとかも欲しいよね''など。
そういえば、''運命''を強く感じた瞬間を覚えている。
彼のスマホの待受がちらりと見えた時。
彼の待受は、わたしが一番好きな画家、マーク・ロスコの絵画だった。
思わず
''え、それマーク・ロスコですよね?!''
と興奮気味に声を上げてしまったな。
こんなにも感性が近しいことがあるのだろうか。
きっと、彼とわたしは同じ解像度で世界を見ている。
だから会話のテンポが合うし、何を話題にしても通じ合う部分がある。
わたしは、彼を先輩のままにはしておきたくない。
友達、にも勿体無い。
彼と一緒に過ごしたいという気持ちが、日に日に大きくなる。
''わたしたちって、結局1人じゃないですか。二つの目しかない。見聞きできること、体験できることには限りがあると思うんです。
だから、自分が経験できない世界を教えてくれる人がパートナーだったらいいな、って友達と話したんですよね。''
これは、わたしが最近思うこと。
パートナーに求める条件。
''hnさんはやっぱり聡明だね。''
聡明、だなんて初めて人から言われた。
美しい言葉を使う彼に、ますます惹かれてしまうよ。
彼のおかげで落ち込んでいた感情もすっかり晴れていた。
元気にお別れをして帰路に着くと
''お疲れ様。誰よりも頑張ってるんだから、頑張るのもほどほどにね!''
とLINEのメッセージ。
あたたかい、、、
これは''運命''だと思う。
でもその先が、''恋人になる''とか''結婚''なのかはわからない。
そうでなくてもいい。
ただ、どんな結末を迎えても、
この出会いは''運命''だったと優しい気持ちで受け止めることができる気がする。
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