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ザッハトルテ

私が習っているフランス菓子店では、師匠が作るのを見て覚えるデモンストレーション形式をとっています。それが1番見ることに集中できるから、とのこと。なので、とにかくよく見て、質問して、忘れないうちに自分で材料を揃えて家で再現します。そして出来上がったものを持っていって合格を貰えるまで何度も作り直します。

毎回、自分でやってみると「簡単に見えたのになぜー?!」と壁にぶつかります。うまくいかなくて何度も何度も作り直し…材料費もかさんで、苦しい。。でも、今までこんなに繰り返し同じものを作った経験なんてなかったので新鮮でした。作っていくものがだんだん変化していくのが分かるんです。

写真のザッハトルテは、初めて文句なしの合格をいただき、師匠が写真を撮ってお店のブログにアップして下さったもの。ちゃんと作られたザッハトルテは、生地に空気を含んでいて食べたときにふわっと口の中でします。表面にかけたガナッシュも均等の厚さで艶がある状態。ここにたどり着くまでに試行錯誤した過程を残しておきます。これからザッハトルテを作られる方の参考になれば幸いです。

<ザッハトルテの作り方の手順とコツ>
1.チョコレートを湯煎で溶かす。
2.バターとグラニュー糖をホイッパーで混ぜる。
3.2.に1.を一気に加える。
4.卵黄を3回に分けて加え、ホイッパーで混ぜる。
5.別のボウルに卵白とグラニュー糖を入れてホイッパーでメレンゲを立てる。最後にゴムベラでかき混ぜ、メレンゲに艶を出す。
6.4.に少量のメレンゲを加えてゴムベラでしっかり混ぜる。
7.薄力粉をふるいながら加え、ゴムベラで混ぜる。
8.残りのメレンゲを2回に分けて加え、ゴムベラで底から返すよう混ぜる。
9.型に流しいれて160℃のオーブンで30分焼く。
10.焼きあがったら粗熱をとり、上からガナッシュをかける。

※温度管理に気を付ける。
・湯煎で溶かしたチョコレートの温度は50℃。温度が高いと3.で混ぜた時にせっかく立てたバターが溶けてしまいます。逆に低いとオーブンに入れるまでの間にチョコレートが固まってしまいます。
・2~9までの過程を手早く行う。もたもたしているとどんどんチョコレートが冷めて生地が固くなってきてしまいます。

※しっかり空気を含ませる。
・2.でバターをしっかり立てることが重要。空気を含んで白っぽくなるまで。立て不足だと焼き上がりの高さが低く、目の詰まった固い食感になってしまいます。
・メレンゲは10分立てでしっかりと立てる。角が固くピンと立つ位まで。

※ガナッシュは一気に流しかける。
・生地の中央真上から一気にかけ、全体に流れるようにする。その後に縁の部分などかからなかった部分に流しかける。
・生地の中央の厚くかかった部分をスパチュラで側面に流す。同じ面を2回以上触らないようにする。スパチュラで撫ですぎるとガナッシュが分離してしまいます。

私はバターを立てるという部分でつまづき、高さのないガトーショコラのようなケーキになってしまい、何度もやり直しました。原因は少量で作っていたから。上手な人なら問題ないと思いますが、少量で作るって難しいのをこの時知りました。少量だとそれだけ空気に触れる面積が大きいので、バターが溶けやすかったり、チョコレートの温度が下がりやすかったりするのです。それまで18cmの型1台分の分量で作っていたのですが、うまくいかないので、試しに師匠が作っていたのと同じ2台分で作ってみたら、それまでの失敗が何だったかのように、焼き上がりの高さのあるふわっとした食感のザッハトルテができたのでした。オーブンにサイズに余裕があれば、慣れるまではある程度多めの量で作るとやりやすいと思います。

ちなみに、このザッハトルテには、ヴァローナ社のカラクという超高級なチョコレートを使用しています。お値段は張りますが、味が断然違うので、チョコレートをケーキが好きな方にはぜひお勧めです。

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