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『母性』の実母に見る原初的欲求と希死念慮

今回は、映画『母性』で大地真央が演じた
主人公のルリ子の実母について

大地真央、、、懐かしい
あの大地真央がお婆ちゃん役なのが
ちょと不思議な感じがする
因に、御年66歳らしい
そりゃ、私も歳を取るわ。。。。

大地真央と言えば宝塚の男役のトップスター
宝塚ではちょっと異端児だった印象

叔母が宝塚が好きなこともあり
たまに一緒に行く事があった
お姉ちゃんは、まんまとどハマりしたが
わたしはそれほどでもなく。。。

いつのことだろう?
小学生か中学生かだろうか。。。。

wikiで調べたら
1982年にトップスターになり
3年後の1985年に退団している

小学生か。。。。

66歳にしては若いなぁ、、、
戸田恵梨香は34歳だから
親子としては余裕でアリな年齢だし
設定の〝誰もが姉妹に間違える親子〟
にもピッタリだったのはすごい

お姉ちゃんは、、、ちょっと無理か??


大地真央インスタグラムより

私は、戸田恵梨香さん演じる
「ルミ子」の母親役です❣️
少々困難な役で、大変なシーンもありました🔥
娘「ルミ子」を溺愛し、
その娘の子供「清佳」にも惜しみなく愛を注ぐ
一見理想的な母親であり祖母。 
母性とは?溺愛の結果は…
是非、劇場で感じてください‼️

かわいい娘ルミ子とリンクコーデ📷
クランクアップの時…📷

大地真央インスタグラムより抜粋

なるほど、、、溺愛
盲目的にってイメージで役作りをしたのかなぁ
そのせいか、はたまた
大地真央の独特なしゃべり方のせいか

「原作未読ですが、
 全ての元凶はルミ子の実母?」と
題された下のような映画レビューがあった

戸田恵梨香、大地真央、高畑淳子と
三者三様の母親像だが、
私は大地真央が一番怖かった。
常に張り付いたような微笑みと
優しく真っ当で母性に溢れている内容なのに
どこか操り人形のようなセリフ回し。
内面の葛藤みたいなものが全く感じられず、
生活感のない佇まい。
無表情で冷たい戸田恵梨香や
叫び暴れ罵倒しまくる高畑淳子よりも
現実感がなくて内面が窺いしれない、、。
怖い怖い。
にこやかに微笑みながら
なにかとんでもないことしでかすんじゃないか?
とドキドキしてた。

Kazunori Matsudaさんの映画レビュー

確かにと思えるレビューだ
上品で優しい〝理想的な母親〟なのだが
どこか違和感がある

映画でルリ子の妊娠が発覚した時に

自分の中に生き物が存在する。
その生き物はこれから、
私の血や肉を奪いながら成長していく。
そして、私のからだをつきやぶり、
この世に出てくるのだ。
新しい生き物にすべてを奪われ、
私という人間の抜け殻だけが
残るのではないだろうか。
………そんな思いに支配され
ぶるぶると震えが
止まらなくなってしまったのです。

小説『母性』より


という謎の思考に囚われ怯えているルリ子を
優しく抱きしめて

『怖がらなくてもいいの。
 お母さんは、自分が生まれてきて
 本当に良かったと思っている。
 あなたを産んだときもそう思ったけど、
 今はその二倍、喜びを感じているの。
 自分の命がより未来へ繋がることが
 わかったんですもの。』

『母性』より

と話します

また、自分と孫の命が危ないという時に
自分を助けようとする娘に対して

『あなたが助けなきゃならないのは、
 わたしじゃないでしょ』

『あなたはもう子どもじゃない。
 母親なの』

『親なら子どもを助けなさい』

と諭します
しかし母親が一番大切と思うルリ子は
なおも母親を助けようとします

そして、ルリ子の母は

『お願いお母さんの言うことを聞いて。
 わたしは自分が助かるよりも、
 自分の命が未来へ
 繋がっていく方が嬉しいの。
 だから』

と自分より孫を助けるよう懇願し

『あなたを産んで、
 お母さんは本当に幸せだった。
 ありがとう、ね。
 あなたの愛を今度はあの子に、
 愛能う限り、大切に育ててあげて』

と最期の言葉を残し自死します

たぶん、そうでもしないと娘が
自分を助けることをあきらめないと
悟ったのでしょう

そして、このままだと
3人とも手遅れになってしまうと

自分の命が
未来へ繋がっていく方が嬉しい

一見、ナルシズムのようにも聞こえるし
エゴイズムにも聞こえる

しかし

自分の命を 自分の遺伝子を
未来へと残すことは
生物としてすごく原初的な欲求です

生きることそのものとも言える
それを否定することは難しい

人間以外のほとんどの生き物は
遺伝子を次ぎに繋ぐ行為に
疑問も嫌悪感も抱かないでしょう

その為に進化してきたのだから

それをエゴなどとも思わない

実は、小説『母性』では
完璧なまでに理想的な母親に見える
ルリ子の母にも希死念慮があることが
描かれています

『わたしは何故
 この世に生まれてきたんだろうって、
 子どもの頃、ずっと考えてた。
 答えが見つからずに、
 このまま死んでしまってもいいんじゃないか、
 なんて思ったこともある。
 だって、特別頭がいいわけでないし
 大きな才能に恵まれていたわけでもない。
 わたしがこの世にいてもいなくても
 まったく何も変わらない。
 わたしの存在に意味がない。』

小説『母性』より

まさに、希死念慮的な思考
映画で大地真央が演じる母を見た人には
意外に映るような発言です

このセリフには、さらに続きがある

『でもね、
 あなたを産んだときに思ったの。
 わたしはこの世に何も残せなくても、
 わたしの子どもは
 何か残すことになるかもしれない。
 その子が残せなくても、
 その子が産んだ子が
 何かを残すことになるかもしれない。
 でもそうなるのは、
 わたしという存在があったから
 ちゃんと結婚して、子どもを産んだから。
 歴史の中に点ではなく線で存在できる、
 ということなのよ。
 こんなに素敵で幸せなことはないでしょう』

小説『母性』より

『ちゃんと結婚して』というのは
元未婚シングルマザーとしては
つい反発したくなってしまうがw

歴史の中に点でなく線で存在できる
というのはなるほどと思うし

人間故に考えてしまう
〝自分が何者なのかと言う疑問〟と
〝考えてしまう故に生じる焦燥感と無力感〟

ルリ子の実母は
その答えを自分と言う短い人生でなく
脈々と繋がっていく命に託することで
自らの希死念慮に打ち勝ち
自らの人生をも受け入れられた成功モデルと
言えるのではないだろうか?

人は、
誰かの為に何かをして喜ばれること
誰かの役に立つことを望む傾向にあります
それが自らの存在価値になるので

ルリ子の実母は
自分は何者なんだろうという
自分にフォーカスした思考から
子どもや孫に無償の愛を与える存在へと
変わっていったのだと思います

残念だったのは、
ルリ子が依存体質だったことかも
それを痛感したのが
死の直前なのは本当に残念
子どもの素質を見極めた
接し方も大事なんだなぁ。。。

子どもは可能性であり希望である

その可能性を潰すことない
親でありたいと強く思った

子どもの可能性を信じ
見守り育てることこそ
〝母性〟なのかもしれない


長々と、意味不明な文章に
お付き合いくださりありがとうございます
良かったらスキ押していってくださると
嬉しいです





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