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3バック?4バック?川崎フロンターレ対サガン鳥栖戦(4月7日)<1>

今日はまた2週間近く前になってしまった試合のレビューを。4月10日の川崎フロンターレ対サガン鳥栖戦。

あれから多摩川クラシコあり、サガンはグランパス戦での勝利ありでやっぱりずいぶん前の出来事のような気がする・・・・。

スターティングフォーメーション

 スタメンは以下の通り。フロンターレは三笘薫と家長昭博を先発から外した。サガンのフォーメーションは『サッカーダイジェスト』から取っているが、実際にはこの形にはならなかった。詳細は後述する。

スライド1

 かみ合わせてみるとこんな感じ。

かみ合わせ

このかみ合わせはサガンにとっては難しいマッチアップになる。

スライド2

 まず、サイドの両ウイングにスペースができてしまうので、ウイングバック(DAZNでは「サガンでは『ウイングバック』と呼ばずに『ウイングハーフ』と呼んでいる」という解説があった)が最終ラインに下がってきて5バックになってしまう。

 一方、逆に中盤では人が余っている。なので、最近のフロンターレの基本攻撃パターンである、最終ラインから中盤を迂回してサイドを攻めていく形に対処するのが難しいかみ合わせになってしまっている。

 なので、守備時と攻撃時(ボール保持、ボール非保持と言う言葉を使わないのは私なりのこだわりがあったりします(笑))ではフォーメーションは変わっていた。

守備時のフォーメーション

 まず守備時。

スライド3


 1列目と2列目までで4人と言うことになるのだが、1人が中盤に落ちて最終ラインの前に横に4人並ぶラインを作る。

 2列目までの3人はフロンターレのセンターバック二枚とアンカーのシミッチのマークにつく。以下の二枚を見てもらえばフロンターレがビルドアップするときのサガンの守り方がはっきりわかると思う。

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 フロンターレがサイドを攻める場合は、ウイングハーフがボールホルダーをマークする一方、他の選手はあまり食いつかずに、ハーフスペースに並んでカベを作る。そうすることで、サイドから中央へとボールが運ばれるのを防ぐ。

スライド4

 この写真はフロンターレが左サイドを攻めている。脇坂がドリブルで攻め上がっているのだが、サガンはライン際に追い込むように守っている。

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攻撃時は4-2-2-2

 サガン攻撃時は4-2-2-2。中盤に8人のボックスを作る。サガンは、このボックス内をX字状にパスをつないでビルドアップしていった。

 サイドバックはビルドアップの局面に応じて上下し、マーカーを引きつけ、ボールの逃げ場を提供する。

スライド5

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 フロンターレは、このサガンの攻守のシステムに手こずった。サイドを攻めても上手く中央にボールを運べず、中央でボールをクロスさせながらビルドアップするサガンを上手く捕まえきれなかった。

 そこで飲水タイム後は、裏のスペースを狙うことが増えた。前半も30分以後、少なくとも3回、裏のスペースを狙ったロングパスで攻めている。

 特にサガンの守備のキモはハイライン。裏のスペースはキーパーの朴一圭がカバーするから、裏のスペースは攻めどころではある。

裏攻め

 この試合の帰趨は、結局後半になってサガンに退場者が出てしまったことによるものだが、それもこの裏へのロングパスによるものだった。朴が上がっていてゴールマウスを空けていたとき、ダミアンにロングパスが渡り、ロングシュートのチャンスだったときにセンターバックの田代が手で止めてしまったことによるレッドカードだ。

 このあたり、フォーメーションというより、サガンの志向するサッカーが構造的に抱えている弱点ではある。そこをフロンターレが再三突いて、その結果として退場者という結果に結びついたということだろう。逆に言えば、わかっている弱点なので、サガンとしては警戒はしていたが、あの位置でのファールでレッドカードが出るとは思っていなかったと言うことでもあるのだろう。

 次回はボール奪取マップを見てみる。

(続く)


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