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高血圧の原因とは Part1

塩が高血圧症を引き起こす発端となったのは1953年、アメリカの高血圧学者のメーネリーが行った実験になります。メーネリーはネズミに6ヶ月間、毎日、通常の20倍にあたる20~30gもの食塩を与え、さらに飲み水にも1%の食塩を加えて飲ませました。結果10匹のネズミのうち4匹が高血圧になりました。人間で言えば200gもの食塩を40年間にわたって食べさせた計算になります。

この実験結果から塩こそが高血圧症の原因と導き出されました。しかし通常では考えられない極端な高塩分食を与えた10匹のネズミですが、4匹が高血圧になりましたが残り6匹の血圧は変化しませんでした。

1960年、アメリカの高名な高血学者ダールが日本に高血圧が多いことに注目し東北地方と南日本を対象に、食塩の摂取量と高血圧症の発生率を調べました。その結果、1日平均27~28gを取っていた東北地方は、1日平均14gの南日本よりも高血圧が多いと結論づけました。

しかし、この調査にはいくつか問題があります。まず東北地方は寒冷地域です。寒冷地域というだけで高血圧の原因となります。人間は寒い環境に置かれると、血圧を上げて血液循環をよくすることによって寒さに勝とうとします。また、ダールはこの調査では同じように塩を取っていても、高血圧の人が多い地域と少ない地域があったことが見逃されています。これでは平均値を意味をなしません。そもそも当時は、塩の摂取量を正確に測ることはできませんでした。にも関わらず塩を取ると高血圧になるという理論が独り歩きをはじめ、世界中の研究者が注目するようになりました。

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