東京への憧れ
ここ最近、月一で長野に行っている。
その道中の車内でそれぞれ親子の会話が印象的だった。
どちらも5歳、3歳ぐらいの男の子兄弟がいる親子の会話。
全く違う親子なのに、話している内容には共通のテーマがあった。
それが、“東京“だった。
おれ、大きくなったら東京に行く!
先月は、特急あずさに乗っている5歳と3歳ぐらいの男の子の兄弟がいる家族だった。
上の子が、外の景色を見ながら東京はどんなところなのかなぁと話していた。
ここからはあまり正確には覚えていないが、
じいちゃんが『東京は都会だぞ〜。人がたくさんいるところだ。』といろいろ話をしていると、すかさず上の子は
『俺、おっきくなったら東京に行く!』
と言っていた。
自分の知らない世界に対して興味や関心が湧くよは当然の事だ。
だけど、なんだかその場にいた家族が、顔は見れていないけれど心なしか少し寂しそうな感じがしたのは私だけだろうか。
少年よ、まだまだ君には時間がある。
長野のいろんな世界や、豊かな自然やあったかい人たちに触れて多くの経験を積むが良い。
と、どの立場か分からないが、じいちゃんの代わりに心の中でささやいていた。
東京はもっとたくさん人がいるの?
今月出会った親子は、中央線(甲府行き)に乗った3人の親子。お子さんは同じく5歳と3歳ぐらいだったように思う。(最近ぱっと見で子供の年齢がわからない)
乗車率は低く、ちらほら空きがある車内で、少しイカつめのお父さんは『東京は通路のところにも人が溢れているんだ』と話していた。
下の子はまだあまり聞いていなかったが、上の子はよく喋り『東京はもっと人がたくさんいるのかぁ』と頭の中で見たことのない光景を思い浮かべているようだった。
まだ見たことのない世界、東京
私が初めて東京に行ったのはいつだろう。
幼い頃ディズニーランドに連れて行ってもらったり、小学校の修学旅行も東京で、人の多さや都会、日本の中心ということに興奮と喜びを感じたことは覚えている。
やっぱり最先端だし、素晴らしいこともあるけれど、大学4年間も東京で過ごして私が思ったのは『東京には住めない』だった。
満員電車での通勤、隣の家の人がどんな人かもわからない孤独感、『あなたは他人なのであなたのことは知りません』というような独特の空気を感じてしまった。
ここで言いたいのは、東京が悪いということではなく、東京という場所はそこはそこで素晴らしいけど、合うかどうかは人それぞれだということだ。
私には、たまに見に行くぐらいがちょうどいい。
東京への憧れや興味を抱いた幼い少年たちも、きっといつか東京に行くのだろう。
そして、自分の目で見たときに何を感じるのか。
東京一極集中と言われる現代において、素敵な長野の魅力も忘れないでほしいと心から願ってしまったのであった。
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