見出し画像

本の中で迷子になる

ついこの前10月スタートの手帖をかったのだけど、昔仕事場で手帖は紙かスマホかの話をしたことがあったなと思いだした。

私は根っからの紙派人間です。
手帳も本も日記もメモも紙媒体を選ぶ。
でも「私はサイボーグ的人間です」といえるくらいスマホは常に持ち歩く。見る回数でいえば圧倒的にスマホが多いし、リマインダーやらコピペやら便利な機能が山ほどついていて便利。逆に紙の手帖やメモを四六時中見ているなんてことはなく、紙が「明日15時からプレゼンです」なんて喋るわけもない。コピペもできず一文字一文字自分の手で書かなきゃ終わらない。自分の心許ない自主性に頼り、労力のいる紙媒体より至れり尽くせりのデジタルの1人勝ちのような気がする。

なのに私は紙じゃないと落ち着かない。
ボールペンで紙に書き込む、この手順を踏まないと頭の中の情報がふわふわと浮かんだままのような気持ち悪い感覚になる。一度アプリの手帳を入れてみて使ったことはあるがやっぱり浮ついた気分になって居心地が悪い。メモしたい情報がぽかんと宙ぶらりんになり、中身の伴わない外骨格だけのテキストだけが画面に残る。大切な予定なのにどこまでもフラットでむず痒い。

だから本も紙媒体でしか読まない。
大学の授業で電子書籍で本を読んだがどうにも集中できない。文字の顔だけが頭に入ってきて、心許ない。読んでいた箇所を見失い、ただタブレットの重みだけがある。思えば電子書籍で本を読了したことがない。

じゃあ紙の本のどこがいいのと言われると感覚的で主観的な説明しかできない。

真っ白でなくやわらかな色味の紙。ペラペラとページをめくる感覚。ページの厚み、そして徐々にそれが減っていく感覚。紙をめくった時の乾いた音。さらさらとした紙の感触。そこに根付く中身の感じる文字達。本の中で迷うこともない。

そんなぼんやりとした理由しかない。
けれどやっぱり紙の本じゃないと読む気がでない。もっと理性的に説明しようと頭をこねくり回したがやっぱり出てこない。

そして紙が好きと長々と語っておきながらデジタル日記をかく自分。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?