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鹿児島、知覧②


「知覧からの手紙」の他に、もう一冊。
陸軍特別攻撃隊の方々にフォーカスを当てた本の中のひとつに「ホタル帰る」というものがあります。

映画「俺は、君のためにこそ死ににゆく」の原作となった本です。

内容は軍の指定食堂を経営していた鳥濱トメさんと特攻隊の方々の交流を綴ったものです。


「ホタル帰る」のタイトルにもなっている、特攻隊の方のエピソードがあります。
宮川三郎という新潟出身の青年。

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まだ19歳という若い軍曹さん。
出撃が6月6日に決まり、その前日の6月5日は宮川さんの二十歳の誕生日だった。
トメさんは心尽くしのおもてなしと、出撃前夜のはなむけとして手料理を並べてお祝いをした。
空襲警報がなり、防空壕に逃げ、警報が解除となり外に出て、真っ暗の中、藤棚の下のベンチに座ったとき
「蛍がきれいだね」
と誰かが言った。

小川の上を蛍が飛び交っていて、その場にいた5人で黙って見ていると
「おばちゃん、死んだらまたおばちゃんのところに帰ってきたい。
おばちゃん、俺たち帰ってきてもいいかい?」
と宮川さんが言った。
トメさんは「帰ってらっしゃい」と言った。

「そうだ、蛍だ。おれ、この蛍になって帰ってくるよ。
明日の晩、9時頃に帰ってくるから店の引き戸を開けといてね。
おれが帰ってきたらみんなで『同期の桜』を歌ってくれよ。」
そう宮川さんはトメさんに伝えた。

6月6日。雨の中、宮川さんは沖縄に向かって飛び立っていった。

その日の夜の9時頃、表戸の隙間から一匹の源氏蛍がお店に入ってきた。
「宮川さんが帰ってきた。」
その場にいたみんなで『同期の桜』を泣きながら歌った。


「俺は、君のためにこそ死ににゆく」で中村倫也さんが宮川さんの役を素敵に演じてらっしゃいますので、ご興味のある方は観てみてください。

ずっと行きたかった、鹿児島県、知覧。

2018年6月。

念願の知覧に行くことを決めました。

飛行機の関係で当初は6月4日に行く予定でしたが
偶然なのか導かれたのか6月5日に行くことになりました。

実際に行ってみて思ったことは、予想をはるかに超えた若者たちが、知覧から旅立ち、散華していったこと。
本で取り上げられている若者はほんのひとにぎりです。

遺影は出撃順に飾られていました。
遺影がない方も多数いらっしゃり、とても胸が苦しかったです。

わたしの出身地、いわきからも若干数の若者が、知覧から旅立っていました。

事前知識が割とあったので、客観的に、いい意味で淡々と回ることができました。
これ、事前に知識入れとかないと涙腺破壊してやばいことになりそうだなって思ったので、お勉強してから行くことをオススメします。

特攻隊の方々だけではなく、
戦火の中で亡くなった多くの方々のおかげで
今の平和な日本があること。

ただただ、感謝の気持ちしかありません。

雨が降っていたため、記念館以外に足を運ぶことができなかったのが心残り。
この世の中が落ち着いたら、今度は桜が咲く頃に再訪をと、決めています。

なぜこの特攻隊の方たちへの想いをnoteにかいたかというと、

少しでもこういう方々がいたんだよ、ということを
戦争を体験したことのないわたしが伝える意味がきっとあると思っているからと、

大きな夢のひとつに
俳優として
特攻隊の方に関わる作品に出演すること、
「知覧からの手紙」を舞台化したい
という思いがあるからです。

こういうところで書いたり、色んな人に公言してたら
夢は絶対に叶う!
と信じているので、noteにまとめました。

歴史を知ることは、自分の住んでいる国を理解すること。

まだこの時代で精一杯だけど、少しずつ戊辰戦争あたりの勉強もしていこうと思っています。
福島県出身だしね!白虎隊のことも、ちゃんと理解していくつもりです。